Level.6「ガンバってね♡」
ユメも職業選択がちょうど俺と同時に終わったようだ。
「ねぇリク。ステータス見せてよ」
「あぁ、俺はなんか変なステータスだったぞ」
「私もかなり偏ってたよ」
そう言うとユメは目を閉じた。ステータスを出しているんだろう。
俺もステータスを出した。
ユメのステータスを見ると、―――――――――
攻撃:59 魔法攻撃:902
防御:42 魔法防御:69
運:104 器用:124
HP:1439 MP:7354
職業『ウィザード』
「「!?」」
横で、俺と同じように困惑と驚愕が混じりあったような反応があった。
「「何だよこれ!?(何よこれ!?)」」
声が被ってしまった。
「『魔法攻撃:902』と『MP:7354』って!?強い魔法撃ち放題じゃねぇか!!」
「そっちだって『防御:857』と『魔法防御:795』って!?...ねぇこれ何が出来るの?」
ユメが途中から勢いが無くなってきた。
「そうなんだよ。防御高くても何もできねぇんだよ。」
「あんたが囮スキルかなんか覚えてモンスター引き付けてる間に私が魔法ブッパすればいいじゃない」
「お前めちゃくちゃ楽じゃねぇか!?ていうか旦那に対してお前当たりキツいな」
それだと俺のレベルが上がらなそうだし。
そんなやりとりをしているとまたもや俺のスマホが振動した。
やはり画面には「差出人『神』」と表示されていた。
『ステータス確認と職業選択は終わったかな?それじゃあこの世界について大まかに説明するね。
あ、このまま北に真っ直ぐに歩いていくと、駆け出し冒険者のまち『ア-クス』があるから歩きながら読むといいよ。それじゃあこの世界についてだけど、この世界の文明レベルはゲームによくあるような中世ヨーロッパと同じぐらいだけど二つだけ少し違う点があるんだよ。
1つめは『魔法』が存在すること。2つ目は『モンスター』が存在すること。この2つによって君たち二人がいた現代の地球にもなかったものがこの世界にはあるんだ。具体的には『魔道具』だったりかな。
『魔法』は君たちも漫画やゲームでよく見たことがあるような自分の体内にある魔力を使って自然現象や生命に干渉することだ。
そして『モンスター』はこの世界に存在する生命体の一部の総称で普通の動物との違いは体内に魔力を宿しているかどうかだね。モンスターには「低級」、「中級」、「上級」、「超級」、「神級」の五つがあって低級くらいなら一般人でも二人くらいいれば危なげなく倒せる程度だけど超級くらいになるとこの世界のよく訓練された兵士5000人の軍隊でも倒せないレベルだよ。神級は敵意を向けられたら最後。1つの国なんか1日も経たずに滅ぼされるよ。でも上級モンスターくらいからは意思疎通ができるモンスターも少なくないから神級も相当のことをしないと怒らないけどね。あ、因みにボクも神級に登録されてるらしいよ』
「「!?」」
『この世界の大まかな説明はこれで終わりかな。まぁ、質問があったら適当に聞いてよ。このアドレスにメールを送ってきたら気が向いたら答えてあげるよ。そろそろ「アークス」に着くころじゃないかな。最初は門に入って真っ直ぐ進むとある中央広場の「ギルド」に行って冒険者登録とパーティーメンバー探しをするといいよ。それじゃ、ガンバってね♡』
メールを読み終わると同時に、少しずつだが確実に人の気配と喧騒が感じられた。
いかがでしたでしょうか。
ここからやっと物語が進んでいきます。
誤字脱字などの指摘大歓迎です。
感想も頂けたら幸いです。
ではまた次話で!!