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不思議なパン  作者: TKSZ
38/258

38 税金

内政です。

「何か判った?」

「ごみは『ドルジェ』という世界のものだね」

「それ以外は?」

「こちらで鑑定しなければ詳細は判らない」

「対処はできそう?」

「できるけど、他の人が来ないようにしないと困るね。気になることもあるしね」


国王陛下の執務室に向かいながらリサさんと不法投棄のごみについて話した。


「兎にも角にも今は領地のことを考えないと」

「確かに」


国王の執務室に到着する。


「遅くなりました」


すでに国王陛下・宰相・三公爵・ミオさん・ルンさん・コンさんは着席している。


「いや、時間前だよ。忙しかったんだろ」


ここのメンバーは宰相を含めて地球-この世界でいうオリジン-とアスカの関係を知っている。

今日のごみの件について話した。

ナリタ公爵は概略だけは知っていたようだ。


「そうすると『ドルジェ』という世界のごみがこのアスカにも投棄されている可能性があるということか?」

「はい、可能性が否定できません」

「どこかわからないのか」

「考えられるのがヒカワ村の北です」


ヒカワ公爵が渋い顔をした。

ヒカワ公爵領かタケハヤ公爵領の可能性があるということなのだから。


「オリジンで穴をふさいだ場合、こちらで多くのごみがあふれ出てくる可能性があります。同時にふさぐことが必要に思えます」

「わかった。調査が必要だな」

「はい、できるだけ早く調べたいと思います」

「任せてよいのだね」

「はい、ヒカワ公爵領地内に入るかもしれませんがよろしくお願いします」

「こちらこそ頼むよ。できることは言ってくれ。タケハヤ公爵領内であっても協力は厭わないよ」

「ありがとうございます」


続いて税金の話となった。すでに学んでいたが、収入に対する税は商店や工房という組織には20%、個人には16%がかかる。

そのうち、半分が国に納められる。

自治領では国に納められるものが集めた税の10%だった。

半自治領の場合、集めた税の25%を納入することになる。

今まで自治領だった地域が半自治領になるとその地域で使える資金が減る。

町村で新しい事業を行わなければいけない。


住民税は一人年平民は銅貨60枚、貴族は銀貨3枚だ。

貨幣の単位はユンだ。

鉄貨1枚1ユンだ。

銅貨は10ユン。

銀貨は1000ユンだ。


貴族に住民税が年3千ユンつまり日本円で約3万円ぐらいということになる。

平民に関しては軽減措置もある。

領内で集められた住民税の20%が国に納められる。

これは自治領・半自治領とも同じだ。


さらに土地の使用に対する税があるが、このうち半分は国に納められる。

自治領では国に納められるものが集めた税の25%だった。

半自治領の場合も集めた税の25%を納入することになる。



集められた税金は領地経営に充てられる。

領軍や警備兵・衛士・騎士・役所の職員の給与が大きい。

公共施設の維持費。

街道やインフラの整備維持。

その他の公共事業。

補助金。

初級学校の費用。

災害や戦争への備え。

など。。。


貴族の収入は領地内と王国での役職にお対するもの、つまり給与だ。

さらに収入が必要なら事業に取り組み、そこから得る。

交易会社、商会、学校、工房、土建会社等。

中には領地経営に使うべき資金を理由をつけて自分たちのものにする貴族がいる。

勝手に役職を創設して一族でそこに就任する。

または当主が多くの役職を兼任する。

貴族が経営する事業へ不明瞭な補助金を出す。

このようにして税金を私物化する貴族がいる。

その結果、領内の資金が不足して領民へのサービスが低下する。


タカオ町では町が学校を経営しているがミオさんも一部の学校を経営している。

ヒカワ村ではルンさんは工房を経営している。

町では鉱山を経営している。

カタクラ村ではサモの養殖(養鱒)、ヤリミズ村では養鶏が村の事業だ。

町村で事業に取り組んでいる場合、領主がその事業の役職に就く。

その結果領主にも給与の支給がある。


兎にも角にも何にどのくらい必要か?

事業は起こせるか検討が必要である。

全体の把握は多変だ。


難しい。。。

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