表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
不思議なパン  作者: TKSZ
29/258

29、宴

宴会にはトラブルがつきものです

宴になった。


謁見の間にいなかった貴族や各国の使節の家族も参加している。


壇上で改めて紹介され、改めて挨拶をした。

中には私の公爵叙爵を快く思わない者や婚約を嫉妬している者もいるようだ。

その様な視線が痛い。

まあ、美女4人を迎える授業料か。


参加者が順番に国王陛下とタカシのところに挨拶に来る。

中には自分の娘を売り込みにきたり、息子を家臣にというものもいる。

適当にあしらうがしつこい者は必ずいるものだ。



カラン国のケルン第一王子も挨拶にきてくれた。


「賢者タカシ=タケハヤ公爵様、公爵就任そしてご婚約おめでとうございます」

「ありがとうございます」


王族から様扱い?

賢者だから?


「タカオ町ではガガがご迷惑をおかけしました。タカシ様のこれからのご活躍を期待しております。あ、弟と妹もタカオ町でお世話になりますからよろしくお願いします。二人ともよい子ですから」

「わかりました」


ケルン王子は上品な女性を伴っていた。

奥様?

でも似ているな。


「そちらは?」

「はい、昨年タカオ町で博物学の学校を卒業した妹のカレンです。」

「カレン=カランと申します。賢者様お見知りおきを」

「こちらこそ」

「カレンは学者肌で今はタケ=カタクラ公爵に師事しております」

「もっと賢者様との出会いが早かったら、タケハヤ公爵様に師事していたかもしれませんわ」

「おいおい、カレン君、浮気なんてひどいじゃないか」

「貴方、皆様に変に聞こえますよ」


カタクラ公爵が夫人を伴って近づいて来た。


「いや、弟子の中では優秀なカレン君を手放さないよ。料理の腕もよくお前もお気に入りだろ」

「そうね、コンより料理はうまいわね」

「母上、タカシさんの前で料理が下手という誤解を招く発言はしないでください」


大丈夫、コンさんの料理も美味しいよ。


「はははは、タカシ君、機会があったらカレン君も交えていろいろ博物学について話をしてみないか」

「はい、よろしくお願いします」


「後ろも詰まっているようなのでまたお会いしましょう」

「はい、ケルン王子」



挨拶が終わり、ダンスが始まろうという頃、一人の男が乱暴に扉を開け入って来た。

後ろから従者が制止しようとしている。

男は酔っているようだ。


「ココ王国クレ第二王子ですね。謁見の場にはいませんでした。謁見の場にはココ王国宰相が使節団としておりました。国では問題児の様です」


ミオさんが教えてくれた。

クレ王子は叫びだした。


「賢者謁見など見たくないから酒を飲んで宴を待っていたのにいつまでも呼びに来ないとはなんじゃ。ここはエルフや獣人の臭いがしていやになる。全くとんでもない国だな」


宴の参加者が顔をを顰める。

おい、ココ王国の宰相が青くなっているよ。


クレ王子はふらふらとこちらに歩いて来た。


「おう、リサ、お前はいつもきれいだな。俺が嫁にもらってやるよ」


タカシの婚約者リサ=ナリタ公爵令嬢に声をかけ、抱きつこうとする。

こいつ酒を飲んでリサが婚約したのを知らないんだ。

ココ王国の宰相は倒れそうだよ。

従者が王子を止めよとしている。

あ、従者が殴られた。


「私は賢者タカシ=タケハヤ公爵の婚約者リサ=ナリタだが、婚約者がいる者に嫁になれと声をかけるとはいい度胸だな」


リサさんいい啖呵だ。


「なに、婚約者だと聞いていないぞ」


お前がいるべき席にいなかったのだろ。

あ、ココ王国宰相がついに倒れた。


「婚約者ってどいつだ」


賢者の婚約者って言っただろう。

ここは何の場だと思っている?


「タカシ君、懲らしめていいよ」


タロウさん何言ってるの。

あ、国王陛下も頷いているよ。

しょうがないなあ~。


「私がリサ=ナリタの婚約者、賢者タカシ=タケハヤ公爵です。少し、場と立場をわきまえて方がよろしいのでは」

「うるさい、てめー殺す。決闘だ」


あ、この王子、こんな場所で殺人宣言したよ。

それもムサシノ王国の王女と三公爵家令嬢の婚約者に向けて。

決闘だと言ったくせにいきなり短剣を抜いてきた。

この宴、短剣は持ち込めるんだ。

障壁で簡単にあしらう。


うん~どうしよう?

婚約者にちょっかいを出されて軽く頭にきている。

それも幼馴染に。

また突っ込んできた。

よし、こうしよう。


まず、障壁で抑え込む。

収納から素材を出して手錠を作って、右手と左足を背中の方で繋げる。

こいつ体硬いな。

えい、一気に。

さらに左手と右足を背中の方で繋げて首輪をつくってリードを股下から背中側の左手に繋ぐ。

こんなもんか。

暴れる者を拘束しただけだよ。

変な趣味ではないよ。


「タカシさん、優しいのね」

「タカシ君いいね」

「タカシ様なかなかです。グーです」


いろいろな評価が出ました。

対人では傷つけないよ。

衛士が王子を連行していく。

手錠のカギを渡しておいたよ。

ココ王国の宰相も医務室へ運ばれた。

リサさんに抱きつこうとした王子を止めようとして王子に殴られた従者さんは治療してあげたよ。

感謝された。


「タカシ=タケハヤ公爵、また活躍だな」


国王陛下がにこにこしてやって来た。


「すみません」

「いや、君が謝ることではないよ。ココ王国とのことはこちらに任せなさい。しかし、婚約者のことになるとやるねえ~。これはいいことだよ。さあ、次はダンスで活躍してくれ」


そのあとのダンスは苦戦しました。

婚約者と妹たち、カレンさんや各貴族令嬢のお相手をさせていただきました。

疲れた。

あ、あまり食べていない。


酔っぱらいの扱いは大変ですよね

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ