表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
この町のネコ、やっぱりおかしい  作者: 大西さん
失われた投稿たち
11/41

【YouTube】オカルト検証チャンネル

2024年3月23日 18:00公開 視聴回数:128,439回


【衝撃】祢古町の写真を画像解析したら恐ろしいことが判明【AI解析】


[サムネイル:赤い文字で「見るな危険」]


どうも、オカルト検証チャンネルです。


今回は、ネットで集めた祢古町関連の写真を最新のAI技術で解析しました。


その結果...マジでヤバいことがわかりました。


3:24 これが@ruins_seekerの最後の投稿写真です。一見、普通の猫の集団に見えますが...


3:45 画像を高解像度化して、明度を調整すると...見えますか?猫たちの影が、全部同じ方向を向いてない。光源の位置と合わない。


4:12 さらに、猫たちの瞳孔をAIで分析。通常、猫の瞳孔は光量によって変化しますが、この写真の猫たちは全員、瞳孔の開き方が異なる。まるで、別々の時間、別々の場所から「集められた」ような...


5:33 決定的なのがこれ。写真の撮影情報から位置を特定して、現在のGoogle Earthと比較しました。


この場所、存在しません。


いや、正確には「穴」があります。直径約200メートルの、真っ黒な穴が。


6:45 でも一番怖いのは...この写真、見るたびに猫の配置が微妙に変わるんです。


最初は気のせいかと思った。でも、1時間ごとにスクショを撮って比較したら...


7:20 [スクショの比較画像]


ほら、この猫、最初は左端にいたのに、今は中央寄り。 この猫は最初は座ってたのに、今は立ってる。


そして...気づきました? 猫たちが作る形が、少しずつ「文字」に見えてきてる。


8:00 [画面が突然真っ暗に]


え?なんだこれ...カメラ止まった?


8:15 [ノイズと共に画面復活]


すみません、機材トラブルで...


あの、今確認したら、さっきまで表示してた写真、全部消えてます。 HDDから、クラウドから、全部。


でも、一つだけ残ってました。


8:45 [新しい写真を表示]


これ、いつ保存したんだろう...


写ってるのは、同じ場所。でも猫がいない。 代わりに...人が立ってる。


顔は見えない。でも、その人たちの立ち位置が、さっきの猫たちと全く同じ...


9:12 待って、この写真のメタデータ...


撮影日:昭和32年4月11日 撮影者:篠田栄子


は?これ、デジタル写真なのに?


9:34 [画面にエラーメッセージ] このファイルは破損しています


あ、消えた...


9:45 えっと、今日の検証はここまでにします。


正直、もうこれ以上は...


あ、そうだ。最後に一つ。


この動画のコメント欄、なぜか全部「にゃ」になってるんですけど、皆さんのところではどう見えてますか?


10:00 [配信終了]


急上昇コメント:


「7:35で画面に顔が映ってる」


「音声を逆再生すると『帰りたい』って聞こえる」


「この動画見てから猫が家の周りに集まってくる」


「にゃにゃにゃにゃにゃにゃにゃにゃ」


【匿名掲示板】地域の恐い話まとめ


2024年3月23日 21:30


582:名無しさん うちの曾祖母が音無神社の近くに住んでた 子供の頃に聞いた話投下する


神社の地下には「猫塚」があったらしい でもそれ、猫を埋めた塚じゃない 猫の姿をした「何か」を封じるための塚


曾祖母いわく 「あれは猫じゃない。猫の皮を被った餓鬼だ」 「人の名前を覚えて、その人になりすます」 「だから昔は、本名を隠して生きていた」


583:名無しさん


582 餓鬼って仏教の?


584:名無しさん


583 違う。もっと古い何か 曾祖母は「千年前から居る」って


封印が解けたのは一度じゃないらしい 平安時代、江戸時代、そして昭和 その度に村一つ分の人間が消えた


でも今回は違う 「餓鬼が学習した」って 猫の姿で全国に散らばった


585:名無しさん


584 おいおい、じゃあ今の野良猫は...


586:名無しさん


585 だから野良猫が消えてるんだろ もう猫の姿は必要ないんだよ 次の段階に進んでる




【研究ノート】デジタルアーカイブより


所有者:佐藤誠(民俗学研究者) 最終更新:2024年3月23日


祢古町について調べれば調べるほど、おかしな点が出てくる。


「実験施設」の建設記録が存在しない


研究者の経歴が全員、昭和32年以前は空白


「Project Mind Bridge」の予算計上記録なし


使用されたとされる機材の製造元が不明


そして決定的なのは、地質調査の記録だ。


祢古町の地下構造は異常だ。自然にできたとは思えない空洞が蜂の巣状に広がっている。深さは少なくとも200メートル以上。炭素年代測定では、約1000年前から存在している。


つまり、政府が「実験」を始める遥か前から、あの場所には「何か」があった。


さらに興味深いのは、似たような地下構造が全国に点在していることだ。


北海道:廃坑になった炭鉱の最深部


東北:ある湖の湖底


関東:某有名神社の地下


関西:古墳群の中心部


九州:火山の麓


すべて「猫」にまつわる伝承がある場所だ。


まるで、ネットワークのように...


[ここでノートは途切れている。最後のページに震えた文字で]


写真を現像したら、写ってた。 俺の後ろに、ずっと。 振り返れない。 振り返ったら、終わる。


でも、もう手遅れかも。 だって、影が4本あるんだ。


【LINE】グループ:祢古町調査隊


2024年3月24日 00:15


田中: おい、佐藤さんと連絡取れる奴いる?


山田: 3日前から既読つかない


鈴木: 研究室に行ってみたけど、鍵かかってた でも中から物音がしてた


田中: どんな音?


鈴木: カリカリって引っ掻くような音 あと...鳴き声


山田: まさか


鈴木: でも変なんだ 鳴き声が「たすけて」って聞こえた


田中: それ、佐藤さんの声じゃ...


鈴木: だから怖いんだよ 猫の鳴き声で「たすけて」って


山田: もうこのグループも解散した方がいい 調べた奴から消えてく


田中: 待て、今佐藤さんからLINE来た


佐藤: みんな、元気? ごめん、ちょっと体調崩してた もう大丈夫 今度みんなで会おう 場所は知ってるよね あの町で待ってる


山田: これ、佐藤さんか?


田中: 文体が違う 句読点の使い方も


鈴木: つーか「あの町」って


佐藤: にゃあ♪ 間違えちゃった でも、もうバレてもいいよね だって、もうすぐみんな仲間だもん


佐藤が退出しました


山田: ブロックした お前らもしろ


田中: もう遅い さっきから外で


田中が退出しました


鈴木: 山田?


山田: にゃ


このグループは削除されました


【Twitter/X】緊急拡散


@emergency_info_jp 2024年3月24日 01:00


【注意喚起】 祢古町関連の画像・動画を保存している方へ


直ちに削除してください。


複数の専門家による検証の結果、これらのファイルには「視覚的トリガー」が仕込まれている可能性があります。


長時間見続けると:


猫の鳴き声が聞こえる


影が増える


名前を呼ばれる感覚


「帰りたい」という衝動


これは集団ヒステリーではありません。 現実の脅威です。


既に上記の症状がある方は、すぐに医療機関を...


[このアカウントは存在しません]


【最後の記録】


発信者不明 2024年3月24日 03:33


見つけてしまった。


祢古町は、餌場だ。


千年前から、定期的に人間を喰らう何かの。


政府は知っていた。だから実験の失敗として偽装した。 パニックを防ぐために。


でも、もう手遅れだ。


「それ」は進化した。 もう、特定の場所に縛られない。 ネットを通じて、データを通じて、記憶を通じて拡散する。


見た者、知った者、調べた者。 全員が餌になる。


そして気づいた。 この文章を書いている俺も、もう...


窓の外を見るな。 影を数えるな。 名前を呼ばれても答えるな。


でも、もう遅い。


だって、これを読んでいるあなたも、もう...


見られている。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ