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番外編 キリュウが恋人⑥フローナ救出作戦


電話越しにフローナの震える声が聞こえてくる。


シェル「フローナか!?今どこだ?」

フローナ「シェル」

シェル「うん?」

フローナ「爆弾が仕掛けられてる。」

シェル「な、爆弾!?」


シェルの爆弾、という言葉に仲間たちは驚愕する。


シェル「フローナ、とにかく今から助けに行くからまって・・・」

 

フローナ「ダメだよ、あと5分しかないの。拘束もされてる。だから、皆んなはキャンピングカーに戻って。」


シェル「おい、フローナ!!!」


ツー・・・ツー・・・。

それだけ言って電話は切れてしまう。


辺りが暗くなってきた頃。

戦闘の余韻が残る静かな路地。

シェルの全身は傷だらけで、立つことさえできない。


フローナは建物内部にいる。拘束されたまま、近くには爆弾が設置されている。


シェル「ぐっ・・・俺さえ動けりゃ・・・」

メリサ「せめて場所さえ的確に分かればいいんだけどね」


その時。


キリュウ「俺が行く」


少し離れた場所にいたはずのキリュウはいつのまにかすぐ近くに立っている。

シェルもメリサも思わず振り返る。


シェル「キリュウ?」

キリュウ「俺なら匂いで辿れる。シェル、まだ多少動けるか?」

シェル「え、あぁ・・・少しなら」


シェルは(キリュウ、やっぱりお前、フローナのこと・・・。)


キリュウ「俺がちびすけ見つけたら窓ガラスを割る。

それが合図だ。シェル、ちゃんと受け止めろよ。

あんたらはガラスの破片危ねぇから離れてろ」


レン「我々だけ安全な場所にいるなんてできませんよ!」

メリサ「そうだよ!僕らもなにか・・・」

 

キリュウ「いいからちびすけ助けたかったら言う通りにしろ!

俺らならともかく、普通の人間がガラスの破片全身に食らったら即死なんだよ」


シェル「キリュウ・・・分かった。フローナを頼む。

けど、お前も死ぬなよ」


キリュウ「ったく忙しい奴だな。分かった分かった。

俺もちびすけも、生きて戻る」


そう言うと、キリュウは地を蹴り、建物へと飛び込んでいった。


♦︎

シェルは息を整えながら仲間に指示を出す。


シェル「メリサとコキアは薬と治療の準備を。レンは飯の準備して待っててくれ」


メリサは言いたいことを飲み込み、ぎゅっと拳を握った。


メリサ「分かったよ」

レン「隊長・・・」

シェル「心配すんな。ガラスの破片くらいで死なねーから」


レン(それは通常の状態なら、でしょう・・・今のあなたは相当の深傷なんですよ)



♦︎

建物の奥。爆弾のタイマーが無情にもカウントを刻む。


2:54、2:53、2:52、2:51・・・。


フローナ「あーあ、まさかこんな最後になるなんてなぁ・・・皆んなは大丈夫かなぁ。)


爆発まで残り1分。


ダンッと勢いよく駆けてくる足音。


フローナ「えっ!?」


キリュウが飛び込み、刀でフローナの鎖を一瞬で断ち切る。


ガシャンッ!!!


フローナ「き、キリュウくん!?」


キリュウはそのまま刀を窓へ向けて投げ放ち、

フローナを抱き上げてガラスへと一直線に走る。



♦︎

外。


シェル「来た!!」

(絶対受け止める!!)


その覚悟だけで、ボロボロの体を無理やり起こす。


粉々に砕け散るガラス。

無数の破片がシェルの身体に降り注ぐ。


それでも、シェルは3階から落下してくる二人をしっかりと抱き止め、

勢いのまま後ろへ倒れ込んだ。


その直後、爆弾が爆発した。


ドオオォン!!!


すぐに仲間たちが駆け寄り、三人は医療室へ運ばれる。



♦︎

治療室。


フローナ「シェル!キリュウ君!」

キリュウ「俺より先にあいつを・・・」

レン「キリュウさん、あなたもですよ。」

 

まるで子どもを嗜めるかのようにレンが言う。

 

キリュウ「へいへい」


メリサ「二人同時に治療するよ。任せな」

フローナ「私も手伝います!」

レン「俺もやります」

コキア「僕も」

メリサ「ありがとう」


♦︎

治療後、フローナは眠る二人の隣で座り込み、ぽたぽたと涙を落とす。


フローナ「二人とも、私の為に・・・」


するとキリュウの瞼がゆっくり開いた。


キリュウ「ちびすけ、泣いてんのか?」


フローナ「!キリュウ君!」

キリュウ「あいつなら大丈夫だ。しぶといからな」


キリュウは隣で寝息を立てているシェルの方を一瞬見る。

 

フローナ「キリュウ君もだよ!」


ポロポロと涙が落ちる。


キリュウ「ちびすけ、俺の為に泣いてんのか?」

フローナ「当たり前じゃない!どうして私なんかの為にここまでするの?死んでたかもしれないのに・・・」


キリュウ「さぁな。体が勝手に動いてた」

フローナ「さぁなって・・・」


キリュウはそっと、フローナの頬を伝う涙を指先で拭った。


フローナ「!?///」

キリュウ「ちびすけに泣かれると困る」


いつになくキリュウが優しく微笑む。


フローナの胸がぎゅっと縮まる。


フローナ「キリュウく・・・」


・・・・・。


フローナが顔を真っ赤にして隣をちらりと見る。

すると、シェルは起きていた。

片腕で頭を支えながら横になってニヤついている。


シェル「あ、いいよ続けて」


キリュウ「てんめっ、起きたんなら言え!!」

シェル「いや〜、目覚ましたら二人がイチャつき始めてさ。

タイミング掴めなくって困っちゃうよねぇ。ははは」

キリュウ「イチャついてねぇ!!泣いてるから慰めてやってただけだ!」

 

シェル「へーふーん。あそう?」(にやにや)

キリュウ「てめっ・・・!」


フローナ「良かった二人とも生きてて!!」

キリュウ「つーか、泣きすぎだろ」

フローナ「だって、だってー!!」

キリュウ「ガキじゃあるまいし」


シェル「フローナは怪我大丈夫なのか?」

フローナ「二人が庇ってくれたから、かすり傷で済んだよ・・・ありがとう。本当にありがとう!」


キリュウ「おー」

シェル「気にすんな!」


医務室の扉の前で二人がため息を吐く。


レン「やれやれ、二人とも大丈夫そうですね」

メリサ「相変わらず凄い回復力だよねぇ」

 

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