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太陽すら手のひらに! ―車に轢かれて死ぬのは嫌なので、太陽作って対抗します―  作者: 遠藤 肇
第3章 金策、冒険者ギルド

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第18話 俺はアル、E級だ

 いきなり割って入ったので、

もちろん不審がられる。


 「あ、貴方は一体……」


 ケヌマが問う。


 「俺はアル、E級だ」


 「ちょ、ちょっと

なんですかいきなッ……」


 クリスが俺に説明を求めるが、俺は彼の口を

手で塞ぎ、そして彼に小さく耳打ちをする。

 

 「追放の話、盗み聞きするつもりは

無かったんだけど、大声で話してたから、

つい聞いてしまったんだ」


 俺はそのまま続ける。


 「話を聞く限り、そこのケヌマって人が

聞き分け無くて、貴方たちもだいぶ参ってる

様子だったから見てられなくて」


 そこまで聞いたクリスは

俺の意図を理解してくれたようなので、

彼の口を塞いでいた手をどける。


 「協力してもらえるという事ですか?」


 「そのつもりです」


 クリスの問いに対して答える。


 「何度説明しても、相手がそれを承諾する

つもりがないなら、多少強引にでも追放した方が

いいですよ……」


 「もちろん、あくまでも俺の意見です。

これは貴方たちのパーティーの事なので、

当然俺は貴方の考えに協力するつもりです」


 俺はクリスにそう告げる。


 「な、なあクリス! その人は誰なんだよ!

知り合いなのか!? もしかして俺の代わり……」


 ケヌマうぜぇ、少しは自分で考えろよ。

というか見るからに知り合いではないだろ。


 クソうざいケヌマを他所に、

クリスは俺に小さな声で考えを告げる。


 「アルさん、協力助かります。

もちろん貴方が良ければの話ですが、

ケヌマの言う通り、既にアルさんが代わりとして

居る、という事にして頂きたいんですが……」


 「もちろん良いですよ。是非協力させてください」


 俺がそう答えると、クリスは続ける。


 「本当に助かります。今回の件のお礼は

必ずさせて頂きます。そしてこの件に関わった

ことで貴方に何か危害があればそれも

必ず僕が対処しますので」


 そこまで言うと、

クリスはケヌマの方を向いて口を開く。


■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■


 「なあクリス! 何とか言ってくれよ!」


 1人で熱くなってるケヌマとは対象的に、

冷静に話し始めるクリス。


 「……そうだ。アル、彼がお前の後任を

担うことになっている」


 「は、ははは……、何だよそれ……」


 ケヌマの勢いが落ちる。


 「み、みんなはどう思ってるんだ!

彼が俺の代わりとしてパーティーに入る事は

納得してるのか!」


 今度は他のパーティーメンバーに

意見を求めるケヌマ。


 「え、ええ、あたしは良いと思うわ」


 赤毛ツインテちゃんが答える。


 「私も同意見です」


 長い金髪ちゃんも答える。


 「ああ、俺も認めてる」


 最後に大男さんも答える。


 殆ど説明無しの状態でこの連携。

このパーティー……、できる。

というかみんなどんだけケヌマ嫌いなのよ。


 「く、くそ……、

俺はみんなの為に頑張ってきたじゃないか!」


 だからそれが全部、空回ってるし

お前のワガママなんだっつの。


 「ケヌマ、わるいが以前から決まっていたことだ」


 クリスがそう告げる。


 「なん――」


 「見苦しいぞ!」


 また「なんで」と言いかける

ケヌマを遮って俺は声を上げる。


■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■


 ケヌマは悔しそうな目で俺を見るが、

俺は続ける。

 

 「もういい加減にしろ。いつまで

子どものワガママで周りを振り回す気だ?」


 「子どもだって!? バカにッ――」


 「わるいが俺はクリスさん程優しくない。

お前に喋る機会は与えない」


 また自分の意見を

押し付けようとするケヌマを俺は拒絶する。


 「このパーティーにお前の居場所はもう無い。

それが事実だ。わかったらとっとと追放されろ」


 「ち、ちくしょう……!」


 ケヌマがようやく黙る。


 「そういう事だ……、

ケヌマ・イキリタイ! 今この時をもって、

お前をパーティーから追放する!」


 最後の一押しをクリスがする。


 ――ドン。


 ケヌマが絶望して膝から崩れた。


■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■


 ケヌマがトボトボとギルドを去った後。


 「勝手にすみません、クリスさん」


 「いえ、いいんです。こちらこそ、

会ったばかりの貴方に嫌われ役を

させてしまって申し訳ないです」


 クリスさん良い人過ぎない?

ケヌマは何でこんな聖人に見限られてんの?

 

 「ところで、E級ということは

冒険者にはなったばかりなんですか?」


 「今日登録したばかりですね、

短期間で小遣い稼ぎにと……」


 クリスの問いに対してそう答える。


 「なるほど……、なら貴方が良ければ

その間は本当にうちのパーティーに入りませんか?」


 「先程の件のお礼をさせて頂きたい。

これでも僕たちはA級冒険者なので、

少しはお力になれると思います」


 なるほど、その手があったのか。


 「でも、ほかの皆さんは?」


 俺がそう聞くと、

パーティーメンバーの人たちが答える。


 「あたしは大歓迎よ!

あのケヌマを追い出してくれた事、

感謝してるわ!」


 赤毛ツインテちゃんが答える。


 「もちろん私も同じです!

是非、パーティーに入ってください!」


 長い金髪ちゃんも答える。


 「俺だって歓迎するぜ!

ケヌマの追放の件、感謝してるぜ!」


 最後に大男さんも答える。


 「……のようですが、どうでしょうか?」


 クリスの問いに対して俺は答える。


 「そういう事なら、こちらこそお願いします!」 


 短い期間俺は小遣い稼ぎの為に、

このパーティー、エイペックスに

所属することになった。

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