42話 皆んなでスケート
冬の澄んだ空気がキラリと光るスケートリンク。
仲間たちの笑い声と氷を滑る音が混じり合い、楽しげな時間が流れていた。
シェル「うわ!!」
盛大に転び、尻もちをつくシェル。
氷に響く鈍い音に、周囲の仲間が「おぉ・・・」とざわつく。
キリュウ「何やってんだ、へったくそだな」
シェル「いたた・・・てか、何でキリュウはそんなに上手く滑れるんだ? 相変わらず器用だよなお前は」
キリュウ「ん」
ぶっきらぼうながら、キリュウはすっと手を差し出す。
シェル「!さんきゅ」
手を掴むと、キリュウはそのまま引き上げるようにシェルを立たせてやった。
キリュウ「いいか、ここをこうやってみ」
シェル「お、おう」
少し距離を詰めて、キリュウは手取り足取りシェルに姿勢を教える。
メリサ「へー、キリュウ君って意外と面倒見いいんだね」
レン「意外ですね」
フローナ「ふふ」
キリュウ「そ、力そんな入れなくていいから・・・ほら、できたろ?
お前元々運動神経いいんだから、慣れりゃすぐできるんだよ」
シェル「ほんとだ! キリュウ! 見て見て! できた!」
キリュウ「・・・ま、俺の教え方が上手いおかげだな」
シェル「うん、キリュウのおかげだよ! ありがとな!!」
(めちゃくちゃ嬉しそうな顔)
キリュウ「っ・・・そ、そうか。それは良かったな」
キリュウは照れ隠しのように視線をそらしつつも、口元がわずかに緩む。
フローナ「キリュウ君って何気にシェルのこと大好きですよね」
(ヒソヒソ)
メリサ「ね」
(ヒソヒソ)
キリュウ「聞こえてんぞ」
フローナ・メリサ「!!」
レン(※黙ってるがめちゃくちゃ笑ってる)
シェルはそんなやり取りに気づかず、嬉しそうに氷の上を滑っていた。




