相手からすると焦らしているとなるのか…
浴室を出て、自室に戻るとベッドに仰向けになる美浜が迎えた。
「やっと出てきたぁ、あっちゃん!汗も流したことだし、シようよぅ〜楽しいことぉ〜」
「しませぇ〜んっ!そういうのは……もっと——」
「頑なだなぁ〜あっちゃんは〜ぁ。もしかしてあっちゃんが想像してんのは、セッ——」
「あああッ、あああッ、そんなこと大声で言わないで!そうじゃッ……けっして違うからぁッあおちゃんッッ!」
「あはははっ!その慌てっぷりはいつ見ても笑っちゃうよぅ〜ほんと、ぷぶっ……ああ〜面白ぉ〜!」
「笑いすぎだって、あおちゃんっ!なんで恥ずかしげもなく言えるのッ、あおちゃんはさぁ〜?」
「言うくらい別にどうってこともないじゃん。あっちゃんはシたくないの、私とさぁ?」
「そんなぁ……えっとぉー、それは……」
美浜との、あの……行為を想像してしまい、顔が赤く染まって火照っているのを自覚しながら口籠る俺。
「ほんと可愛いぃ〜あっちゃん!焦らし過ぎだけど、そういうとこも好きだよ。あっちゃんは谷津瀬とは違って気遣いができるよねぇ〜まあ、あいつみたいな勢いも有ったら良いとはちょっと思うことはあるけどね。じゃあ……予行練習、シてみて……様子みようよ、あっちゃん」
「ヨコウ、レンシュウ……って、何を……」
「まずはそんなとこに突っ立ってないでこっちに来て」
扉の近くで立ち尽くす俺にベッドに来いと手招きする美浜。
恐る恐るベッドに歩み寄ると、身体を起こした彼女がちょっと屈んでと言うので、言われたとおりに屈む俺だった。
「力、抜いて、あっちゃん」
屈んだ俺の首に彼女が両腕を回して、抱き寄せてきた。
その拍子に彼女が支えられずにベッドに倒れ、身動きが取れない俺も彼女と同時に倒れた。
まるで俺が理性を失い、彼女を押し倒したかのような体勢になっていた。
「えっあっあっ、ごめんっ」
「あはは、なんであっちゃんが謝るの」
「つ、つい……反射的に。えっと……」