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不思議なパン  作者: TKSZ
96/258

96、初級学校開校の当日(3)

賢者が勇者になってモンスターを追い払うよ!

入学式も無事に終わった。

賢者様いい入学式でしたよって。

はい、ありがとうございます。

では次がありますので保護者の皆様は外に出てくださいね。

係の者がお子さんと一緒に教室にご案内します。

はぐれないようにね。

わからなくなったら腕章をつけた誘導のかかりに尋ねてくださいね。

担任の先生方お願いしますよ。

賢者様、雑用をやり過ぎですよって。

どうも性分でね。


始業式は2年生から6年生だから会場の総入れ替え。

新入生と保護者が会場を出て今度は2年生から6年生までの生徒だけが入ってくる。

全員が転入生だけど保護者は参列しないよ。

理事長の私が挨拶をするのは今年だけだ。


公爵様挨拶があるのだから壇上へと。

国王陛下をご案内しないとね。

え、国王陛下も挨拶をしたいって!

生徒だけですよ。

新入生だけに挨拶をして転入生にしないのは不公平だろうって。

まあ言われてみれば。。。

今年の始業式での理事長挨拶もみんなが転入生だからだよね。

ではします?

何か国王陛下のテンションが高いのが気になりますけど。


あれ、またあそこで揉め事ですか?

今度は母親?

いやな予感がしますね。

えーと対応している女の先生は若いよね。

上級学校を卒業したばかりだって言っていたな。

あの母親相手ではきついかな。

陛下一寸行ってきます。


「がんばれよ勇者よ!」


不気味なことを言わないでください。

ああ、陛下も気が付いたのね。

あの母親の正体を。

さあ、賢者改め勇者がモンスター退治に行きますか。

いや、母親を退治しては困るよね。


「どうしましたか?」

「賢者様聞いてください。息子が不当な扱い受けています」


後ろでそんなことはないと一生懸命言っているのは旦那さん?


「不当な扱いとは?」

「息子が選抜クラスに入れなかったのはおかしいです」


今回、入学式の

最中に2年生から6年生には魔法道具を使った簡単なテストを受けてもらってそれをもとにクラス分けをした。

成績優秀者は選抜クラスに入れた。

資料をマリ校長が持ってきてくれた。

これでは選抜クラスには無理だな。

入ってたら本人が大変だね。

ついていけなくて不幸なことになるよ。


結果を説明した。


「息子は調子が悪かったのです」

「君そうなの?」


お父さんにしがみついている息子さんに尋ねる。

首を横に振ってそんなことはないよって。


「なら魔法道具が壊れているのですよ」


あれは私が作って正常に動くかすべてチェックしたんだけどね。

息子さんが使った魔法道具を持ってきてもらった。

正常だね。

息子さんに記録されている息子さんの解答をみてもらう。

自分が解答したものに間違いないと。

採点する。

採点間違えはないね。

魔法道具だから正確だよ。


「間違えありませんよ」

「なぜこれだけできているのに選抜クラスに入れないのですか」


これしかの間違いだよね。

選抜クラス以外では中の上というところかな。


「残念ながら選抜クラスに入る基準には達していません。入ったらついていくのに大変ですよ」


それでも納得しないのね。

流石、モンスターペアレンツ。

いや、父親は違うから単数形でモンスターペアレントかな。


ああでもない、こうでもないと。

さらには女の担任は気に食わないとか。

息子さんの学年は選抜クラスも担任の先生は女性ですよ。

若い女は嫌と。

終わらないな。

自分も始業式に出ると言い出してきたよ。

これは仕方がない。

言いたかないけど、やりたかないけど。

タイムリミットですよ。

始業式の開始予定の時間を過ぎています。

こういう人は我儘で周りの迷惑も考えないよね。

皆さんの注目も集めているしね。


「貴方の行動が息子さんを苦しめていますよ。息子さんのことを考えるならどう行動すべきか少し考えてください。息子さんがこれからの学校生活で嫌な目に遭わないように」


少し威圧をかけて言いました。

流石にだまって出て行った。

このような言い方は人質を取るようで嫌だけど。

それに威圧は一種の精神魔法だから使いたくないよ。

お父さんはこちらに頭を下げながら後を追っていったよ。

がんばってね、お父さん。

息子さんが心配だな。


「大丈夫かな?嫌な思いをしちゃった?」

「大丈夫です。いつものことで。賢者様には母がご迷惑をおかけました」


お、しっかりしたいい子だね。

これなら大丈夫かな?


「何かあったら先生らに相談しなさい」

「はい、ありがとうございます」


息子さん自分の席に行ったよ。

やっと始業式だね。

壇上に行くと国王陛下が「勇者の帰還だね」と言ってきた。

はいモンスターを追い払ってきましたよ。

陛下、楽しんでいたでしょ。

マリ校長先生が流石ですねと感心してくれた。

モンスターペアレント対策も研修してよ。

賢者様、講師をよろしくって。。。


始業式が始まった。

でも15分遅れだよ。


国王陛下、また私を持ち上げるのですか。。。

花見の一件をまたですか。

そしてまた長い。

私はその分短めに。

大事なことはしっかり押さえましたよ。


結局30分遅れですか。


開校祝賀会も30分遅れでスタートですね。


まだお昼ですよ。

今日は一日が長いね。



お読みいただきありがとうございます。

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