Level.1 「夫婦旅行(異世界)」
鬱蒼と木々が生い茂る大自然のど真ん中、あまりにも場違いな洋風な寝台に座り呆けている寝間着姿の一組男女は、訳のわからないまま呟いた―――――――
「「どうしてこうなった」」
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「なぁ、ユメ」
「なに?」
そこはとあるホテルの一室。ベランダからキレイな海が見えるいい部屋だ。
「明日は何時に起きればいいんだ?」
ごくごく普通の容姿の、普通の青年のリクは自分の妻に聞いた。
俺はいま、妻の「ユメ」と仲良く旅行中だ。
「明日は朝食の予約が7時15分だから6時45分に起きれば間に合うんじゃない」
俺はスマホのアラームを6時30分にセットし、布団に潜った。
「じゃあ、寝るわ」
「うん。おやすみ」
そう言うとユメは猫の様な小さなあくびをした。
なにこの嫁、超可愛いんですけど。
俺がユメの可愛さに悶えていると、
「あまり見つめられると恥ずかしいよ」
と、頬を朱に染めて照れ隠しか俺の頬をつねってっくる。
そのやりとりが終わると、ユメが電気を消したので俺は寝ることにした。
だんだんと意識が微睡んでいき、30分ほどで熟睡していた。
そして、この世界で次の朝を迎えられなくことを俺はまだ知らない。