50、領都造成(3)
内壁建設
内壁の工事だ。
高さ6m・厚さ2m。
材質は複合素材。
軽いが強度は高い。
異世界のごみの新素材と同じものを内部に使った。
内部は隠蔽してある。
簡単には鑑定はできない。
忘れずに内壁を造るところに上水道と下水道との配管を行う。
後からでは無理だからね。
予備も含めて設置した。
下水道って不法侵入の経路になるんだよね。
下水道は流量が増えても対応できるようになっているから空間に余裕が必要だからね。
内壁の地下付近は直径15cmぐらいで3mの長さの管の集合体にするか。
これなら侵入できない。
流れがない管は魔法で自動的に閉める。
ここを通す前に流れてきているものを確認する施設と固形物を粉砕する設備をつける予定だ。
おかしなものが流れてきたら回収だ。
メンテナンスのシステムも構築。
専用ロボットだね。
下水は公衆トイレも含めて各建物で浄化してから下水へ流す予定だ。
そして放流前にさらなる浄化を行う。
そのまま飲んでも大丈夫なほどの水にするよ。
魔法道具での下水処理は便利だ。
午後だけで内壁建設とその下の上下水道の配管は終わった。
内壁は最低地下18mまで基礎を入れている。
壁の構造で10m、さらに8m以上の杭だ。
地下構造と周囲の地形から考えた措置だよ。
杭はすべて岩盤まで達している。
新素材がなければできなかったな。
「地下の壁は水脈に影響を与えない?」
「考えてあるよ。その部分は水を通すような壁にしてある」
「強度も大丈夫なのよね」
「大丈夫なはずだよ」
内壁のところどころに魔法道具も使った緩衝構造を入れ、地震対策を施したよ。
免振になるはず。
湧水も多い土地なので水脈との兼ね合いも考えると心配が多かった。
地震で水脈が変わると地盤沈下や陥没などの心配があるからね。
魔法道具を地震対策にも使っている。
「魔法道具が多いけど魔力は大丈夫?空気中からだけでは足りないでしょ」
「ヒカワ村の鉱山のように太陽エネルギーを魔力にに変換する。内壁の上にパネルを設置する。各建物にも設置してもらう」
建物は公爵側で用意するものと住民や商店・工房などで建築するものがある。
領都ではある程度、強度や環境配慮に関して強制することにしている。
下水処理や上水や太陽エネルギーの利用である。
湧水や井戸は共同で上水として供給する。
地盤沈下は困る。
工夫すべきことが多いので外壁の半分の長さのない塀ができるのに外壁以上の時間がかかったよ。
まだ魔力を作るパネルは設置していない。
『回復のパン』の消費も多くなったよ。
地下水脈を調べていてわかったけど、少し深いけど温泉があるね。
温泉を掘る?掘らない?
要検討だ。
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