虫の音の祟り
祖母の死を機に、真央の耳に夏の虫の音へと紛れた不気味な囁きが忍び込む。「返して」「償え」と迫る声は、かつて村人が竹林に生き埋めにした女と子供の怨霊だった。真央の祖母は実の姉を犠牲に生き延び、その罪を鎮め続けていたが力尽き、今度は真央が選ばれた。逃げ惑う中、友人怜司が支えようとするも、真央は祟りを鎮めるため竹林に呑まれてしまう。夏の終わり、虫の音に紛れて響くのは、哀しく切ない真央の声。聞いた者はもう二度と恐怖から逃れられない――。
虫の音の祟り
2025/08/28 00:01
(改)