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太陽すら手のひらに! ―車に轢かれて死ぬのは嫌なので、太陽作って対抗します―  作者: 遠藤 肇
第3章 金策、冒険者ギルド

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第21話 球は立体、つまり3次元。その上の次元は?

 しかし、宇宙人・ハーヴェスにも

色んなタイプがいるんだな。


 殆ど人と見た目が変わらない者、

生物に寄生する者。

人型だが肌の色や四肢の数が違う者。


 ここまでくると、

まだ沢山のタイプが存在していそうだな。


 ――ドゴォ゙!


 なんて考えていると、

アリオウが距離を詰めてくる。


■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■


 ――ブブブブゥン!!


 4本の剣が全てを同じ向きに、

そして同時に振り下ろされる。


 ――ギギギギィ゙ン!!


 その全てを剣先で受け止めるが、かなり重い。


 パ――、ブゥン、――パシ!


 王が剣から手を離す。すると、

剣先から空中で時計回りに回転する。

1週して振り下ろされた向きと反対側に剣が

来たところで逆手持ちにキャッチして、

アリオウの首に斬りかかる。

 

 ――ッハァァグン! バギィン!


 それに反応したアリオウは、

口を大きく開けて剣を咥えると同時に噛み砕く。


 そして次の瞬間、4方向から剣先が迫る。


 ――ドォォォォォン!!


 思い切り剣が叩きつけられ、粉塵が舞う。


 ハラハラ……。


 だがそこには誰も居ない。


 迫りくる剣先に対し、

逆に相手に向って突っ込む。

そして、股下も滑り抜け回避したのだ。


 王が新しい剣で背後から斬りかかるが、

それを察知したアリオウの4本の内1本の剣で

防がれる。


 「その剣はたった今

我が噛み砕いたはずだが……」


 「在庫なら幾らでもある」


 王がアリオウの疑問に答える。

 

 次の瞬間、バッと振り返ったアリオウが

全ての剣をあらゆる方向から順番に振り下ろす。

 

 ――バッ、キキキキキキキキキキキ……。


 連撃、連撃、超連撃。

先程クリスが受けていたものよりも

遥かに速く、遥かに長い。


 その連撃にパターン性は無く、

全て違う軌道で振り下ろされる。

その無数の剣筋は弧を描き、円となり、

やがて球となる。


 キィン……。


 「――!?」


 驚いて剣を振るう手を

急に止めたアリオウが目にした光景は、

1本の剣を握る漆黒の騎士。

その背後で8つの惑星のように浮く剣。

 

 「もう終わりか? 

ようやく乗ってきたところだろう?」


 王はそう告げてから、

合計9つの剣で斬りかかる。


 ――ッキキキキキキキキキキキキキキ!!


 アリオウの剣筋が球となるなら、

俺の剣筋はその次元を超越すればいい。


 球は立体、つまり3次元。その上の次元は?


 ――4次元。


■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■


 ――バシュ! バシュバシュ! バシュ!

 

 アリオウの4本の腕全てを切り落とす。


 ――ドサ。


 「ッん…………、ぐぅ」


 アリオウは膝から崩れるが、声は上げない。


 「っぐ…………、見事……」


 「死ぬ前に俺の問いに答えろ」


 王はアリオウに命令する。


 「いいだろう」


 悲鳴の正体は後でクリスたちに聞けばいい。

最低限必要な事だけを聞き出す。


 「ツダクャリ星から来た貴様らの種は

一体何種存在する?」


 「……12種存在する」


 そこそこ多いな。


 「貴様らの目的は何だ?」


 「我々の目的は人類の殲滅だ」


 「なぜ殲滅する?」


 「我々の先祖は人類に魔力を与え、

資源として進化を促したが、種として想定以上に

進化し過ぎたのだ」


 「人類は我々の脅威になり得る。

だから実際に脅威になる前に殲滅する

つもりだったが、このザマだ」


 思ってたよりもやばいな。

どうなってんだよこの世界。


 我々か……、我々の目的。我々?

ほかのハーヴェスも、僕たち、俺たちって、

『たち』って言ってるんだよな。


 種族的な意味かと思ってたが、

どのハーヴェスもやってることや

目的は違っても、結果的に人類に危害を

与えてる。つまり最終的な目標が共通してる?


 「我々、と言ったな。それは種という意味か?

それとも貴様らには組織が存在するのか?」

 

 「そうだ。我々12の種族は、

1つの組織に所属している。名をゾディアクス」


 ゾディアクスねえ。


 「……尋問は終わりだ」


 王はアリオウにう告げた。


■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■


 アリオウがゆっくりと口を開く。


 「…………貴殿、

最後まで本気を出さなかっただろ?」


 「ああ」


 王は短く答える。


 「我は本気を出すに値しなかったか?」


 「…………どうだろうな」


 そう答えるとアリオウが真剣な目で話始める。


 「…………最後に、

貴殿の本気を我に放ってくれないか?」


 「なに?」


 短く問い返す。


 「我は武人だ。剣に向き合い、

剣と共に生きてきた。そして今日敗北した」


 「だが自分を負かした相手は

本気を出していなかった。屈辱だ」


 嫌いじゃない。武の道を生きて、武の道に死ぬ。

確かにコイツは強かった。そして俺は

武人であるコイツの腕を全て斬り落とし、

自慢の剣を振れなくした。


 ……そろそろジュピカが辺りの人全てを

避け終わった頃だろうし、まあいいだろう。


 それに、ロイマンの時はかなり加減していた。

俺も自分の力を試したい。


 「いいだろう、

俺の本気を貴様に放ってやる」


 「…………感謝する」


 アリオウが一言礼を告げた。


■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■


 これから死を迎えようとする

アリオウの目の前には漆黒の騎士が立っている。


 漆黒の騎士は右手に、漆黒の剣を握っている。


 漆黒の騎士の背後では、8本の漆黒の剣が

剣先を外側にして円形に並んでいる。

そしてその剣たちは、まるで1枚の皿のように

ゆっくりと回っている。


 騎士はゆっくりと、

右手に握る剣を天に掲げる。


 ――モワ。


 それと同時に、辺りに熱気が広がり始める。


 ――キィィィィィン。


 そう感じた後、掲げられた剣と

背後の剣たちの剣先が光り輝く。


 その神々しい光が薄暗い部屋を照らす。

そして光の熱量がどんどん高まり、

徐々に部屋の壁や床が溶け始める。


 騎士の甲冑、そして剣たちからは

白い蒸気が立ち上っている。


 「刮目しろ、これが到達点だ」


 ――ブン。


 ロス・ヘリオス【太陽は去る】


 ッキ――――


 剣が振り下ろされた瞬間、

9の剣に蓄積されたエネルギーが解き放たれる。


 その直後アリオウの視界は真っ白に染まった。


■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■


 初めて思い切り放ってみたけど、

結構な火力じゃない?


 全部真っ白に光った後、

一瞬で遺跡は蒸発しちゃったし、

小さい都市1つがまるまる消えたくらいの

でっかいクレータができてるもん。


 でもこれを放置すんのはマズイよな、

埋め立ててから帰ろう。

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