番外編 キリュウが恋人②キリュウの好物
キリュウが時折、短い時間だが旅に加わるようになった。
一緒に食事をするようになったこともあり、
せっかくならとレンがキリュウのが好みを聞くことにした。
とある夕暮れ時のキャンピングカーでのお話だ。
薄いオレンジ色の光がキッチンを照らしている。
皆んなでキッチンに集まり、意見を聞く。
レン「キリュウさんは食べ物は何が好きなんですか?」
キリュウ「たこ焼きとお好み焼き」
ぽつりと落とすように、しかし迷いのない声。
その場の空気が一瞬止まる。
レン「へぇ、意外ですね」
キリュウ「ソースが好きなんだ。わりーかよ。」
レン「いいえ、悪くないです。分かりました。たこ焼き器がないので今日のところはお好み焼きにしましょう。」
キリュウ「わざわざわりーな」
レン「いえいえ」
フローナ「ソースが好きってキリュウ君可愛い」
キリュウ「可愛いって言うな」
フローナ「だってかわい・・・いはいいはい!」
キリュウは両方の頬を軽く引っ張った。
キリュウ「言うなっつーに」
フローナ「わはったからはなひて!」
♦︎
完成したお好み焼きがテーブルの上に到着。
キリュウは箸を手に取り、もぐもぐと食べ始めた。
いつもより早いところを見ると、よほど美味しいらしい。本当にお好み焼きが好きなのが伝わってくる。
レン「お味の方はどうですか?」
キリュウ「すげぇ美味い」
相変わらずキリュウの目は吊り上がっているが、明らかに漂う空気が明るい。
レン「それは良かったです」
フローナは顔を抑えながらキリュウの可愛さにプルプルと必死に耐えている。
メリサ「フローナちゃん・・・」
そんなフローナを見ていたメリサは少し呆れたように名前を呟いた。




