表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
太陽すら手のひらに! ―車に轢かれて死ぬのは嫌なので、太陽作って対抗します―  作者: 遠藤 肇
第4章 覚醒、異種混合武闘大会

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

27/31

第27話 騎士の剣が攻めなら、王の剣は究極の受け。

 俺とケメインが向かい合う。


 「さあ、始めようか」


 ――ス。


 ケメインがそう言って腰の剣を抜く。


 「うん」


 ――チャキ。


 俺も一言答えて剣を抜く。


 「それでは、試合開始!!」


 ッダ!


 審判の合図と同時にケメインが飛び込む。


 剣を低い位置で構えて

真っ直ぐに突っ込んでくるケメイン。


 ――キィン!


 ケメインの刃と俺の刃がぶつかり合う。


 ギギギ、――ギィ゙。


 鍔迫り合いになる。


 どうやら最初から斬るつもりは無く、

ただ俺の力を確かめたいようだ。


 慎重な奴だ。


 「君、なかなか強いね」


 ケメインがそう言って広角を上げる。


 「そっちこそ」


 俺も一言答え、ケメインの剣を弾く。


 するとケメインは剣を素早く振り下ろし、

高速の連撃を繰り出す。


 ――キキキキキキキン!


 この連撃にも攻撃性はなく、

ただ剣を振り回して戦っているように

見せているだけのようだ。


 剣を振りながらケメインは話を続ける。


 「確かに君は強い。

なのに君の事は今日初めて知ったんだ」


 「実力を隠しているよね?」


 「……不本意ながらね」


 初めて気づかれたな。


 「君の考えも理解できる。この学園で

爵位の低い者が目立つと、色々と面倒だろう」


 「……わざわざこんな時間稼ぎまでして、

何が言いたいの?」


 当てる気のない連撃を続けるケメインに問う。


 「僕はただ本気の君と戦いたい、

それだけさ。騎士だからね」


 本気ね。


 「わかったよ」


 ――キン。


 ッダ!


 俺がそう告げると

ケメインは連撃を止めて距離をとった。

 

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■


 ケメインの騎士としての意思。

強者との戦いを望む姿勢。


 彼に敬意をはらい、俺は剣を片手だけで握り、

ゆったりと構える。


 マーシアに習ったのは騎士の剣。

それを昇華した俺の剣は、王の剣だ。


 「おい見ろよアイツ……」


 「ああ、バカにしてんの?

ふざけた構え方しやがって……」


 観客たちがヒソヒソと話し出す。

すると1人の観客が声を上げる。


 「運よく勝ち上がってこれたからって

調子乗んじゃねーぞ!!」


 それを皮切りに他の観客も声を上げる。


 「なんだその構え方!

剣の使い方も知らないのかぁ!!」


 「舐めてっと痛い目見んぞ!!」


 ケメインがこちらを見据えながら口を開く。

 

 「あんなもの気にするな。弱者には

わからなくても僕にはわかる、

その剣は完成されている」


 いい目をしてるな。


 「そうかな、君だってなかなか強いと思うよ」


 そう告げるとケメインは少し不満そうな様子。


 「そうかい」


 ――ッダ!


 ケメインが先程よりも力強く踏み込む。

 

 ――ッブン!


 凄まじい風を切る音が鳴り、

胴体を斜めに剣が振り下ろされる。


 ――ッズリィィ!


 それを刃で優しく撫でるように受け流される。


 「――ッ!」


 ケメインの顔が一瞬強張るが、

すかさず前傾姿勢から起き上がる勢いで

斬り上げる。


 ――ッズリィィ!


 それも同じように受け流される。


 「はぁぁぁ!!」


 キキキキキキキキキキキィィィ!!


 ケメインが再び連撃を放つ。


 体のあちこちを狙って

剣が振られる。捌ききれなくなったところを

一撃で決めるつもりだろう。


 不規則な攻撃を続けながら

ケメインが口を開く。


 「今確信したよ! まさに王の剣だ!

攻撃が当たる気がしない!」


 騎士の剣が攻めなら、王の剣は究極の受け。


 全ての攻撃を受け、防ぎ、

そしてその隙をついて圧倒する。


 そして俺も口を開く。


 「……隙あり」


 ――キン。


 無数の連撃の穴。そこに一振り。


 ――ギギギギギギギギギ!!


 後から送れてやってくる斬撃。

ただの一振りが無数の斬撃となる。


 ケメインの全身に斬撃が走る。


■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■


 ――ドサ。


 ケメインがその場に倒れる。


 そして観客たちが騒然とする。


 「……今何が起きたかわかるか?」


 「勝手にケメインが倒れた……?」


 ケメインと俺の攻防は余りに速すぎて、

観客の目では捉えられなかったのだ。


 「し、勝者! 26番、アル・ガラクシア!」


 ケメインの意識の有無を確認し、

審判が声を上げる。


 「おい! ふざけんなよ! またかよ!」


 「また不戦勝か!?」


 観客たちの怒鳴り声が響く。


 ――チャキン。


 俺は刃を鞘に収める。


 まあ仕方ない、悪目だちなら

変に目をつけられることはないだろうし。


 俺はその場を後にした。


■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■


 「いやー、お互い決勝目前だなアル!」


 「そーだね」


 今回の戦いも勝利を収めたユージーン。


 「なーアル、さっきのケメインも

強かったけどよ、お前の次の相手もやっべえな」


 「うん」


 ユージーンの言う通り、俺の次の相手は

今回の武闘大会で1番の実力者だろう。


■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■


 タッタッタッ。


 俺はステージへと上がる。


 「さっきの戦い、見ていたわ」


 そう告げる目の前の彼女は、

燃えるような赤い髪を後ろで縛っている。

その瞳もまた燃えるような赤。


 腰には剣。


 基本的に、男性は騎士。

女性は魔術というのがこの世界。


 それは魔力量が関係している。


 男性は少ない魔力を身体能力で補う。


 女性は高い魔力を利用して

魔術を使った方が強い。


 それなのにあえて剣を持つ彼女は、

姉と同じくS級相当の実力を持つ可能性がある。


 なんて考えていると彼女は続ける。


 「私はフレア・バーンスタイン」


 そして彼女はこちらを見つめる。

あ、名乗れってことか。


 「俺はアル・ガラクシア。…………よろしく?」


 挨拶はぎこちなくなったけど、

今回の戦いは一味違う気がする。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ