表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ガロワのソラの下で  作者: 友枝 哲
61/66

∫ 9-2.ヤシマ作戦!?二子山変電所へ dt

まえがきは割愛させていただきます。

毎日0~1時の間に次話投稿いたします。


 

 低空飛行のドローン隊が大学の正門を通過した。


 生徒たちは先ほど突然発生した異変から、もしかすると襲われるかもしれない恐怖に怯え、逃げ出すものもいれば、へたり込むものもいた。


 だが、ドローン隊は、生徒たちを気にすることなく、編隊を組んだまま、裏手にある駐車場に向かって飛んでいった。


 しばらく後、それを追うようにして警察犬ロボット隊、その次にアンドロイド隊も走っていく。


 人が走る速度よりもはるかに速い速度で走っていった。





 ミライはアクセルベタ踏み全速力で目標に向けて走っていた。


 モーターがいつも以上の高周波音を出していた。


「こんな音聞いたことがないよ。」


 小林が心配した。


 ミライは運転しながら、祈るように言った。


「お願い。山までもって。頑張って。」


 片側二車線の道路には、ちらほら他に往来する車があったが、なぜか路肩に止められていた。


 その車の表示には緊急車両通過中の文字が浮かんでいた。


 だが、通るのはミライの運転する車一台であった。


 ミライは街を通る道路を避けていた。センサなどで詳細の位置がばれてしまわないようにしていたのだ。


 街を通っていないとは言え、それでもいくつか信号があった。


 だが、その信号は全て青信号だった。


 浜辺は以前実施したアクセス方法によって、再度国土交通省の交通システムをハッキングし、緊急車両通過モードに変え、車両の路肩停車、信号操作を行っていた。


 ミライは、発進してからレイだけでなく、浜辺も何かやっていることに気がついていた。横に座る浜辺に言った。


「浜辺さん、ありがと。助かるわ。事故起こしたらどうしようってちょっと心配してた。」


「お安いご用です。柊先生とのドライブの時も言ってください。信号、変えて差し上げますよ。」


 二人して笑っていた。


 車は小さいながらも力強い加速を見せていた。


 ミライが少し暴れる挙動をうまく抑え込んでいた。


「ホント良い子ね。」


 レイは後ろの席でまだカタカタとBCDで何かをしていた。





 金形は再度毛利に通話を入れていた。


「おう、おれだ。お前。。分かっているのか?何をしているのか。


 意図的にあいつらを。。。」


「ええ、分かっていますよ。ですがね。毛利さん。彼らは冤罪ですよ。


 今、プログラム送ったでしょ?


 見てください。あのプログラムに書いているgfrはグレイのイニシャルです。


 グレイ・フィッツジェネラル・ロズウェル。


 ね?彼らがこのプログラムを捕まえてくれたんですよ。


 そして、彼らはこのプログラムから世界を救ったんです。


 彼らは我々の、二課の味方ですよ。」


「それならあいつらを捕まえて、そう証言させればいいだろう!」


「何言ってんですか?この手の事件で捕まったら、ガチガチに拘束されて無罪証明することなんかできないのなんか知ってるでしょ?


 だから、私がファイル送ったんですよ!彼らの無罪を証明するために。


 それに第一容疑者の浜辺はこの前のアンドロイド強盗でも。。。」


 そのやり取りをしている間にとうとう駐車場のところまでドローン隊が飛んできた。


 その様子を見て、金形が驚いた。


「ちょっ、毛利さん!そりゃないでしょ!?


 ありゃS-1装備じゃないですか!このドローン隊。


 彼ら、殺す気ですか!?」


「は?何を言ってる。いつものC装備のはずだ。」


「いや。あれは電磁ネットじゃないですぜ。対テロリスト用だ。やばいでしょ!」


 そういうと、金形は車でドローン隊の後を追い始めた。


「毛利さん。ちゃんと調べてください。あのプログラム。たのんますよ。」





 局長がどこかに電話をしている。


 在日米軍のドローンやアンドロイドを出撃させるように手筈を整えていた。


 そんな中、グレイは静止衛星の映像を見ていた。


 映像の中で、小さい車が道路を爆走していた。


「おれから逃げられるわけがないだろ!


 あともう少しでチェックメイトだ。


 お前の最期を見届けてやるよ。」


 グレイがニンマリと笑った。





 ミライが運転する車が、二子山に向かう一号線の山道に差し掛かったところで、ドローンがバックミラーに見えた。


「やばい。追い付かれてる。後ろからドローンが来てる。」


 小林が後ろの窓からドローンを見ていた。


「え?嘘だろ!?やばい、やばい、やばい、ミサイルくるぅーーーーーー!!」


 ミライがその声でちらっとバックミラーを見た。


 キラッと光るものが見えた。


 ミライは咄嗟にハンドルを切り、思いっきり蛇行した。


 ドローンから発射されたのは紛れもなく小型ミサイルだった。


 ミサイルを発射したドローンたちは反動で姿勢を崩したが、ミサイル第一波はドローン二十数機分続けざまに放たれた。


 二十数発のミサイルが煙を吐きながら、車めがけ目にも止まらぬ速さで飛んできた。


 そして、ミサイルが次々と着弾の爆発音を鳴り響かせた。


 だが、ミライが予期して車を蛇行させたおかげで、車のテールが過ぎた位置に次々と着弾し、間一髪、車への被弾は免れていた。


 路肩に止められた車から人々はBCDを通して撮影していた。


 それらは即座に全世界に配信された。


 助手席から後ろを見た浜辺が叫ぶ。


「まさかミサイル撃ってくるとか、私たち、殺す気ですか?」


「そうみたいね。」


「また来ます!」


 ミライはバックミラーを睨んだ。


 ミラーに映るドローンから第二波のミサイルが放たれた。


 無数のミサイルが再び車を襲う。


 風を切る音と爆発音が連続して鳴り響いた。


 だが、ミライは間一髪の急ハンドルで回避していた。


 浜辺はミライのドライブテクニックに惚れ惚れした。


「すごい!ミライさん。藤原さんの豆腐屋みたい!すごすぎるぅぅ〜〜!!」


 浜辺はベルトをしたまま座席に対して後ろ向きに膝で立ち、助手席のヘッドクッションに掴まりつつ、運転するミライを見て感動していた。


 その間もレイは激しく揺れる車の中で、何かひたすらコーディングをしていた。


 ミライは普通では考えられない運転テクニックでギリギリで躱していたが、それでも徐々に動きを学習され、着弾が近づいてきていた。


 ミライの運転する車が二子山ふもとにある曽我兄弟の墓を越え、国道一号線から山の細い登り道に入るため、急旋回した。


 ドローンは空中を飛んでいるため、慣性で曲がり切れず流れていく。


 四人が乗る車が片側二車線の道路から片側一車線のうねうねとした登り道に入った。


 急な曲がり角で一時的に車とドローンとの距離が離れたが、すぐにドローンが旋回して、再び距離を詰めてきた。


 そして、再びドローンのミサイル射程に入った。


「五時の方向、また来ます!」


 小林が言うや否や、次はレイが叫ぶ。


「あともうちょっと!もうちょっと待って!!」


 レイが叫んだのとほぼ同時に、ドローンは躊躇なく、再び小型ミサイルを撃ってきた。


 打ち上げ花火が飛び出す時のようなミサイル発射音が何発も何発も鳴り響いた。


 じっと見ていた小林が反応する。


「キターーー!」


 ミライは突然急ハンドルを切り、アクセルを踏む。


 直線が終わり、ヘアピンカーブに差し掛かり、そのカーブをドリフトで走行した。


 ミサイルが次々と着弾し、けたたましい爆発音と炎を巻き上げた。


 しかし、ミライのドリフトによる高速走行はAIの予測を遥かに上回る速度であった。


 第三波のミサイルも車が通り過ぎた直後のアスファルトに着弾し、爆発したが、ギリギリのところで被弾は避けられた。


 ただ、ミサイルの破片がバンパーに当たり、また徐々に着弾位置と車の位置が近づいてきていたため、爆風の影響もあり、後部バンパーが外れた。


 ミライはドリフト走行中、車の後部を不規則に揺らしていた。


 それはドローンに次の目標座標を絞らせないため、ミライがわざとやっていたものだった。


 ヘアピンカーブの次は再び直線に入った。


 ミライはカーブの時にも増して、不規則に蛇行しながら片側一車線の全幅を使い加速走行した。


 他のドローンからも連続して小型ミサイルが発射されたが、ドローン特有の高速飛行時の不安定さ、ミサイル発射の反動、そしてミライの素晴らしいドライブテクニックで照準を定めさせなかったこともあり、車にスレスレで当たらなかった。


 否、ミライがギリギリのところで当てさせなかった。


 ただし、着実にミサイルの着弾は車に近づいてきていた。


 直線の間、小林は焦りまくっていた。


「やばい!やばい!やばい!やばいですよ!これ。。。」


「あいつら、本気ね。これ、次ヤバイかも。みんなちゃんとつかまって!」


 ミライは最速で次のヘアピンカーブをドリフトで曲がり始めた。


 だが、さっきのヘアピンで挙動が読まれたのか、ドローンは予測座標を作り、そこめがけて撃とうとしていた。


 それを感じ取っていたミライは車をスライドさせながら、わざとヘアピン中央のガードレールと車の鼻をコツンと当てた。


 車の軌道が外に膨らんだ。


 後ろのタイヤが滑るのをミライは何とか制御していた。


「にゃろーーーー!!!」


 ミライが叫んだ。車は綺麗なアウトインアウト軌道からかなり外に膨れながら、走行した。


 ドローンは予測していたインアウトの軌道にミサイルを打ち込んでいたため、またも車に当たることなく、次は車の前方に着弾した。


 そして、前のバンパーが弾けとんだ。


 弾けとんだバンパーは飛んでいるドローンに当たり、ドローンが一機姿勢を崩し、墜落した。


 その一機が放ったミサイルが別のドローンに当たり、そのドローンは空中で爆発した。


「すごい!すごい!ミライさん。2機撃破ーー!!」


 ミライは、車の角度をうまく制御しながら滑って何とかスリップをせずに保っていた。


 そして、大外のガードレールに軽く車体を擦りながら加速した。


 加速中の車にもミサイルが打ち込まれる。


 が、ドローンたちの想定以上に加速しており、車が行き過ぎた後のガードレールに着弾し、ガードレールを粉砕していった。


 車体を右側に寄せ、次のヘアピンのアウトインアウトに姿勢を持っていった。


 だが、数台のドローンは先回りをし、後ろからのドローンと挟み撃ちをしようと待ち構えていた。


 ミライは今回ばかりはと思い、叫ぶ。


「これはやばいかも。みんな伏せて!」


 小林は頭を抱えて、屈み込んだ。


 浜辺はクルっと前に向き直り、開き直って、ドローンに中指を立てていた。


 ミライはできるだけ最速でドリフト走行をしていた。


 タイヤが唸る。


 複数のドローンのカメラがミライの運転する車を捉えていた。


 ドローンは複数のラインを予測していた。


 そして、複数のドローンがそれぞれのラインに対して攻撃をしかけようとしていた。


「いっけーーーー!!!」


 複数のドローンは予測座標よりも車が前に行っていることを認識していた。


 ただ姿勢を変えて撃つには間に合わない。


 だが、一台だけ今までの限界を突破してきたミライのドライブを予想していた。


 ミライのドライブはさらにその予想をも上回っていたが、車一台分を上回ることはできていなかった。


 ドローンの予想で発射してもトランク部分には当たるような計算になっていた。


 ドローンたちがミサイルを打ち込もうとした。


 ミライは薄々気がついていた。


 どんどん詰められる距離。


 頭で計算しても、ある程度予想ができた。


(次は当てられる。。。)


 ドローンが射出するミサイルをポケットから出した。


(Fire)


 ドローンのAIがミサイル発射の処理を下した。


<次回予告>

ミライのドライブテクニックで何とかドローンの追撃を躱していた。

だが、それも限界に近づいてきていた。

ミライは感じていた。次は当てられる。。。

ドローンからミサイルが発射される。

そして、響き渡る爆発音。

4人はどうなってしまうのか?

次話サブタイトル「世界の理屈に飲み込まれる希望」。

次回もサービス、サービスぅ!!


<あとがき>

このドローンとの追跡劇ですが、結構お気に入りなパートです。

2076年になっても車が空飛んでないやんと突っ込まれるかもしれませんが、私の予想ではドローン的な車は一時流行るかもしれませんが、墜落事故などで結局使われなくなると思っています。日本は災害が多いので、そう言う時にはドローン車は非常に有効だと思いますが、事件の起こりやすさ、起こしやすさを考えるとどうもなと思わざるを得ないですね。

さて、本編ですが、とうとうミライの操縦する車にミサイルの照準があってしまいました。この後、4人はどうなってしまうのでしょうか。

次回、「世界の理屈に飲み込まれる希望」。乞うご期待!!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ