72話 テレーゼ覚醒
崖から落ちかけたキリュウの腕をシェルが掴んだ。
シェル「キリュウ!目覚ませキリュウ!くそ、だめだ、完全に気を失ってる・・・さすがの俺もこの体勢と片腕じゃ支え切れねぇ・・・」
手元から崖が崩れ、その衝撃で二人は崖へと放り出されてしまった。
シェル「わ!?やばっ・・・」
「ははは、これで奴らは死ん・・・なに!?」
フローナが走っていき、崖から飛んだ。
コキア「!」
メリサ「フローナちゃん!!」
レン「フローナさん!!」
「ふん、バカな女だ、仲間の後を追って自ら死にに行くとは」
シェル「ば、お前何やって・・・!?」
羽が舞い、フローナの体に羽が生える。
フローナがシェルの手を握った。
フローナ「もう大丈夫ですよ」
シェル「その声、テレーゼか?」
フローナがニコッと微笑む。
「ふん、これで奴らは崖の底だ」
レン「貴様・・・うっ・・・」
メリサ「レン君、傷大丈夫かい?」
レン「ええ、なんとか・・・」
コキアがレンとメリサを庇うように立った。
「ん?なんだ?この感覚は、何か来る・・・!?」
フローナは二人を地上まで引き上げると空中にふわりと浮いた。
シェル「はー、助かった・・・ありがとうフロ、じゃなかった、テレーゼ」
テレーゼがニコッと微笑む。
「くそっ、羽が生えたからなんだというんだ!!」
敵はフローナの中にテレーゼの魂があることを知らない。
術か何かによって羽が生えただけだと勘違いしている。
「はあっ!!」
敵が攻撃するがフローナの周りにはバリアが張られていてそれを全て跳ね返している。
「ば、バカな、俺の攻撃が・・・ぐあっ!!」
フローナが手をかざすと光を放ち、一瞬で敵は吹き飛んでいった。
シェル「っと!お疲れさん」
敵を倒すとテレーゼの魂が眠り、力尽きたフローナがシェルに寄り掛かる。
レン「眠ってしまいましたね」
メリサ「またテレーゼに助けられちゃったね」
シェル「ああ」
眠っているフローナと気絶しているキリュウを車まで運んだ後、互いに手分けして治療をし合った。
疲れがたまった4人は2人が眠っているベッド付近にそのまま倒れ込むように眠ってしまった。
こうして6人は同じ部屋で長い長いお昼寝をしたのだった。




