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太陽すら手のひらに! ―車に轢かれて死ぬのは嫌なので、太陽作って対抗します―  作者: 遠藤 肇
第2章 襲来、宇宙からの侵略者

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第16話 男ってのは、修羅場を経験してデカくなるんだぜ……?

 カン、カン、カン、カン。


 王は寄生野郎に歩み寄る。


 「おいおい、

随分様子が変わっちまったなぁ!?」


 カン、カン、カン、カン。


 「そんなもん纏って、人間ってのは

俺たちの真似しかできねぇみたいだな!?」


 カン、カン、カン、カン。


 「おい!! 

何とか言ったらどうなんだぁ!?」


 カン。

 

 王が一度歩みを止めて口を開く。


 「……ああ、わるかったな。

鬱陶しいから無視してたんだよ」


 「――ッふざけんじゃねぇぞ!!」


 「そんなに怒るなよ。人間風情相手に。な?」


 王が挑発する。


 「どれだけコケにすりゃ

気が済むんだぁ!? あぁ!?」


 「……なら、少し話をしてやろう。

人間に寄生して、宿主に纏わりつくのが

貴様らの習性なのか?」


 王が探りを入れる。


 「んなこと、

答える理由がどこにあるんだぁ!?」


 「そうか。答えるのが恥なくらい、

寄生タイプは劣等種のようだな」


 「ッ! いいぜ、その挑発乗ってやるよ。

どうせこれから死ぬんだ、最後に教えてやるよ」


 これまでの経験上、

ハーヴェスは基本プライドが高い。挑発は有効か。


 「俺ら寄生型は肉体を持たねぇ、

だから他の生物に寄生して馴染んだタイミングで、

こうして内側から外に出んだ」


 なるほど。異質な魔力が漂った後、

体から飛び出した根が飛び出したが、

もともと本体は、植物の種子のようなもの

だったということだろうか。


 「そして肉体を外側から包み、

完全に制御を奪って自分の物にすんだ。

理解できてっか?」


 次で最後だな。


 「最後に1つだけ聞こう、

中身は生きてるのか?」


 「当たり前だろ、俺たちは宿主の

生命力で生きてんだ。中身が死ねば俺も死ぬ」


 ――カン。


 「それさえ聞ければもう充分だ、死ね」


 寄生野郎の背後まで

一瞬で距離を詰めて、そう告げる。


 「……は?」


 寄生野郎は驚いた様子でこちらに振り向く。


 「――どうなってやがる!? 

いつの間にッ!?」


 そして、既に厨二ちゃんを抱きかかえる

俺を見て声を荒げる。


 「……そうだな、

次元が違うってことだ。文字通りな」


 王は一言そう答える。


 「メルティア、やれ」


 「はい」


 王の指示に対しメルティアは短く応答する。


 ――パキ、パキパキ。


 「ッぐ! くそッ! くそぉぉ!!」


 メルティアの魔術で

徐々に凍りつく寄生野郎を背に、

王は歩みを進める。


 「散々馬鹿にした癖に、

この子がいないと生きられないのか。

パラサイトの貴様らにはお似合いの末路だ。

じゃあな寄生虫」


 完全に凍る前に、王はそう言葉を残して、

その場を後にした。


 「人間風情がぁぁぁぁ!!」


 ――パキン。

 

■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

 

 「…………んん」


 「大丈夫?」


 医務室のベッドの上で

目を覚ました厨二ちゃんに問う。

 

 「……あれ? 私……、

ディアボロネーゼは?」


 記憶が混濁している様子だ。


 「さ、さあ。

それは知らないけど、…………知らない」


 そういえば、

俺はこの子の名前すらまだ知らないのだ。


 「……君、さっきはごめんね」


 「え……、あぁ!」


 俺の謝罪を聞いて、

さっきまでの事を思い出した様子。

それと同時に顔が赤くなる。


 「いえ、私の方こそすみません。

変ですよね、私。格好も言動も……。

自分でもわかってるんです、

何がダメなのかくらい……」


 俺は何も言っていないのに、

勝手に卑下している。

典型的な自尊心の低い人って感じだ。


 「…………よし」


 俺が声を漏らすと、

不思議そうに俺を見る厨二ちゃん。


 「んッん! 我が名はアル・ガラクシア。

レガリステラ王立総合学園の1年だよろしく頼む」


 俺の名乗りを聞いて、

ポカンとした様子の厨二ちゃん。


 そんな彼女にウインクして合図すると、

ようやく気づいたようで、

ポーズをとり、そして名乗る。


 「――! 我が名はクロエ・フォン・ノワール!

我もレガリステラ王立総合学園の1年だ!

よろしく頼む、我が同胞よ!」


 クロエはそう言ってにっこりと笑った。


 心なしかクロエの目が、いつか見た

メルティアの目と似ていた気がするが、

まあ気のせいだろう。


 「……旦那様?」


 その凍てつくように冷たい声を聞いて、

寒気がした。


 「め、メルティア……」


 「さっき、「自分が間違ってた」って

言ってくださったじゃないですか……」


 再びダークサイドに堕ちたメルティアが

そこには居た。


 たしかに「自分が間違ってた」って

言ったけどあれはメルティアの言う通り、

クロエとハーヴェスが関係あったって

意味なのだが……。


■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■


 メルティアは全く違う捉え方をしていた。


 「メルティアの言う通りだった。

俺が間違ってたよ」


 「旦那様……」


 (それはつまり、こんな女じゃなくて

やっぱり私を愛しているってこと……)


■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■


 「旦那様……」


 そう言いながらゆっくりと

歩み寄ってくるメルティア。


 「……ずっと気になってたのですが、

なぜ旦那様、と呼ばれてるんですか?」


 クロエ、お前って奴は……。

俺もよくわかってないけど、

怖くて聞けずにいた事をあっさりと……。


 「なぜ? 当然じゃないですか。

私と旦那様は将来を誓い合った仲なのですから」


 メルティアがクロエの方を向いて答える。

 

 「…………え」


 クロエは絶句した様子。

だが、すぐに俺の方を向いて口を開く。


 「アルくん、どういうことです?

……私は遊びだったってことですか?」


 クロエ、お前まで!


 クロエまでダークサイドに堕ちてしまった!

そしてクロエも歩み寄ってくる!


 ――ガラガララ。

 

 「うーす、失礼しゃーす……、ん?」


 扉を開けて入ってきたのは

俺らの、俺たちの親友であり、

これから英雄になる男ユージーン。


 「ユージーン!」


 俺はユージーンを呼ぶ。


 「アル……、お前って奴は……」


 呆れた顔で俺を見るユージーン。


 「男ってのは、

修羅場を経験してデカくなるんだぜ……?」


 そう言い残してユージーンは、

俺に背を向け歩み始めた。


 ――ッバン!


 扉が勢いよく閉められる。


 「カムバック! ユージーン!」


 その後、

俺はどうやって生還したのか憶えていない。

少しでも「面白い!」「続きが気になる!」

と思っていただけましたら、ページ下部にある

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