表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
72/98

65話 ケシアの毒


半妖が唯一苦手とする毒、"ケシア"。

その実を煙状にしたものは、人間には害がないが半妖には致命的だ。


今回の敵は人間の男。三人組みだった。

人間の中ではかなりの凄腕の部類だ。

どういうルートかケシアの実を手に入れ、半妖に対抗すべく力を得たらしい。


しゅううっという音と共に煙が辺り一面に充満していく。



レン「煙!?」

メリサ「隊長にそんなもの効くわけないじゃないか」


シェル「・・・!?ぐっ・・・なんだこれ・・・ただの煙じゃねーな、ケシアか?」


シェルは目眩に襲われ、咄嗟に袖で口元を覆った。

 


レン「隊長!?どうしたんです!?」


敵A「そう、この煙は人間が半妖に唯一対抗できるケシアの実を焚いたもの。

普通の人間には何ともないが、半妖には効くらしいぞ。長く吸えばお陀仏だとよ」


敵B「ははは、情けねぇツラだなぁ」


敵C「全くだ」


シェル「ケシアか、こいつはやべぇ・・・」


足が崩れ、その場に膝を付く。


 

フローナ「シェル!」

レン「フローナさん、隊長を煙が届かない場所へ!」

フローナ「はい!」


 


♦︎数分後。


街中まで来た二人。


シェル「はー・・・フローナ悪いな」

フローナ「ううん、それよりホントに大丈夫?」

シェル「あぁ、だいぶ楽になったよ、すぐ離れたおかげで毒が回りきらずに済んだ」


フローナ「レンさん達、大丈夫かな・・・」

シェル「あいつらだけじゃヤバいかもな。結構強かったし。

俺も戻りたいが・・・まず煙対策が必要だな。

あれさえ何とかなれば・・・」




♦︎機転


フローナ「ん?」


ふと街の方をフローナが見ると、市場の露店でガスマスクが売られている。

その瞬間、フローナの目が一気にキラキラと輝いた。


シェル「どした?」

フローナ「いいこと思いついた!」





敵A「半妖に不利なこの場所に、奴が助けに来るはずがない」

敵B「違いねぇ」

敵C「俺だったら来ねぇなぁ」


レン「隊長は戻ってきますよ。絶対にね。策を練ってでも」


三人は身を寄せ合い、シェルが戻るまで必死に持ち堪える。


 


そして・・・。


シェル「おめーら、待たせたな」


レン「たいちょ・・・!?」

メリサ「え、なんだいそのガスマスクは!?」


敵A「ちっ・・・姑息なまねを」


シェル「シュゴーッ・・・毒撒いてる奴に言われたくねーな」



その後、ガスマスクで完全防御したシェルは圧倒的勝利を収めた。



♦︎戦いの後


シェル「シュゴー・・・」


メリサ「ぶはっ!!」

フローナ「あははっ・・・!」


メリサとフローナは腹を抱えて大笑い中だ。


レンは顔を逸らして、

レン「ククッ・・・」

と、笑いながらメガネをくいっと上げる。


シェル「助けに来たのになぜ笑う・・・シュゴー・・・」

メリサ「いや、その“シュゴー”がツボでさ」

フローナ「わ、私も・・・ふふっ・・・」


コキア「壺?」

(ツボの意味が分からず首を傾げる)


 


シェル「君のアイデアでしょうよ」

フローナ「ごめんごめん、でも似合いすぎて!」


シェル「シュゴー・・・」

メリサ「ぶはっ!もう、勘弁しとくれよ隊長!!」

フローナ「もうだめ・・・お腹痛い・・・!」

レン「ククッ・・・」


シェル「君たちねぇ・・・」


メリサ「まぁとにかくさ!早いとこ煙が届かないところまで移動しようよ」

シェル「だな! ・・・このガスマスク、持って帰るか」

レン「何気にあなたにとって最強アイテムですしね」

シェル「ああ」

 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ