41話 属性診断?
森の奥深く。
霧が薄く立ち込める山肌に、ぽっかりと口を開けた洞窟があった。
ここで属性を調べられるらしい。
メリサ「ここが属性を映す洞窟だよ。
ここに入ると、本当の属性が分かるらしい」
レン「街の人たちが言っていたのはここだったんですね。」
メリサ「この洞窟にいる間だけは属性に沿った魔法が使えるみたいだね。」
シェル「なんか俺、めっちゃワクワクしてきた!!」
フローナ「私も私もー!!」
そう言って、シェルたちは洞窟へ足を踏み入れた。
♦︎シェル
洞窟の中央に立つと、足元に淡い光の魔法陣が浮かび上がる。
次の瞬間、
ごうっと強風が巻き起こり、シェルの身体が宙に持ち上げられた。
地面に風の文字が浮かび上がっている。
メリサ「隊長は風だね」
シェル「おー!俺は風か!宙に浮けるの便利だな!」
ふわりふわりと風を使って宙に浮くと
満足そうに着地する。
♦︎メリサ
次に進み出たメリサの足元から、静かに水が湧き出した。
水は円を描くように流れ、やがて透き通った水柱へと変わる。
地面に水の文字が浮かび上がっている。
レン「メリサさんは水のようですね」
メリサ「へぇ〜!僕は水かい。いいかもね!」
♦︎コキア
コキアが中央に足を踏み入れた瞬間、魔法陣が現れ、灯りが一斉に消えた。
地面にには闇と
闇が広がり、コキアの影だけが濃く浮かび上がる。
闇の中で、蛍のような光が舞う。
地面に闇の文字が浮かび上がっている。
ぼや〜んとした暗闇の中でコキアがぼそりと呟く。
コキア「僕は闇ですか」
メリサ「コキア君が闇っていうのなんか分かる気がする」
フローナ「闇だね」
レン「闇ですね」
シェル「つか、それ以外ないだろ」
レンが同意するようにクイッと人差し指でメガネを上げた。
コキア「そうですか?」
♦︎レン
レンが中央に行くと、
一瞬、炎が爆発するように洞窟内を照らした。
だがそれは攻撃するような荒々しい炎ではなく、静かな炎だ。
地面に炎の文字が浮かび上がっている。
レン「俺は炎ですか」
シェル「レンは氷かと思った」
レン「どうしてです?」
シェル「だって、レンちゃんいっつも冷たいからさ」
レン「ちゃん付けは辞めて下さい、ちゃん付けは」
シェル「怒っちゃいやん」
♦︎キリュウ
最後に、キリュウの番が来た。
キリュウが中央に足を踏み出した瞬間、
洞窟の空気が一変した。
雷鳴のような轟音。
光が走り、地面に闇の文字が浮かび上がっている。
メリサ「キリュウ君は雷かい、意外だね。炎かと思ってたよ。」
キリュウ「何でそう思うんだ?」
メリサ「だってキリュウ君、髪赤いから」
キリュウ「そんだけの理由かよ・・・」
キリュウが呆れた表情を浮かべる。
♦︎フローナ
フローナが中央に立つと、
床一面に、ぱきぱきと霜が広がった。
空気が一気に冷え、白い息が浮かぶ。
フローナの足元に、静かに雪の結晶が舞い落ちる。
地面に雪の文字が浮かび上がっている。
レン「フローナさんは雪ですね」
フローナ「わぁ!私は雪かぁ!なんか雪女みたい!
私、雪女になってみたかったんだよね!」
シェル「良かったな!フローナ!」
フローナ「うん!」
二人は何故か喜び合っている。
キリュウ「何故、今の発言に対して誰も何もツッコまないんだ・・・。」
メリサ「キリュウ君もすぐに慣れるさね」
キリュウは今だにキャッキャしている二人を見た。
キリュウ「慣れた時が怖いな」




