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魔界への誘い  作者: 直井 倖之進
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プロローグ

 初めまして、直井 倖之進です。以前の作品からご贔屓くださっている皆さんは、いつもありがとうございます。今回もよろしくお願いいたします。

 三作目となる本作は、ファンタジーです。基本的に毎日更新していきますので、最後までお付き合いいただけましたら幸いです。

 それでは、どうぞ。


               プロローグ


 現代より時を(さかのぼ)ること、三千年。かのソロモン王の時代には既に完成していたとされる召喚魔術は、円形に描きし陣の中に、魔の物を呼び出したという。円形の陣とは、いわゆる魔法円のことであり、それは、二重の幅のある帯円を基本とする。その帯の中に、魔術的に意味のある図形や数字、文字などを描いていくのである。

 移ろいし時代とともに魔法円は、簡略化されながら多様化していった。我が国を例に挙げるならば、平安時代の(おん)(みょう)()安倍(あべの)(せい)(めい)が用いた星形の紋、()(ぼう)(せい)が有名であろう。

 しかしながら、魔法円が魔物の召喚に使われたのに対し、五芒星は()(まも)りとして販売されていることからも分かるように、魔除けや厄除けの意味合いが高い。また、基本とされる二重の円もないことから、「もはや魔法円としての(てい)をなしておらず、別物である」と考える者が多いのも事実である。

 では、正統なる魔法円は、召喚魔術は、完全に消え去ってしまったのだろうか。

 答えは「いいえ」だ。現在も召喚魔術は施され続けている。ただし、それは、神社で行う(うし)の刻参りと同様、人知れずひっそりと、である。

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