51話 前世はきっと
昼下がり。
旅の合間の、ちょっとした作業時間。
キャンピングカーの横に、木箱や道具が並べられていた。
どうやら簡単な整備と片付けをするらしい。
シェル「よーし、やるか!!」
レン「では、役割分担しましょう」
そんな中、メリサがふとキリュウの方を見て、にやりと笑った。
メリサ「いいじゃん、キリュウ君にもやらせれば」
キリュウ「はー?何で俺がそんな七面倒くさい事しなきゃならんのだ」
シェル「なー、頼むよキリュウ。俺お前がいないと困るよ」
ぺしょっとした眉毛と尖った耳。
一瞬の沈黙。
そして、ため息ひとつ。
キリュウ「・・・で、何すんの」
メリサ「何だいあれ」
レン「キリュウさんって隊長には従順なんですねぇ」
メリサ「ほんとだよ、さっきまで嫌がってたのに。」
フローナ「キリュウ君ってシェルがお願いしたら何でもやってくれそう」
レン「確かに・・・」
キリュウ「おい、聞こえてんぞ」
そんなキリュウを無視して会話は広げられる。
フローナは少し考えるように顎に指を当て、ぽつりと言った。
フローナ「ふふん、前世はきっと主人と犬だね」
メリサ「それ、どっちが主人でどっちが犬だい?」
メリサ&フローナ&レン&コキア「・・・」(想像)
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堂々と腕を組んで立っている主人シェル。
その横で、誇らしげに胸を張る犬キリュウ。
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凛と立っている主人キリュウ。
その後ろで、構ってくれるのを待って尻尾をぶんぶん振る犬シェル。
♦︎
メリサ&フローナ&レン&コキア
「・・・」
数秒の沈黙。
メリサ「ぶはっ!!」
フローナ「どっちでも違和感ない!!」
メリサ「ほんとほんと笑」
キリュウ(あいつら・・・好き勝手言いやがって・・・)




