Level.8「ネコ耳美少女」
門を潜ると壁の外より一層喧騒が大きくなった。
「門の前からちょいちょい目に入ったがこの世界は獣人が普通にいる世界なんだな」
「あのネコ耳の娘ちょー可愛い」
ユメが早々に色々なものに目を輝かせている。ちょー可愛い。ユメが。
「まずは冒険者ギルドみたいな施設を捜そう」
「あの娘の耳をモフモフしたい」
少し息を荒げ、ユメは両手をワキワキさせていた。
いつまでやってんだよ…
「ねぇねぇそこのお姉さん。この街に冒険者ギルドは無い?」
!?
気付けばユメがさっきのネコ耳美少女に少し息を荒げながら話しかけていた。
話しかけられたネコ耳美少女は少し驚いたが笑顔で応えてくれた。
「冒険者のギルドはこの十字路を向かって右に曲がった後道なりに少し進めば見えて来ますよ」
ユメは未だに息を荒らげたままお礼を言った。
「ついでにもう一つお願いしたいのだけられど…」
あ…これはヤバい!!
俺は、勘づいたと同時に2人眼が目掛けて走り出した。
「なんですか?」
ネコ耳の女の子は笑顔のまま首を傾げた。
「あなたのネコ耳をモフm」
「ありがとうございましたー!!」
俺はユメの襟を掴み、冒険者ギルドがあるという方向にユメを引き摺りながら走り去った。
「ちょっとリク!何で引っ張るの!」
「アホか。お前初対面の女の子にグイグイ行きすぎだろ!下らねぇことしてないでとっととギルドに行くぞ」
ユメが口を尖らせブー垂れていた。
くっ…可愛い。
言われた通りにしばらく進むと、レンガでできた一際大きい建物が見えてきた。
その建物の入口の少し上に看板に大きく「冒険者ギルド」と書いてあった。記憶のどこを探しても教わった事も見たこともない文字なのにどうしてか読めてしまう。やっぱり本当に神なんだな。あいつ。
入口のドアを押し開け俺達はギルドの中に入ると「いらっしゃいませー!」と、スタッフの女の子達が笑顔で挨拶をしてくれた。
店の奥に受付らしきカウンターが少し列を作っているのを見つけたので、列の一つに並んだ。
少し待っている間にギルド内少し見回して見ると、肌の黒いムキムキの厳つい男も入れば、ローブを着て杖を持っている美人なお姉さんもいる。耳の尖ったエルフの老夫婦がテーブルで食事をしているのも見える。どうやらギルドには酒場が併設されている様だ。
「次の方どうぞー」
謝辞
投稿期間がかなり空いてしまい、申し訳ありません。