４３、協議
穴を塞ぐ計画です。
４月６日 １０時
リサタカプロジェクト特別事業部の応接室。
今朝、ホウの協力で転移をしてからヒカワ村の北にある異世界のごみの穴には建物魔法で作った覆いをつけた。
隣に作業小屋も用意。
魔法道具のマーカーを作業小屋に設置しなおしたよ。
結界も張った。
ロク様とホウが警戒中だよ。
王宮やヒカワ村からは現場への転移は容易だね。
大変なのは地球の現場だ。
地球の転移先は自宅とリサタカプロジェクト特別事業部のシュンの執務室。
後一か所、設定できる。
終了後、現場で解除しなくてはならないからなあ。
遠隔で解除できれば便利なのになあ。
解除後アスカに転移すれば帰りは楽か。
兎にも角にも担当者とどのように対処するか協議だ。
こちらの詳細は知られたくない。
そう『詳細は』だ！
リサさんの父親と繋がりがあるのでこの特殊な組織はこちらの事情を理解している。
協力をしてくれる存在だ。
隆司ほどでなくても特殊な力もつ者もいる。
こちらもその組織のことは詮索しない。
リサさんから説明があったよ。
事前にリサさんとはどういうように進めるか打ち合わせを済ませてあるよ。
担当者は一人で来た。
大人数で協議する内容ではないのでという。
ハンと呼んでくれと言われたよ。
外の車に二人いるね。
実態を隠す組織というわけですね。
「よろしくお願いします、ハンさん」
「こちらこそ、リサさん、隆司さん」
「早速、本題に入りますか」
「その前にこの部屋のセキュリティは大丈夫ですか。使ってくださって結構ですよ」
暗に結界の使用を促してきたよ。
知っているんだね。
すごいね。
確かにセキュリティは大事だ。
結界を張った。
「強力ですね、うちでほしい人材だ」
「うちの大事な社員ですよ」
「失礼しました。調べた結果を教えてもらえるのですね」
「はい」
異世界のごみがどのようなものだあるか説明した。
再現できたことは内緒だよ。
知られたら厄介だからね。
穴の地下にごみが湧き出す原因があることも伝えたよ。
そしてほかにも湧き出すところがあることもね。
「ふん、同時に対処ですか」
物分かりがいいね。
今回の処理について提案したよ。
地球の現地に覆いと作業小屋を作るのはハンさん側で行う。
その後、現地を離れ２ｋｍ以上離れたところで警備を行う。
ごみの除去と穴への対処はリサタカプロジェクトが行う。
終了後、ハンさん側で現地を確認。
数日間監視後、問題がなければ終了。
「この事が起きた原因はタカシさんが完全に破壊してくれるのですね」
埋まっている魔法道具？を処理してくれということだよね。
研究好きが多いのでとハンさんが笑ったよ。
そこから漏洩するのを防止したいのかな。
こんなものは地球に存在すると厄介だよね。
「ところでシュンさんって知っていますか」
「はい、そうですか」
それだけだったよ。
何なんだ？
覆いと建物は２日後には準備できるという事だ。
業者にはまかせられないからねっていう。
それでも早いよね。
その方面のプロですか。
４月９日朝から作戦開始だよ。
こちらの処理はどうするか。
明日はアスカの方のごみを処理かな。
減らしておかないとね。
収納に入れるのだけど。
８日の午後、地球の現地入り。
歩きで１時間。
施設の確認。
監視はしないということだけど確認。
作業小屋は泊まれるけどね。
結界を張って転移場所に設定して夜はヒカワ村の屋敷かな。
小屋に泊まっていることにはする。
９日朝、ヒカワ村の屋敷からアスカの現場へ。
アスカの方のごみを除去。
地球の現場へ転移。
地球の現場のごみを完全除去。
このごみも引き取ってもらいたいとのことだよ。
さらにヒカワ村の屋敷を経由してアスカの現場に転移。
穴の中から魔法道具？を除去して無力化。
この魔法道具？の無力化の方法は鑑定で判っているよ。
鑑定は便利だ！
まあ、私の鑑定だからね。
地球の現場に転移してアスカ同様、穴の中から魔法道具？を除去して無力化。
ミッションコンプリート。
転移場所としての設定を解除してハンさんに連絡。
現場を引き渡し。
徒歩で下山。
セルさんの運転する車で帰宅と見させかけて途中でヒカワ村かな。
アスカの現場も確認しないとね。
地球の事後処理－穴埋めと撤去はハンさん、アスカはこちら側で。
４月１６日に現地確認でということのなったよ。
大丈夫だよね？
お読みいただきありがとうございます。
