98、公共交通機関
路線建設か。
初級学校開校の夜、領主館の執務室には国王陛下、三公爵、カラン国ケルン王子、そして賢者タカシが集まっている。
領都で実用化した魔動AGTをどのように普及していくかを話し合うために集まったわけだ。
「ケルン王子には申し訳ないが、魔動AGTの普及はムサシノ王国を優先させてもらうよ」
「それは理解しております」
「うむ、国際路線はカラン国へのものを最初にはするつもりだ」
「ありがとうございます」
魔動AGTの普及で考えているのは4つ。
1、都市内交通路線の敷設と稼働。
これは領都イチゲで稼働まで実現済み。
2、都市間交通路線の敷設と稼働。
これをどこで行っていくか。
まずはタケハヤ公爵領内だろう。
そうすると領都イチゲとタカオ町が適当か?
タカオ町とは学園都市ということで往来が活発になるであろう。
簡単に往来ができれば学生間交流や教師陣の交流と兼務がしやすくなる。
そしてヒカワ村。
ヒカワ村のように山岳地帯の交通が不便な地域への足の確保がうまくいくか調べたい。
3、国同士の交通。
まずはカラン国とだが、その前に都市間交通だ。
トンネル技術や架橋技術もこれまで以上に必要だ。
4、魔動AGTの技術者の養成。
このようなことになってくるであろう。
1は領都イチゲの開通後に王都での建設を行うことになった。
路線数とルートは要検討だ。
その後、まず三公爵の領都に建設する。
2・3は一緒に考える。
この路線の問題は路線の管理だろう。
路線への人や獣や魔物の侵入、路線がどのようになっているかの確認だ。
4はイチゲ学園の中に上級・中級学校とは別にAGTの技術の学習を主体にした学校を創る。
製作技術や敷設技術だけでなく、管理技術に関しても学ぶ。
都市間交通の最初としてタカオ町から領都までが敷設されることになった。
この路線を王都までつなげていく。
同時にヒカワ村へはトンネルや勾配に対る実験線ということで路線建設が決定した。
さらに領都の残りの路線の開通は早めることにする。
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