5 片倉城跡公園
今年もリアルで行きました。
カタクリがきれいです。
いつもの通り池の近くのカタクリを見る。
今年もきれいに咲いている。
花弁の反り具合もいいなあ。
それから住吉神社へ。
あいさつ程度のお参りをして社の周囲を歩いてみる。
何もない。
うん~。
いつもの遊歩道へ。
カタクリを見るならここがお薦め!
ニリンソウかな。
あちらはアズマイチゲかな?
キクザキイチゲも。
イカリソウやヒトリシズカ。
アマナも咲いている。
ヤマルリソウも多いな。
スミレの仲間も!!!!
奥の沢の方へ。
ここのカタクリもいいな。
谷沿いへ。
そして水車小屋のほうへ降りていく。
階段になっているはずのところが坂道になっている。
違和感を感じて周囲を見渡すとそこには見慣れない集落があった。
「この集落は?」
ヤリミズ村に似た集落がある。
しかし、ヤリミズ村ではない。
神木はない。
ヤリミズ村の神木は村のどこからでも見えた。
村に近づくと3人の子供がこちらに走ってきた。
ただその子供の耳は獣のもの。
頭の上にはいている。
そしてしっぽがある。
狐のしっぽだ。
狐の獣人だ。
また、ミオのいる世界に来たのか?
もしかしたら違う世界かもしれないけど。。。。
「村長様の言うとおりだ。変わった格好の人族が来たよ。ねえ、あんた村長様が呼んでいるから一緒に来ておくれ」
手を引かれ、集落の中でも大きな家へと招かれた。
村人らしい獣人が何人も集まって心配そうに中を見ていたがタカシに気がつくと道をあけてくれた。
家の中には土間に厚い布が敷かれ、その上に白いシカが横たわっている。
夢で見た光景だ。
傍らに夢で見た狐の獣人が。。。。
「よく来てくださいました。人族の旅人よ。お待ちしていました。カタクラ村の村長のコンといいます。この白いシカは神の遣い神鹿です。昨日の午後、ヒカワから薬草を村に運んでくれていたのですが、途中で何者かによって射られ傷ついてしまいました。折角の薬草もその者たちによって奪われてしまいました。昨夜、神様から『明日、人族の旅人が訪れる。その旅人の持つ食べ物を与えれば神鹿が助かる』と神託を頂きました。どうかお助けください」
「はい。食べ物はあります。パンですが。はたして治るのかわかりませんが試してみましょう。あ、駄目でも私に危害を加えないでくださいね」
「はい。無理なお願いだということは十分にわかっています」
うん~。
神様って私をもとの世界に帰還させてくれたあの声だよね。ハムを挟んだパンでいいといったけど。。。
シカはハムを食べるのかな?
信じてあげてみるか。
信じる者は救われるなんて。。。。
ハムとレタスとチーズをを挟んだパンを神鹿の前に出した。
神鹿は頭を上げ、パンを見つめていたがゆっくりとパンを食べ始めた。
すると神鹿は光に包まれ矢による傷も治ってしまった。
『タカシ様。ありがとうございます。』
「え、」
『念話です。頭の中でお話しください。村人には聞かれたくありません』
『わ、わかった。ところでなんで私の名前がわかったのかな?』
『私は鑑定ができます。「治癒のパン」の効果も鑑定しました。素晴らしいパンですね。私も完全回復しています。本当にありがとうございます、「異邦人」タカシ様』
ミオさんができなかったタカシの鑑定を神鹿が行ったことに驚いていると、神鹿はさらに続けた。
『驚かれたでしょう。これでも神の遣いですから』
『そうだよね。神様ってどのような方なのかな。教えてもらえないかな』
『申し訳ございません。私からお教えすることはできません。時が来れば神様より説明があるでしょう』
『そうだよね』
『本当に申し訳ありません。タカシ様からの願いを断っていながら大変恐縮ですが、私に力をお貸しください』
『力?』
『「治癒のパン」の力。私は村人の病気を治すために薬草を運んできたのですが賊に奪われてしまいました。「治癒のパン」で村人の病気を治してあげてください。私も鑑定でお手伝いをします』
『わかったよ』
「あのどうしたのでしょう。神鹿と見つめ合っていらっしゃいますが?」
コン様にはわたしの行動が不思議に思われたようだ。
「先ほど見られたように私の持つパンは治療に役立つようです。村人に病人がいるということですよね?私のパンで治らないか試してみませんか?」
「願ってもないことです。よろしくお願いします。対価はできるだけ用意しましょう」
「そのような事は気にしなくて大丈夫ですよ」
神鹿を伴って病人のいる家を訪ねた。
神鹿はロク様という名前だそうだ。
ロク様が鑑定し、どのくらいパンを与えたらよいのか念話で指示してもらう。ハムを挟んだパンは7つしかない。全員を治療できるか心配っだったけど。最適の量を支持してくれたおかげで5つのパンで治療が終わった。ロク様の鑑定で病人全員が完治となっていた。
村から治療の報酬が支払われることになった。
『鑑定は便利だね』
『力の大きさと使い方次第ですよ。ところでやはりここですね』
『何かあるの』
『村を守る結界が壊されています』
『結界なんかがあるのですか』
『はい。町や村には人やエルフや獣人やドワーフが多いので森や草原や荒れ地から負のものを呼び寄せてしまうのです。20人程度の集団ぐらいでしたら大丈夫ですが50人を超えると負のもの-邪気とか瘴気というようですが-を呼び込んでしまいます。同じ邪気や瘴気に3日以上さらされた力の弱い住民は病気になってしまいます。それを防ぐために専門の魔術師によって村や町・都市には結界が施されています。移動をする商隊や軍隊や旅人は大丈夫ですが、軍隊が一か所に駐留するときは結界の魔道具を使います』
『壊されたということは故意にということ?まさか私がここに来たのが関係している』
『はい、悪意の残滓が残っています。タカシ様は関係ありません』
『そのような事まで鑑定で分かるの?すごいね。ということはヤリミズ村の結界も壊されたということ?あちらは大丈夫?』
『他の神に使えるものが結界を修復したと神様から連絡をいただきました。ここの結界は私が修復いたします』
『ロク様は結界まで操れるの?すごいね。だけど故意だということはまた壊されない?』
『監視者と防御者を配置しました』
『誰?』
『森の住民です。会わない方がいいと思います。黒い虫です。どうしてもお会いしたいのなら止めませんが』
『遠慮しますね』
『時間が無くなってきましたので、急ぎましょう。手を出してください』
掌にペンダントが出現した。
『これを身に着けると鑑定ができるようになります。いろいろ試せば、鑑定能力があがります。あ、お迎えがきましたね。早くペンダントをつけてください』
使い方は説明してもらえなかった。
村のほうから二人の女性が近づいてきた。