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太陽すら手のひらに! ―車に轢かれて死ぬのは嫌なので、太陽作って対抗します―  作者: 遠藤 肇
第1章 結成、カテドラル・オブ・アビス

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第5話 深淵王……、アビス・キング……。 キング・オブ・ザ・アビス……。

 深淵王……、アビス・キング……。

キング・オブ・ザ・アビス……。

なかなか良さげだ。


 「俺もこの前勧誘されちまってよ、

アイツらの手口かなりヤバいぜ?」


 「なんてったって、あんな綺麗な

ネーチャンを使って勧誘すんだ、

危うくついて行きそうになったぜ」


 こいつはこういう奴だ。


 「なるほど、それはヤバいな」


 だがノリが合わないわけではない。


 「にしても胡散くせーよな。

深淵王とか名前ダセーし、目的も不明だし」

 

 「…………おう」


 やっぱりノリが合わないのかもしれない。


■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■


 学園が終わり、王都を歩いていた時。


 「――あの、すみません」


 「はい?」


 そこには藍色の長髪と瞳の、

まるで夜のような美女が居た。あと胸が大きい。


 「私、アビスの福音の者でして、

少しお話をしませんか?」


 ユージーンの野郎が言っていたのはこれか。


 そう思った瞬間、彼女がこちら近づく。


 ――ギュッ。


 「すみません……。

私、よく立ちくらみしちゃって」


 彼女が俺の腕を掴み、

柔らかな胸が押し当てられる。


 oh……、

ごめんよユージーン。気持ちがわかった。


 だからと言って、

ついて行く理由にはならないが。


 「その制服、レガリステラ王立総合学園の

ですよね? 騎士なんですか?」


 「いや、俺は……」


 魔術師? いやでも剣も使うしな。


 「私は魔術師なのですが、よければ一緒に

魔術の深淵について語り合いませんか?」


 「語り合いましょう!

近くのカフェでいいですか?」


■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■


 ――カチャン。


 目の前に座る彼女がティーカップを置く。


 勘違いしないでほしい。これはあくまでも

戦略的な行動だ。今王都を騒がせている

組織についての情報を得る絶好の機会なのだ。


 断じて、深淵について語り合うとか

かっこいい言葉に惹かれた訳では無い。


 「それで、お話というのは?」


 「まず、自己紹介をさせてください。

私はアシェルといいます。単刀直入にいいます。

アビスの福音に入りませんか?」


 単刀直入すぎるだろ。

まずその組織が何なのかって話。


 「……その前に、

そのアビスの福音? について

説明してもらえますか」 


 「はい! アビスの福音では、

深淵王ミカエルシファー様を信仰しております」


 ミカエルシファー!? 

なんか色々混ざってるけど、

光と闇、天と地! かっこいいぞ!


 「信徒の大半が魔術師で、

魔術の深淵を探求しています」


 「……続けて」


 深淵を探求する、良いねゾクゾクする。


 「深淵王様を信じ崇めることで、

深淵王様から祝福され力を授かるのです。

そうすれば魔術の深淵に近づける」


 「……それと勧誘の何が関係あるの?」


 「あ、それは単純に

深淵王様をより多くの人に広めたくて……」


 布教したいだけ! ただの敬虔な信徒!


 「……改めて、アビスの福音に

入る気はありませんか?」 

 

 入る気ねー、無いけどどんなもんか

興味はあるんだよなー。


 「んー、見学ってできない?」


 「もちろんできますよ!」


 やった! 万が一何かあっても、

組織ごと潰せば問題ないし、

是非見学させてもらおう。


■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■


 ――タッ、タッ、タッ、タ。


 足音が響く。


 ここはアビスの福音の

本拠地的な……、アジト的な場所。


 協会? それともお城? みたいな感じ。

正直めちゃくちゃ雰囲気があってかっこいい。


 「ここではいつも何をしてるの?」


 「基本的には魔術の深淵について、

信徒たちで語り合い探求するんです」


 アシェルが俺の問いに答える。


 「ほーん、友だちから聞いた話とは

なんか雰囲気が違うなー」


 「と、いいますと?」


 「悪い事を企んでる感じの、

やばめのイカれ集団かと思ってたんだ。強引に

勧誘してるとか、王都で話題らしいし」


 「……え、……イカ、ッえ!?

ち、違いますよ! 全部勘違いです!」


 「アビスの福音は深淵王様を信仰し、

ただ魔術の深淵を探求するだけの組織です!」


 必死に誤解を解くアシェル。


 「ただ……、この本部ではなく

支部でのことはわかりかねますが……」


 「ふーん」

 

 …………ん?

 

 「……あ、『あれ』は何ですか?」


 そう言って俺が指差す『あれ』は、

心の底から本気でかっこいいと憧れるもの。

いや、憧れてきたもの!


 「ああ、あれは……」


 「――玉座です」


 玉座。俺が人生で1番座りたかったもの。


 「……誰の?」


 「あの玉座は一応、深淵王様の為に用意

されたものですが、あくまでも形だけのものです」


 空の玉座、主が不在の玉座。深淵王。


 「つまり、あの玉座に座る人は居ないんですね?」


 「いえ! そういう訳ではありません!

私たちに深淵王様の力を授けてくれるお方。

ここで1番位の高い……」


 「――私が座るのだ」


 男が彼女の言葉を遮って答える。


 「司教様!」


 何だこの男。胡散くさい顔しやがって。

というかこいつの纏う異質な魔力どこかで……。


 「この人は?」


 「ロイマン・ハラグ司教様。

深淵王様の代理人を務めているわ」


 「その通りだ。君は……、

見ない顔だ。見学者かな?」


 アシェルが俺の問いに答えると、

それを肯定するロイマン。


 「……今日のところはひとまず帰ります」


 「え! もう帰っちゃうんですか!?」


 アシェルが残念そうに言う。


 「ああ、でも近い内にまた来るよ。

近い内に……、ね」


 俺はそう言ってその場を後にした。

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