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26話 暑さに弱い隊長


じりじりと太陽が照りつける夏日。

大きな木の下にシェルがぐでぇ〜っと倒れ込んでいた。


シェル「・・・ムリ・・・もう動けねぇ・・・」


フローナ「意外。シェルって暑さに弱いんだ・・・

私も夏苦手だけど、私以上だね」


メリサ「フローナちゃんも相当弱い方だけど、隊長は桁外れだよねぇ」

レン「いつも夏本番はこんな感じです」


レンはしゃがみ込み、ペチペチとシェルの頬を軽く叩いた。


レン「隊長、そろそろ起きて下さい」

シェル「やだーーー」


フローナ「シェルは人一倍体温高いし可哀想・・・

レンさん、こういう場合いつもどうしてるんですか?」


レン「川か海にぶん投げますね」


フローナ「え?」



♦︎川に到着。


なんとか三人は近くの川までシェルを引っ張りながらたどり着いた。

100kgもある体を運ぶのは至難の業だった。

 

そして、レン・コキア・メリサの三人がかりでぐったりしているシェルを持ち上げ・・・。


ザッパァァン!!!


シェルが川へ投げ込まれた。


数秒後。


シェル「おっしゃ水〜〜!!生き返ったぁぁ!!」


フローナ「すごい・・・ほんとに元気になった・・・」


シェル「お前らも来いよーー!!」


レン(キランと眼鏡が光る)


気づけばレンはもう水着に着替えていた。

そして、隊長めがけて助走をつけ・・・。


ダダダダッ!!バッシャーーン!!!


シェル「!?おいっ!!」


レンの豪快ダイブの水しぶきがシェルに直撃する。


シェル「やりやがったなレン!!」


そのまま二人はじゃれ合い、水を掛け合い笑い転げる。


フローナ「レンさんって・・・意外と子どもっぽいとこあるんだなぁ。ふふ」

メリサ「フローナちゃんも入るのかい?」

フローナ「はい!気持ちよさそうなので!」


メリサ「じゃあ僕はコキア君とここで見てるよ」

フローナ「はーい!」


♦︎

しばらく遊び、川辺に戻ろうとした瞬間。


フローナ「わぁっ!!」


フローナの足が滑った。


シェル「!!危ねぇ!!!」


間一髪、フローナはシェルの胸へダイブ。

そのままがっしり受け止められる。


シェル「っ・・・」


フローナ「ごめん、ありがと!」


フローナはそのまま何も気にせず、すったかたーとキャンピングカーへと走っていく。

シェルがその背中を静かに見送る。


シェル(呆然)「・・・」


レンが隣でため息をつく。


レン「フローナさん、ケロッとしてましたね」

シェル「あいつは、自分に魅力がないと思ってるとこが一番の欠点なんだよ」


レンは黙ったまま、ぽんっとシェルの肩に手を置いた。

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