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太陽すら手のひらに! ―車に轢かれて死ぬのは嫌なので、太陽作って対抗します―  作者: 遠藤 肇
第3章 金策、冒険者ギルド

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第24話 ごめん、待った?

 クリスの言葉を無視して売られた喧嘩を

買った結果、大事になってしまった。


 俺もクリスのように冷静になって、

言葉を飲み込むべきだったんだ。


 すぐに感情的になってしまうのは

俺の悪い癖だ。こんなのは絶対王者とは言えない。


 「見苦しいものを見せてわるかった」


 俺はクリスたちに頭を下げる。


 「頭を上げてくれ、アル」


 そう言ったクリスの表情は穏やかだった。


 「……女性に手をあげたのはいただけないが、

あれはケヌマたちの自業自得だ。

アルが気に病むことじゃない」


 クリスが俺にそう告げると、

アネットも口を開く。


 「あのバカ女の顔をひっぱたいたのには、

正直スカッとしたわ!」


 そう言ったアネットにセシルが告げる。


 「アネット、ダメですよ!

せっかくアルくんが反省してるんですから!」


 「でもよ、ケヌマの野郎の

あのみっともねぇ姿、ありゃケッサクだったな!」


 そう言ってガルドが笑う。


 「もう! ガルドさんまでー!」


 そう言って、セシルは手を焼いているようだ。


■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■


 一段落ついたところでクリスが俺に問う。


 「アル、これからどうする?

僕たちはギルドに戻るつもりだけど……」


 「あー、じゃあ俺は遠慮しとくよ。

この後ちょっと用事があるんだ」


 俺がそう答えると、

クリスたちはギルドに戻って行った。


 さて、俺も用事を済ませようかな。

これ以上メルティアを待たせたらわるいしね。


■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■


 「ごめん、待った?」


 「いえ、それ程待ってませんよ」


 俺はメルティアと

デートの待ち合わせのようなやり取りをする。


 「……この前の事、ごめん。

ジュピカから聞いたんだ、

最近のメルティアが暗いって」


 そこまで言うと

メルティアは心当たりがあるようで、

必死に弁明する。


 「いえ! 旦那様のせいではありません!

私が悪いんです、旦那様を困らせるような

態度をとった私が……」


 「それに、私は何も気にしたませんよ!

旦那様の御考えは伝わっております!」


 その言葉を聞いて少し安心した。


 そして、メルティアに自分の考えを伝える。


 「ならよかった。……えーと、

それでなんだけど、お詫びって言うのも変だな」


 何と言っていいか悩んでいると、

不思議そうな表情で俺を見るメルティア。

その表情を見て俺は、考えるのを辞めて

大事なことだけを聞く。


 「……いいや!

 メルティア、この後空いてる?」


 「空い、てますが……」


 唐突な質問に戸惑っている様子のメルティア。


 「忙しくないなら、一緒に過ごさない?」


 「――はい! 過ごします!」


 めちゃくちゃ元気な

返答をするメルティアだった。

 

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■


 ――タッタッタッ。


 自分から誘ったくせに、

どうしたらいいかわからないので、

とりあえず一緒にトータスの街を見て回っている。


 すると、ふと1冊の本が目に入った。


 「……えっと、アビスの深淵【加筆修整版】」


 何れ……、なんか凄い感じの本だな。

オーラというか覇気を感じる。


 「旦那様? その本がどうかされましたか?」


 思わず見入ってしまっていたところ、

メルティアが問う。


 「いや、ちょっと気になっただけだよ」


 そう答えてから

ペラペラとページをめくってみる。


 内容は、アビスとは深淵で

深淵とは王であって神に等しく〜、とか。


 王は知恵を我々に授け、

導いてくださる〜、とか書いてある。


 カルト宗教の教えみたいなことばかり

書いてある。


 誰がこんなの書いたんだ?


 どれ、著者の名前はっと……、アシエルさんか。


 誰か知らないけど、

世の中には変な事考える人もいるもんだな。


 「あの、旦那様……」


 なんて考えていると、メルティアが

何か言いたげな様子で声を掛けてくる。


 「どうしたの?」


 「……あの店に寄っていきませんか?」


 もじもじしながらメルティアが指さしたのは

アクセサリーショップ。


 ほーん。ちょっと意外だけどまあ

メルティアも女子だもんな、

おしゃれに興味くらいあるか。


 「いいよ、寄っていこう」


 俺がそう答えるとメルティアが微笑む。


■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■


 店の中に入ると、

色々な種類のアクセサリーが売っている。


 メルティアが店の中を忙しなく見て回る。


 そんなに欲しいものがあるのかな。


 すると、欲しいもの決まったのか、

同じアクセサリーを2つ持ってこちらへ来る。


 「ど、どうですか?」


 そう言って指輪を見せてくる。


 「良いと思うよ……?

でも同じものが2つも必要なの?」


 俺はメルティアに聞く。


 「え……、えっと、お揃いがよくって」


 伏し目がちにそう言うメルティア。


 あー、なるほどね。そういうことか!

お揃いにしたい相手がいるのね!


 「そっか! メルティアはセンスがいいね!」


 そう伝えるとメルティアは、

顔を真っ赤にして恥ずかしそうにする。


 その後その指輪を買って店を出た。


■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

 

 そろそろ日も暮れてきたので帰路につく。

意外となるようになったな。結局メルティアが

満足してくれたようで良かった。


 「旦那様、……どうぞ」


 メルティアが手渡してきたのは

たった今購入した指輪。


 「え? いいの?」


 俺がそう聞くと、なんかしらんけど

照れてるのかメルティアはコクリと頷くだけ。


 3つ買っていたのだろうか?

でもそれならお揃いじゃ……、ああ!

お揃いって複数人でのお揃いなのか!


 つまり俺にも渡されるということは、

組織のメンバーでお揃いってことか!


 「嬉しいよ! ありがとうメルティア!」


 俺がそう伝えるとメルティアは、

再び顔を真っ赤にして伏し目がちになる。


 もともと物静かな子だけど、

今日は特に静かだったな。

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