40、チヨダ神
神頼み
『ホウ、聞こえる』
『はい』
ホウはチヨダ神に付けてくれた精霊。
鳳凰の姿で出現できる火と風の精霊。
タカシと始終の契約を結んでいる。
『ホウは、異世界ドルジェについて何か知っているかな?』
『存在は知っていますが詳細は知りません』
『チヨダ神様と話がしたいのだけど、どうしたらいいかな?』
『神殿で呼びかけてみてください』
『ありがとう、それからヒカワ村周辺でドルジェからごみが来ていないか調べることはできるかな?』
『かしこまりました』
『よろしくね』
チヨダ神様がどのくらい把握しているかわからないけど、尋ねてみるのが一つの選択肢かな。
神殿に行く前に異世界のごみの鑑定結果を国王陛下と三公爵と宰相に報告した。
4人の婚約者を伴って神殿に向かう。
神殿でチヨダ神様に呼びかける。
『チヨダ神様、お尋ねしたいことがあるのですが』
『ああ、答えてあげるよ。異世界のごみのことだろ』
『はい』
『あのごみがドルジェのものだということはわかっているのだよね?』
『はい』
ドルジェは科学が発達した世界。
さらに少数だが魔法が使える者もいる。
それらがうまくかみ合って文明が発展している。
大きな問題を感じないようだけど、神を軽視する傾向が強い。
科学を非人間的に使うものもいる。
また低いレベルの空間魔法を操れるものも何人かいる。
『転移魔法とは違うのですか』
『転移魔法より高度なことが扱える、高度な空間魔法の操り手なら新しい世界を創るとかもできる。中級神以上のレベルだな』
『高度な空間魔法の操り手ってすごいですね』
『地球にも久しぶりに現れたって地球神が喜んでいたぞ。タカシも3000年年ぐらい鍛えればできるのではないか。素質が見えるぞ』
『そんなに寿命はありませんよ』
『そうか?』
『ごみを異世界に送り出さないようにドルジェの神様に言ってもらえないかな』
『無理だろう。神を軽視する世界だ』
『ごみを送り出している者に直接交渉するのは?』
『今は難しいな』
『無理ではないと』
『こちらに時間と空間を操れる者が必要だ』
『チヨダ神様がお手伝いいただけるとか』
『そういうわけにはいかない決まりがある』
無理はしない方がいいな。
穴を塞ぐ方法について尋ねた。
状況を話したらやはり両方をあまり時間を置かず塞ぐのがよい。
私が穴の地下に存在を感じた魔法道具を破壊することだ。
地球ではドルジェと繋がっているのが地球とアスカだと鑑定できたのだが、このアスカで再度鑑定して確認した方がいいな。
『そういえば、ヒカワの三姉妹神が半月ほど前に空間の異常を感じたと言っておったぞ』
それもう少し早く聞きたかったな。
『わかりました。ありがとうございます』
穴を塞ぐ注意点を教えてもらい、神殿を後にした。
穴塞ぎ。
その前に穴探し。




