第4話:色褪せた涙の跡
第4話:色褪せた涙の跡
放課後の校庭は、喧騒が急速に消え去り、がらんとした反響と夕陽に長く伸びる影だけが残されていた。未子はいつものように、教室を最後に出る生徒の一人だった。彼女は思考を整理する時間が必要であり、人混みを避ける必要もあった。彼女は古い鞄を背負い、静かな廊下を、軽い足取りで一人歩いた。
運動場へと続く小道を通るとき、彼女は無意識に足を緩めた。
昨日、まさにここで、彼女は佐藤由美を見たのだ。普段は内気で物静かなその少女が、茂みの影にうずくまり、肩を震わせ、抑えた嗚咽が途切れ途切れに聞こえてきた。
未子はその時、遠くから見ているだけで、近づかなかった。彼女は由美の泣き腫らした目、固く握りしめられた拳、そして足元に投げ捨てられ、くしゃくしゃになった答案用紙の角――そこには、目に痛い赤い点数がぼんやりと見えた――を見た。
その光景は、本当の悲しみと挫折感を伴い、未子の脳裏に鮮明に焼き付いていた。これは、今日の授業で由美が「昨日は楽しかった」と言ったときの、あの少し当惑しながらも懸命に合わせようとする表情とは、強烈で、不快な対照をなしていた。
未子は、昨日由美がうずくまっていた場所の近くまで歩いた。夕陽の金色の光が木の葉の隙間から差し込み、地面に踊るような光の斑点を作っていた。茂みは微風にそっと揺れ、まるで何もなかったかのようだった。彼女は身をかがめ、地面を注意深く見渡した。砂利、落ち葉、いくつかの小石……すべてが正常に見えた。
しかし、立ち上がろうとしたその時、微かな反射光が彼女の注意を引いた。数枚の落ち葉の下、茂みの根元の湿った土の縁に、何かが埋まっているようだった。彼女は慎重に落ち葉をかき分けた。
それは、とても小さな、透明なプラスチックのビーズだった。女の子の髪飾りから落ちたようなものに見えた。
未子は、昨日由美が走り去るとき、彼女の髪を結んでいたゴム紐が緩んでいたように見えたこと、そしてその上にいくつかこのような小ビーズが通してあったことを思い出した。彼女はうつむいて走っていたから、ここで一つ落としたのかもしれない。
この小さな、湿った土の中に置き去りにされたビーズは、無言の証拠品のように、冷たく未子に思い出させた。昨日の泣いていた由美は、本当に存在したのだ。その悲しい涙は、かつてこの土の上に滴り落ちたのだ。
「昨日は楽しかった……」
由美の今日の言葉がまた耳元で響き、誘導されたかのような軽やかさを帯びていた。未子は、その微かに冷たいプラスチックのビーズを握りしめ、心に言いようのない寒気と困惑が湧き上がってきた。
なぜ?なぜたった一日で、あの本当の悲しみが消しゴムで消されたかのようになってしまったのだろう?紙偶先生の「昨日も、きっと楽しい一日だったのでしょうね」という暗示が、それほど強力だったのだろうか?人の記憶を歪めるほどに?それとも……彼女には理解できない何かの力が働いているのだろうか?
彼女は、紙偶先生が自分の絵を「スキャン」したときの、あの瞬時に消えた、気のせいかもしれない青い光を思い出した。その判で押したような、テンプレート印刷のような称賛を思い出した。その永遠に変わらない微笑みを、すべての真実の上に覆い被された、完璧な仮面を思い出した。
この「永遠に微笑み、決して責めない」先生、彼が作り上げた「楽しい」だけが存在する世界に、不穏な亀裂が現れ始めていた。その亀裂から透けて見えるのは、本当の感情が覆い隠され、さらには消し去られようとしている冷たい気配だった。
未子はその小さなビーズを手のひらに固く握りしめた。プラスチックの硬い縁が肌に食い込んだ。彼女は立ち上がり、最後にその茂みを見つめた。夕陽が彼女の影を長く引き伸ばし、がらんとした運動場に、ひときわ孤独に見えた。
彼女は背を向け、黙って校門へ向かって歩き出した。手のひらのビーズは冷たい種のように、より深く、より具体的な疑念を植え付けた。彼女は知る必要があった。昨日の由美の涙は、一体どこへ行ってしまったのか?「昨日は楽しかった」と言った由美は、本当の由美なのだろうか?
そして彼女が家に帰り、真実を記録した自分のスケッチブックを開いたとき、さらに微細で、しかし彼女をさらにぞっとさせる発見が、静かに彼女を待っていた。
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