84、初級学校開校(2)
狙われる!
寮の建設を精霊さんたちに頼んで行ったよ。
学校関係は優先事項だ。
いつもの通り、内装は業者にお願いする。
AGTも生徒や教員の足確保のためにも大事だよ。
AGTの製作のために駅の入り口に向かう。
精霊さんたちが騒ぎ始めた。
何か突き出された。
ナイフか?
突き出された刃物をよけ、相手の腕をつかみ、取り押さえる。
黒装束・・・・男か?
おいおい、ナイフには麻痺の毒が塗られているよ。
鑑定をした一瞬、男が苦しみだした。
仕込んであった毒を飲んだらしいな。
直ちに解毒を行う。
即効性の少し厄介そうな毒だったが間に合ったか?
近くにいた警備の衛士が走ってきた。
男の命には別条がないようだ。
しかし、記憶には障害が残りそうだな。
それを重視した毒というわけか。
黒幕はわからないかもしれないな。
目的は何だろう。
周囲に不審な動きがないか探った。
『ホウ、他に危険性は』
『外壁内は大丈夫です』
『外壁外に何かいる』
『逃げていきますね』
『追跡はできる』
『お任せください』
『よろしくね』
証拠はないだろうが、敵が誰かはわかるだろう。
しかし、簡単に接近を許してしまったな。
ここで考え込むのはよくないから考えるのは後にしよう。
集まってきた衛士たちに後を任せることにした。
今日はAGTの製作は止めて領主の館に戻ることにしたよ。
開校関係の仕事を邪魔されたな。
領主館に帰り、婚約者達に今の事件について説明した。
驚き、簡単に接記されたことを心配された。
躱すことができたとはいえ探索・察知を掻い潜り近づいた来た者がいたのだから。
こちらも油断していたかもしれない。
こちらの探索・察知を掻い潜るものもいることを肝に銘じておこう。
犯人の目的について意見を交わした。
個人的な恨み。
凹ませた貴族や他国の王族がいるな。
AGTの技術を奪うこと。
ナイフの毒が麻痺毒だったことから可能性が高いか。
ムサシノ王国の弱体化。
ありえない話ではないな。
学校の開校の妨害?
うーん?
まさか、異世界のごみ関係ではないよね。
警備と領軍を統括するクレン司令官がやってきたよ。
今回、賊が侵入してしまったことを詫びにきたんだ。
気にしないようにと伝えた。
王族の来訪もあるので、警備の強化をお願いしておいたよ。
とくに婚約者や重要人物の警護強化をお願いしたいね。
男を尋問したが、芳しくないようだ。
記憶がおかしくなっているようだ。
失っているのではなく「おかしく」だ。
やはりそうか。
解毒を行う直前の一瞬、『混乱の魔薬』と鑑定できたからね。
こちらまで混乱させる記憶を残しているわけか。。。。
情報のかく乱か。
厄介だな。
警備の改善について後日報告してくれることになった。
グレン司令官が帰った後、危害を察知・防御する魔法道具を婚約者や重要人物の分として製作した。
私が使っている物より察知を強化したものだよ。
今回の犯人の隠密性を考慮した結果だ。
もちろん自分の分も用意した。
ロボとドラが領都内では警護についてくれるということになった。
よろしくお願いします。
ドラは姿を消した状態で頭上で防御と監視を行ってくれるという。
ムサは学校を監視してくれるようだ。
学校の開校は近づきつつある重要イベントだからね。
学校関係ではまだまだ細かいことを検討もする必要がある。
ホウから連絡があった。
『何か判明した?』
『申し訳ありません。転移されました』
『え、』
『おそらく、異世界ドルジェです』
おいおい、異世界のごみ関係か!
お読みいただきありがとうございます。




