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太陽すら手のひらに! ―車に轢かれて死ぬのは嫌なので、太陽作って対抗します―  作者: 遠藤 肇
第4章 覚醒、異種混合武闘大会

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第28話 ちなみにヘイトは全部俺に向いている。

 試合開始直前。


 「フレアー! そんなインチキ野郎

ぶっ飛ばしちまえー!」


 「そうだそうだー!」


 観客たちが声を上げる。


 するとフレアが口を開く。


 「黙りなさい!」


 彼女はただ一言そう叫んだ。


 「インチキなんかじゃないわ。

貴方の実力は本物よ。それを理解できない

アイツらはただのバカね」


 「へー、ありがとう?」


 彼女の恐らくフォローに対して礼を言う。


 「そ、それでは試合開始ぃぃ!」


 そして審判が合図をする。


■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■


 彼女は動かない。


 剣も抜かない。


 様子見か……。 


 ――ズズズズ!


 かと思えばゆっくりと剣を引き抜いた。

剣を引き抜く際、鞘と刃の間で火花が散る。


 ……かっこいいな。


 タッタッタッタ。


 彼女はこちらへゆっくりと歩み寄ってくる。


 ――ジワ、ジュゥゥ。


 そして、彼女の歩いた箇所が焼け焦げている。


 火……、熱かな。じゃあ火属性か。


 ――タ。


 彼女が歩みを止める。

あと一歩踏み出せば彼女とぶつかる。

それ程まで距離が近い


 ――バキャン!!


 俺の剣が破壊される。


 彼女は剣を振り下ろしていた。


 凄まじく速い? 否、重い。


 ――シュ。


 彼女の剣先が俺の首に当てられる。


 「降参して、貴方の負けよ」


 一連の光景を見ていた審判、観客のすべてが

唖然とした様子。


 俺は彼女に告げる。

 

 「……フレア、だっけ。君の近くは温かいね」


 俺の言葉を聞いた彼女は目を見開く。


■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■


 「それに気づいたとして、貴方の剣はもう――」


 彼女もようやく気がついたようだ。

俺の剣先も彼女の首に当てらていることに。


 お互いが剣先で首突く異様な光景。


 ――ドッ!


 凄まじい力で踏み込み、後退するフレア。


 「……こうなるのが嫌だったから

武器を破壊して早めに決着をつけようと

思ったのだけど、失敗ね」


 そう、彼女は慎重だった。

その慎重さ故に相手油断させ武器を破壊し

強制的に戦闘不能を測ったのだ。


 「こうなってしまった以上、

真正面からぶつかり合うしかないわね!」


 ――ブォォォォ!!


 そう言った彼女は思い切り剣を振る、

その剣筋を追うように炎が燃え上がり壁が作られる。


 タタタタタタ!


 炎から出てきた彼女が俺の周囲を走り回る。

すると走った後にも炎の壁が作られ、


 彼女の炎に完全に包囲される。


 こうなったらもう、

彼女がどこから来るのかわからないだろう。

 

 グルグル回る彼女。どんどんと炎が迫ってくる。


 そして炎の壁との距離はどんどん狭まり、

目と鼻の先まで来ている。


 一歩でも動けば火傷じゃ済まないな。


 ――パキン!


 俺の足元が凍らされる。


 ――ブワ!

 

 彼女が目の前の炎の壁から飛び出し、

斬り掛かってくる。


■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■


 彼女の魔術は一言で言えば熱。


 体温を操作して身体能力を向上させていて、

熱を操作して炎も氷も生み出す。


 足を拘束され、炎に包まれ、

ゼロ距離で斬りかかられている。


 避けられない。そして避ける必要もない。


 ――ッブン!


 「――――ッえ!?」


 彼女は驚愕する、なぜなら振り下ろした剣が

俺の体を通過したから。


 寄生型ハーヴェスの時と同じ。

次元が違う。ぱっと見そこに居ても、

俺の体は別の次元にある。


 炎の渦の中、彼女の腹部に拳入れる。

そして彼女に告げる。


 「もし、このまま俺が魔術を解いたら

どうなるだろうか……」


 それを聞いた彼女は、青ざめた顔をしている。


 原理や詳しい能力は理解できなくても、

何となく察しはつくのだろう。


 「あ、……、貴方……」


 彼女が何か言おうとするが、無視して続ける。


 「降参してほしい」


 ただ一言だけ告げる。

すると、彼女はコクリと頷いた。


 ちなみにこれはブラフだ。

物質と物質が重なり合った状態で

魔術を解いても弾き出されるだけだろう。

……たぶん。


 俺は腕を引き抜き、彼女も魔術を解く。


 そして彼女が口を開いて言う。


 「降参……、するわ」


 審判は困惑した様子。


 「え……? 勝者……、

26番、アル・ガラクシア……」


 審判の言葉に観客たちもざわめいた。


■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■


 「アル……、まさかお前が

ここまで上がってくるとはな……」


 強者と化したユージーンが呟く。


 「ふっ……、まさか俺に

これほどの力があったとは……」


 それに乗っかる俺。


 ここまでギリギリ勝ち上がって来た

ユージーンの株は、かなり上がったようで

熱狂的なファンが居るほどだ。


 ちなみにヘイトは全部俺に向いている。


 さっきのフレアとの戦いだって、

俺はその場から一歩も動いておらず、

観客からすればなぜかフレアが降参して

戦わずに勝利を収めただけなのだ。


 「遂に決勝戦だな……、

まさか俺とお前が戦うことになるとは……」


 ユージーンがそう言う。


 「ああ」


 そう答えると、遂に最後の時が来た。


 俺とユージーンはステージに上がって

決勝戦へと進むのだった。

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