第23話 追放&ざまぁ展開にされないよう頑張らなくては。
1週間ぶりに会ったケヌマは
よくわからんけど美少女2人を連れて、
両手に花の状態で現れた。
たったの1週間で成り上がってきた
チート戦士のケヌマさんに追放&ざまぁ展開に
されないよう頑張らなくては。
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
勝負に勝つのは簡単だろうけど、
根本的には解決しないよな。
やたら罵られたし腹立つから
ぶっ飛ばしたいけど、元々首を突っ込んだのは
俺だし責任は持たないと。
その為にも、
今さっき思いついた打開策を打つ。名付けて、
無力化して話し合いに持ち込む作戦だ。
そしてこの作戦は俺1人で
成功させるのは不可能だ。
なので……
「やっぱ1人だけ仲間呼んでいい?」
「……い、いいわよ?
それくらいのハンデがないとね?」
「あんがとー」
フィーナは動揺しながらも承諾する。
エイペックスのメンバーは全員がA級だ。
そりゃできれば相手したくないよな。
「なら、僕が――」
「あー、大丈夫。そこで観戦しててよ」
「え?」
クリスが名乗りを上げてくれたが、
わるいけど断らせてもらう。
今回はあの子に頼みたいのだ。
俺は大きく息を吸う。そして……
「メルティアーーーーーーーーー!!!」
宇宙の果てまで届くように大きな声で叫んだ。
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
――ッザ。
「お呼びですか、旦那様」
ほら来た。
「「「「誰?」」」」
その場に居た全員がそう言う。
「まあ、俺の……、大切な人さ」
誤解が無いように無難な回答をする。
「旦那様……」
――トゥンク。
「メルティア、言わなきゃいけない事が
色々とあるけど、とりあえずは
付き合ってほしい」
メルティアに最低限のことを伝える。
「――! わかりました!」
メルティアが元気よく答える。
俺がメルティアにしてやれることを
考えた結果、今回は彼女に頼むことにした。
きっと彼女は俺に頼られることが
嬉しいんだと思うんだ。たぶん。
だから彼女のことを他の誰よりも頼りにするのだ!
そしてこれが終わったら
この前の事はちゃんと謝ろう!
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
妄信的なメルティアはこの前の事を
大して気にしていなかった。
そして今のやり取りは、
メルティアの中でこう変換されていた……
「まあ、俺の……、大切な人さ」
↓
「決まってるだろ、俺の最愛の人さ」
そして、こういった意味で捉えられていた。
「メルティア、言わなきゃいけない事が
色々とあるけど、とりあえずは
付き合ってほしい」
言わなきゃいけない事が色々とあるけど
↓
プロポーズ、そして結婚式はどうするか。
付き合ってほしい。
↓
既に恋人だが、改めての愛の告白。
「――! わかりました!」
(旦那様やっぱり私のことを……)
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
「よっしゃ、
とりあえずあの2人を拘束――」
――パキン。
「終わりました」
フィーナとエマを指さして
メルティアに指示をだそうとすると、
既に氷漬けになっている2人。
そしてメルティアは事後報告をする。
「ちょっ……、嘘でしょ!?」
「ご主人様……」
2人は身動きが取れない。
「フィーナ! エマ!
よくも2人おおぉぉぉぉぉぉ!!」
ケヌマが叫んで突っ込んでくる。
「うおぉぉぉああ!!」
――ドサ。
そしてコケるケヌマ。
「この卑怯者め!!」
何が?
「こんなところに
トラップなんか仕掛けやがって!」
ケヌマは妄想が激しいようだ。
「いや……、ちが――」
俺が否定しようとすると、
ケヌマがいつものように言葉を遮って言う。
「大体なぁ! そんな化け物みだッ――」
――ドゴォ゙!!
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
ケヌマの野郎を殴り飛ばす。
コイツは今、メルティアに対して化け物
みたいな女と言おうとしたのだ。
「ぐはぁぁ!!」
ケヌマが吐血する。
「ケヌマぁぁ!!」
「ご主人様!!」
その様子を見て女2人が悲鳴を上げる。
――ザッ、ザ。
「これまでの発言は許してやったが、
今回はダメだ。メルティアに対する無礼を詫びろ」
俺はゆっくりとケヌマに歩み寄って告げた。
「……は、はい。
すみませんでした……」
絶望の表情で謝るケヌマ。
「頭が高い、
地に頭をつけて詫びろ。身の程を知れ」
――ジャリ。
「申し訳ありませんでじだぁぁ!!」
惨めに泣いて土下座をし、謝るケヌマ。
「ちょっとアンタ!
ケヌマに何させてんのよ!!
ていうか、いい加減にこの氷壊しなさいよ!」
――ザッザッザッザッ。
ッべヂィィン!!
フィーナなの元まで行き、
軽蔑した視線を向けながら
思い切り頬をひっぱたく。
口が切れたのか、ツ――、と血が流れる。
まさか自分が手をあげられると
思っていなかったのか、フィーナは
放心状態になっている。
――パンッ!
パリンィィン!
俺が手を叩くと同時に、
フィーナとエマを拘束していた氷が砕け散る。
「もうくだらない勝負なんかに
付き合うつもりは無い。お前らはとっとと失せろ」
俺はケヌマたち3人に命令をする。
こいつらの顔はもう見たくもない。
だが、3人とも呆然と立ち尽くすだけで
去ろうとはしない。
「聞こえなかったのか?
2度は言わない。失せろ」
俺が再度命令をすると、ハッと我に返った
フィーナが残りの2人を連れてその場を後にした。
■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
「アル……」
呆気にとられた様子のクリスが俺を呼ぶ。
「メルティア、少し待っててくれ」
「わかりました」
メルティアが微笑んで返事をする。
まあそうだよな。ケヌマはいいとして、
フィーナ、女性に手をあげたのだから。
さすがに引かれてるだろうな。
俺はクリスたちの元へ向かった。




