33 タケハヤ公爵領
領地確認!
内政スタート!
国王陛下の執務室には国王陛下・宰相キュール侯爵・ヒカワ公爵・カタクラ公爵・ナリタ公爵と並んでいる。
そこにタカシがミオさん・ルンさん・コンさん・リサさんを伴って訪れた。
領地の説明を受けるためである。
まず領地の範囲だ。
今回の領地にはタカオ町・カタクラ村・ヒカワ村に加えて、後から他の自治領と同じ扱いでタケハヤ公爵領に入ることを希望したヤリミズ村。
それに加えてタカオ町を中心に考えると南はサガ町、北に行くとヒカワ村とカタクラ村の間にあるハチ村とアキ町、ヒカワ村と王都の間にあるハ町、西に行ってツキ町とイサ町までが入る。公爵領の東は王都までほぼ王国直轄領である。
その中で公爵領に最も近い大きい町はタカオ町と王都を結ぶ街道沿いにあるシラベ町だ。
イサ町の西にはカラン国がある。
カラン国側に交易都市コウはある。
サガ町の南がカタクラ公爵領、ハ町の北側からヒカワ村の北西側はヒカワ公爵領になる。
地図を示してくれた。
実際はタカオ町から西のツキ町・イサ町、南のサガ町はもっと距離があるとのこと。
タカオ町からイサ町にはタカオ町から王都に行くより時間がかかる。
距離が同じぐらいだが峠越えが2回ある。
(縮尺が適当だな)
これは概略だといわれた。
担当の魔術師が縮尺の異なる地図を魔法で繋げたらしい。
領地の正確な地図は別途用意される。
境界はその時に詳しくわかる。
尾根や川や道が境界になっているところが多い。
尾根や川や道がのないような場所-例えば草原や荒れ地・森林に直線の境界を引くときには魔法のかかった境界石が設置される。
境界石と境界石が結ぶ直線が境界になる。
これによって直線の境界を決定している。
尾根や川や道の場合そこが境界だとわかるようにする専用の境界石が設置され、尾根や川や道に魔法の処置が施されている。
すべてに境界が魔法で管理されている。
呪文と魔道具によって境界線が浮かび上がってくる。
個人・団体・組織が使用しているそれぞれの敷地の境界も同様である。
境界線争いが起こらないようになっている。
土地は王国のものでそれを領地として貴族や自治領組織が管理している。
国民や商店や業者などには土地が貸与されている。
毎年、税金という形で土地の代金が領主に納入される。
場所によるが金額は小さい。
むしろ土地の使用権利を得るときにお金がかかる。
ただ、その金額は場所によって異なり、場所によってはただのような場所もある。
権利の売買を代行する領主に認めらえた専門業者がいる。
(不動産屋だな)
公爵領としてその範囲の管理を助けるのが公爵の剣である。
今回は自治領が取り入れられたため、境界の統合などで少し時間がかかるらしい。
専門の魔術師は忙しいことだろう。
申し訳ない。
次いでおよその各町村の人口と主要産業も確認する。
「タカオ町の非居住者は学生ですか」
「ほとんどは学生じゃ。他の地域は商人だな。支店を置いて従業員を派遣している。店自体には税金がかけられる、非居住者は町での収入には税金がかけられるが、他の街に住民税を支払っていれば住民税はかけられん」
「食料自給率は?」
「ほぼ100%だ」
なかなかいい。
「海が遠いのが難点ですかね」
「産業の発達には陸送や水運の効率化が大事だろうな」
やはりそうか。
「ところで公都はどうする?初めはタカオ町に置くとしても半自治領に置くのは他の町村の反発が出るだろう」
「そうですね。新しい公都を作った方がいいでしょうか?」
場所はハチ村とカタクラ村を結ぶ街道とタカオ町から王都に至る街道が交わる地点になった。
行政都市という感じか。
「まずは正確な住民と非居住者の把握、交通機関整備、医療の充実、教育の充実、産業の育成、治安維持ですかね」
年齢別の人口分布の把握も必要だ。
後、各家庭の収入や生活状態。
しっかり生活できる収入があるのか?
福祉もどうなっているのだろう?
うん~。
まずは情報収集だけど、やるべきことが多い。
領地内の視察か。
焦らずに婚約者に協力してもらってやっていくか。
王都から派遣してもらう役場の職員、内政官・衛士・騎士についても話し合った。
兎にも角にも初めは大変だ。
明日はこの続き、税と予算について話し合う。
あれ、明日は地球で出張だけど。
「出張先を変更します」
リサさんが言ってきて佐藤セルさんに連絡をしている。
午後からは王都の視察だ。
内政って難しい。
視察をしてから内政の続きかな。




