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アリと馬場と40人の盗賊

作者: 零位雫記

むかし日本のあるところに馬場がいました。

馬場は昆虫のアリがとても好きで、たくさんの虫かごのそれぞれに土を入れ、たくさんのアリをそこに入れて鑑賞していました。

虫かごの数は大中小合わせて30個ほどありました。

ある日のことです。馬場は森へ新たなアリを捕獲するため出かけました。

馬場が森で地面とにらめっこしながらアリを探していると、どこからともなく大きな足音が聞こえてくるではありませんか。

馬場は音のする方角を見ました。

そこには馬場の方へむかってやって来る大勢の男の群れがみえました。

馬場は恐怖を感じ驚き、慌てて木をよじ登り身を隠しました。

馬場は木の上で男たちの人数を数えました。

男たちは総勢丁度40人。

その中でもひときわ大きい男が何の変哲もない岩肌の前に立ち、突然腕を広げて、


「ひらけーゴマ!」


と大声で叫びました。


――ゴゴゴー


なんと、何の変哲もなかった岩が、大男の号令で轟音とともに横にずれ、そこに大きな穴が現れました。

それから大男を先頭に各々白い袋の荷物を背負った男たちがゾロゾロとその穴へと入っていきます。

しばらくすると40人は全員穴から出てきました。男たちが背負っていた袋はみなぺっしゃんこになっていました。

男たちが全員出てくることを確認した大男は、穴にむかって「閉まれ!」と言いました。

そうすると横にずれていた岩がさっきの位置に戻り、穴が塞がりました。

40人はすぐにその場からいなくなりました。

馬場は40人がいなくなると木をおり岩肌の前まで移動しました。

そこで大男と同じように腕を広げ、


「ひらけーゴマ!」


と言ってみました。

すると岩がさっきと同じく横にずれ、大きな穴が出現しました。

馬場は穴に入りました。

そこには眩い輝きを放つ金銀財宝がところ狭しと置かれていました。


「うひょー! これはすごい!」


馬場は興奮しました。馬場はしばらく穴に置かれている金銀財宝を口を開けてキョロキョロ眺めていましたが、ある物に視線を合わせました。


「この仏像みたことがあるぞ。そうだ、昨日の夕方のニュースでみたぞ。これはたしか美術館で盗まれた金の仏像だ! そうかあいつら盗賊だったのか!」


馬場は背負っていたリュックにそこいらにある金銀財宝をつめられるだけつめ、外に出ました。

馬場は穴は閉めずに開けっ放しにしたまま森を去りました。

森を去って馬場は、電話ボックスを見つけ警察に穴のこと、盗賊のことを伝えました。

それから馬場はいったん家に戻って穴で得た金銀財宝を自分の部屋の押し入れの中に隠して、改めてアリを探しに今度は近所の公園に行き、40匹丁度のアリを捕まえました。

その後馬場はよく行く雑貨屋に行き、虫かご一つと土とアメ玉二つを買い帰宅しました。

次の日の朝、テレビでニュースを見ると、連行される40人の盗賊の姿がありました。




めでたしめでたし



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