35 花見
少し書き方を変えてみました。
さあ、花・・・おほん、公園での市民の楽しむ様子の視察だ。
仕事だから。
花見も楽しいけど仕事だから。
着いた。
水辺にたくさんの桜が。
公園になっている。
千鳥ヶ淵みたい。
あのお堀より少し川幅が狭いかな?
水面の花びらも趣がある。
姿を変える模様がいいね。
おお、しっかり市民が集まっている。
屋台もたくさん出ている。
桜の経済効果は素晴らしい。
花見席はしっかり整備されているのね。
来た順番に係の人が案内している。
人数にあった広さの場所に。
警備の衛士と騎士の皆さんも整理誘導を手伝って混乱の内容に配慮。
素晴らしいシステムだね。
え、ナリタ公爵家が仕切っているわけ。
ここのルールも。
流石、ナリタ公爵家。
貴族も平民も関係なく順番に。
いいね、楽しむときは一緒だよ。
あ、私たちの番。
誘導ありがとうございます。
警備ご苦労様。
はい、通路を失礼。
賢者様お会いできてうれしいって、ばれていますね。
お忍びでもないし。
みんな知っているって。
はい、ありがとうございます。
ちょっと恥ずかしいな。
私たちは従者も含めて12人だからあそこですか。
はい、誘導ありがとう。
コップもいきわたったかな?
では、
「皆さんご苦労様。乾杯!」
あ、麦茶で乾杯です。
視察中だから。
串焼きがおいしいね。
あ、お隣さんよろしく。
え、家で作った卵焼きですか。
頂けると?
賢者様に食べていただければ卵も本望ですって。
いや、うれしいね、折角ですから頂きます。
美味しくできていますね。
料理の上手な奥さんでご主人幸せですね。
照れない照れない。
賢者様も美しい奥様方とよい家庭をって、はいがんばります。
ありがとうございます。
気持ちの良い市民だね。
いい交流ができた。
楽しい花見だね。
王都の政治がいいのかな。
ミオさんが嬉しそうだ。
おや、あちらが騒がしいね。
賢者タカシの一行から少し離れたところで、もめ事が起きていた。
貴族も平民の関係なく花見を行う席なのに。
「我々はこんなに狭い席なのか、トン男爵家をなめているのか」
「いえ、8名様の席はここでございます」
「周りは平民がいるではないか」
「貴族の方々も平民も一緒に楽しむのがこの花見のルールです」
「この私がトン男爵家次期当主マクトと知っての言いようか。私がルールだ、周囲の平民を追い出せ」
「そんなわけにはいきません」
「えい、不敬罪だ。成敗してくれる」
あ~、嫌な貴族だ、迷惑な奴。
そんなので不敬罪になるか!
これだから貴族は・・・
って私も貴族だったよ。
しょうもない。
貴族としての仕事だね。
止めに入るか。
ミオさんとリサさん伴って騒ぎの方に行った。
「皆さんが楽しんでいる席ですから穏便にしませんか?」
そうしないとあんた後で大変な目のあうよ。
「なんだと、誰だ、失礼な奴だ。不敬罪にしてやる」
あ、賢者を知らないのね。
ここにいるほとんどの平民が知っているのに。
あ、興味ない、自分の楽しみ以外は。
そうですか。
皆さんあきれていますよ。
従者が連れの女性が震えている。
私が名乗ると大事になるからと思ったのに。
案内係の人もあきれている。
あれ、男爵の馬鹿息子がミオさんとリサさんの方を見ていやらしいく笑っているよ。
「いい女を連れているではないか。その二人を置いていけば不敬罪を許してやろう」
ミオさんの方に手を伸ばしてきた。
あ、男爵の馬鹿息子の従者が青くなっている。
青くなる前に止めろよ。
あ、いつも言うことを聞かないのね。
でもこいつ、いくら我々が視察のために動きやすい質素な服装をしているからといって王女殿下と公爵令嬢を知らないのかね?
ま、ミオさんに触らせるわけにいかないから止めたよ。
「きさま~」
剣を抜いてきた。
あちゃぁ、やっちゃった。
公爵当主に刃物を向けた。
はい正当防衛成立。
私の護衛が動こうとしたけど婚約者に手を出すと私が許さないよ。
障壁で剣を弾いて、拘束。
3秒クッキング。
縄を出して、縛り上げる。
縄に新しい縛り上げの魔法を付与してあるよ。
変な趣味ではないからね。
この縛り方、動くと締め上げられるんだけど。
何か喚いているよ。
「平民の分際で男爵家に逆らいおって」
従者が3人倒れた。
だから止めろよ。
「私が名乗るとそちらが困ると思ったんだけど。私は賢者タカシ=タケハヤ公爵ですよ。はい、これが公爵のメダル。それから、こちらの二人の女性は私の婚約者ミオ=ムサシノ王女とリサ=ナリタ公爵令嬢です。あ、ここのルールはナリタ家がつくり、王家が認めたものですよ。それに文句があるのですか」
青くなっているよ。
あ、股間が・・・・
汚いな。
公爵に剣を向けたのだから牢屋行きだな。
名乗る前だけど。
衛士の皆さん大変だけどよろしく。
あ、様子を見ていた皆さんから拍手が上がった。
流石、賢者様って。
これで気持ちよく酒が飲めるって。
いや、どうもどうも。
楽しんでいただいて何よりです。
さて、うちらのスペースに戻るか。
あれ、人数が増えている。
ニマニマ笑っているおっさんが二人。
ここのルールを作った国王陛下とナリタ公爵だ。
よくトラブルに巻き込まれるよねって。
はい、自覚はあります。
それより見て楽しんでいたよね。
もう、視察はおしまいだから酒を飲めって。
はい、お付き合いしますよ、お義父さん。
はい、それでは皆さんも一緒に、
「「「「「かんぱ~い!」」」」」
落語のようなノリで書いてしまいました。
酒は楽しく、飲んだら乗るな!
タカシは明日から出張ですよね。




