表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
不思議なパン  作者: TKSZ
77/258

77、休養

休養で力を取り戻す?

4月26日夕方。

地球での仕事が終わり、領都に戻るとすぐにリサさんによって食堂に連行された。

食堂には婚約者とルルさんとマリさん、そして16柱の神様が集まっていた。


「明日はタカシ様の完全休養日にします」


ルルさんに宣告された。


「いや忙しいし、無理だよ」

「仕事のほうは順調です。明日はタカシ様の完全休養日にすることが決まっています」


強く宣告された。


「提案したのは私だ」


アスカ神様が続ける。


「私たち神から見ても内部に疲れがたまっている。加護があってもだめだ。休むしかない」


16柱の神様の総意でもあると。

婚約者たちも同じ意見だと。


「このまま疲れを内部にためれば、いきなり大きな判断ミスを起こす。それを防止する意味もある。本人が気が付いていないから怖いんだよ」


そこまで言われたら返す言葉がない。

休養が決定した。


そのまま、地球のリサさんの持つ別荘へ招かれた。

28日にはいやでも働いてもらいますよと送り出されたよ。

心配してくれる皆に感謝して出かける。


ああ、夕日がきれいだなあ。

リサさんの別荘から西の空を見ている。

このひと月あまりこのように自然の光景を楽しんでいなかったことに気が付いたよ。

ちゃんとした判断ができていたかな?

自然と向き合うことも必要だ。

そういう世界に行っているのに自然をしっかり見ていなかった。

アスカは自然と向き合って過ごすべき世界だ。

それなのに自然には気をかけないで過ごしてしまった。

領主は民衆とともにあるべき。

しかし、民衆は自然と向き合い、その声を聴き苦労して過ごしている。

なのに領主が自然に耳を傾けなくてどうする!

自然の声を聴かなくては。

先ほどまでの状態では自然の声を聴くことができない。



夕食を楽しんで夜になった。

星空を眺める。

吸い込まれそうな星空をただ見上げる。

この宇宙ではちっぽけな存在であることを感じながら。


次の日の朝。

生まれたての太陽の光を浴びる。

太陽に、新しい朝に感謝する。

鳥の声に耳を傾ける。

森の小道で花を見る。

花を楽しむのも領都の名前を決めた時以来だな。

頭の中が洗われていく。

そのような感覚が。。。。

自然と向き合えるようになったかな。

この世界に訪れる前は自然を求めてよく歩いた。

花を楽しみ、鳥のさえずりに足を止め、風の声を聴いて。

そう、言葉ではないが私は風のささやきが聴こえた。

樹木や花のささやきが聴こえた。

他人には言えないけど。


一日がゆったりと流れる。

風のささやきが聴こえる。

樹木の声が聴こえる。

以前よりはっきりと。

頭の中に。

精霊の声?

仕事のことを忘れて。。。。


精霊たちの声を捉えた!


いい時間だ。


忘れていたよ。

精霊たちが友人だったことを。

いつも近くにいたことを。


そうか、だから神様が選んでくれたのか。

神の遣い、賢者として。


大丈夫だと思ったが、

やはり疲れていたのかな。

さあ、精霊の友人とともに歩めるよ。


そしてゆっくりと眠りについた。


4月27日が終わる。


お読みいただきありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ