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不思議なパン  作者: TKSZ
8/258

8 襲撃

コン様と詰め所に向かった。

出る前にロク様に言われて残っていたハムを挟んだパンを食べた。

すでに衛士と3人の村人が待っていた。

衛士の隊長のクレンさんを紹介された。

厳つい顔だが真面目そうな大男だ。


「旅人のタカシ様、ご協力ありがとうございます。神鹿様よろしくお願いします」


村のことも心配なので衛士二人と村人一人が残り村の警備を行う。


『村から10分ぐらいのところに数人の不審者が来ています』


村長が他の者にも状況を説明する。

結界は村から3分ぐらいのところにある。

こちらの様子が相手にわからいようにロク様が結界を張ってくれた。


『向こうにも結界の専門家がいるのに結界が有効なの』


衛士や村人の目があるのでロク様には念話で尋ねる。


『あんな弱い結界しか扱えないような者にこちらを察知できるとは思えんよ』


結界のある所に到着した。

結界はロク様が修復したばかりなので簡単には破壊できない強さを持っていることはコン様から説明済みだ。

実を隠して待つこと3分。

少し見えにくい4人の人物がこちらにやってきた。


「来ましたね」

「はい」

「え、どこに?」


衛士や村人には見えていないようだ。

コン様には見えているのだろう。

相手も結界を張っているからである。


『このまま様子を見ていてください。相手が気がつかない程度に結界を無効化しましょう』


衛士や村人にも不審者たちの様子が見えるようになってきた。

4人の人物のうち一人が何か作業を始めた。

カキーン。

村を、守る結界が何かを弾く。

4人の不審者は動揺している。

そして相手の結界が完全に無効化された。


「そこまでだ」


クレン体長が告げた。

しかし、相手も素早く動いた。

一人が剣で体調に向かっていった。

一人は大斧で他の衛士に向かっていった。

一人はタカシに弓を射かけてきた。


やられると思って左手を矢のほうに突き出した。

せめて胴体へのダメージを少なくするために。。。


矢が止まった。

左手に接触する寸前。

いや矢に掌が押される感覚があった。

そして矢が地面に落ちた。

再び射かけられた矢も止めることができた。


村人が弓術士と結界を壊そうとした人物を取り押さえた。

剣士は隊長に拘束されている。

大斧の男は暴れていたが隊長の加勢によって鎮圧された。

大斧の男に対抗していた二人の衛士は傷を負っている。


『「完全治癒」をかけてあげていいですか』

『「治癒」にしておきましょう』


衛士二人に『治癒』を施した。

衛士も村人も驚いている。


「ありがとうございます。こんな高度な治癒を施していただいて」


隊長さんからお礼を言われた。

村の治療を行った報酬に衛士に協力した報酬が加算されるようだ。

捕まえた不審者を連れて村に戻る。

捕まえた者は3人は男で結界を破壊しようとした者は女だった。

魔術師のようだ。

4人を詰め所にある牢に拘束した。

魔術師には魔術が使えなくなる手錠が嵌められた。

後は衛士と警備の村人に任せ、集会所の客間に戻った。


「ねえ、ロク様。何で矢を防げたのだろう。それから結界を施していた相手を認識できたのだろう」

『あのくらいの弱い結界ならタカシ様の鑑定の能力で見破ることができる』

「でも実行をしていないよね」

『脅威から自分を守るために自動発動したのだろう。矢を止めたのも同じだ。ブレスレットの力で防御が自動発動した。治癒の力も普通より強いからこのままであまり使わない方がいい。普通の治癒士ぐらいの能力に制御しないといけないでしょう』

「ブレスレットに防御の能力もあったの?」

『鑑定をしてみなさい』


鑑定をしてみた。


防御と回復と治癒のブレスレット

装着者タカシの防御と体力回復と怪我の治癒が自動的に行われる

タカシは魔法のパンの効果で防御魔法と回復魔法と治癒魔法が使えるようになる

今回の使用可能の時間 11時間10分22秒

装着者 タカシ

所有者 タカシ

装着者か所有者から10m以上離れると所有者のところに戻ってくる


『ブレスレットが進化したようだね』

「防御魔法って?」

『左手を前に出して「障壁実行」と念じてみなさい』


左手を伸ばして念じた。

目の前に光の大楯が現れた。


『魔法攻撃も物理攻撃もこれで防げる。向きが大事だが。次に「防御結界実行」を念じてみなさい』


自分から半径2mの範囲が何か見えないものに包み込まれるのを感じた。


『魔法攻撃も物理攻撃も防げる結界だ。障壁より弱い。」「障壁解除」「防御結界解除」と念じれば消える。使っていくうちに機能も上昇するでしょう』


少し防御魔法と鑑定を練習した後、ベットにもぐりこんだ。

疲れておりすぐ夢の中に引き込まれた。


夢の中で松明をを持った小柄で体格がよい男たちが大きな穴の前で騒いでいるのが見えた。

怪我人を運んでいる。

これを今度は助けよということかな?

でもここはどこだ?


目が覚めた。

いや、ロク様に起こされた。


『詰め所が襲われたようです』


まだ夜明け前だ。


詰め所に行くと衛士と警備の村人が倒れていた。

机の上や床にはコップがある。

入っていたり零れている液体に毒が入っているのが鑑定で判明した。

毒除去を実行した。


『「完全回復」も行ってください』


完全回復を実行した。

鑑定をするのみな大丈夫なようだ。

牢の方から物音がした。

注意深く牢の方に行くと牢の前に一人の見たことのない男がいた。

鑑定をするとロンという村人だ。

「内通者」とでている。

そこで何をしている。

手にはナイフが握られている。

男は無言でこちらにナイフを突き出してきた。

障壁を実行した。

ナイフは弾くことができたが相手を無力化できたわけではない。

腕力で勝てるか?

どう見ても無理そうだ。

頭の中に「拘束障壁結界」という言葉が浮かんできた。

障壁を相手の周りに結界のように作って拘束する。

イメージして念じてみる。

光の壁が男を囲んだ。

男は動けなくなった。

その時後ろから隊長さんがやってきた。

気がついたようだ。


「おお、やつを拘束したのか。初めて見るすごい魔法だな」


他の衛士も来た。

男のナイフに気を付けながら男を拘束した。

ナイフを鑑定したら毒が見つかった。


「まさか」


牢にいる者たちが倒れている。

急いで「毒除去」を施した。

さらに「完全回復」も。

そのころになって村長のコンさんがと数人の村人がやってきた。

拘束されている村人のロンを見て驚いている。

隊長さんや警備の村人が顛末を説明した。

ロンが持ってきた差し入れの飲み物を飲んだら痺れて意識を失った。

タカシに助けられ、タカシが襲ってきたロンを拘束した。

牢にとらわれている者はロンに殺されそうになったが、タカシによって助けられた。


「口封じとみるのが妥当かな」

「つまり、ロンは内通者というわけだ」

「ほかにも内通者がいないか調べないと」


大騒ぎになっている。

隊長さんが近づいてきた。


「タカシ様、ありがとうございます。助かりました。これからタカシ様はどうしますか?」

「次に行くべきところがあります。早めに出発します」

「わかりました」


客間に戻ってきた。


『ロク様、どこかで穴の中で怪我人が出ている夢を見た。そこに行くようにということだと思うのだけど、どこに行ったらいいのかな。』

『その怪我人は小柄で体格のよい男たちですか?』

『そうだよ。大きな穴の中から怪我人が運ばれていた』

『それはヒカワ村のすぐ近くにあるカズマキョウ鉱山ではないでしょうか。ヒカワ村はドワーフが多くいる村です』

『数馬峡は知っている。どうしたらいいかな』

『一度タカシ様の世界に戻って、タカシ様の世界から行ってください。パンを忘れずに。私もこちらの世界で向かいます。私だけなら3時間もしないでつけるでしょう』

『パンはあと半斤ぐらい持っている。自宅にも作ったものが同じくらいある。どうやって帰るのかな。前みたいにヤリミズ村の神木からかな』

『パンはあるのを持ってきてください。帰還はこの村にある祠の後ろの大岩のところで自宅を思い浮かべて「帰還実行」と念じてください』


コン様に事情を説明し報酬の話は後日にしてもらった。


「私を様付けで呼ばないでください。いろいろ話してくださったタカシ様は私の友人ですよね」

「わかりましたコンさん。では私のことも様付けでなく」

「はい、タカシさん。また早めに来てくださいね」


コンさん、ロク様と別れてから荷物をまとめて大岩のところに行く。

村人から見えないように大岩裏手に回り「帰還実行」と念じる。


『帰りますか』


またあの声。


「お願いします」


自宅のホームベーかリーの前にいた。

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