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不思議なパン  作者: TKSZ
27/258

27 再度の襲撃

心配が・・・・

騒ぎを収めるのに王宮の幹部は手を焼いた。

王位継承順位1位から4位までが一人の人物の下に嫁ぐというのだから。

さらに本人も公爵として王位継承候補に入ってくるのは確実である。

公爵家が増えたことで、各公爵家と王族から王位継承者の候補を出し直して、議会で順位をつけなくてはならない。


面倒なことが起きなければよいのだが。

宰相のキュール侯爵は不安を感じた。


謁見と公爵叙爵が終了した。

一般国民への賢者&新公爵の発表とお披露目のために王宮のテラスにタカシ達は移動している。

国民・市民が王宮に容易に入ってこれる場所。

悪意を持ったものも入ってくる可能性はある。

警備が手薄になりやすい。

警戒が必要だ。


国王から国民への発表が行われると歓声が上がった。

噂で賢者が遣わされたことは知られていたが、王女たちの婚約は驚きをもって迎えられた。


「賢者様万歳」

「王女様万歳」

「ムサシノ王国万歳」


テラスを臨む広場から喜びと祝福の歓声が沸き上がる。


一方でタカシはおかしな雰囲気を感じていた。

気配察知が違和感を捉える。

この場所は結界の魔法道具で守られているのだが。


気配察知で感じたものはタマ川の橋で襲撃の後に感じたものと同じだ。

いるな。

目を凝らして広場を見る。

そして見つけた。

門に近い辺りにフードを被った男を。

おそらくタマ川で茂みから攻撃してきた男だ。

今回は男を鑑定した。

やはり魔術師だ。

魔術の発動の準備を始めている。

こちらに向かって魔術を放っても結界によって阻止できるだろう。

しかし集まっている国民・市民たちは無事に済むか?

巻き込まれる。

この人数の群衆はまずいよな。

パニックによる混乱。

弱い者が逃げる群衆に巻き込まれる。

危険だ。


ここからあそこまで拘束結界を飛ばせるか?

やるしかない。

ならば。。。。。


結界を細い筒のような形に編んで魔術師の男のところまで伸ばす。

うまくいった。

まだ気が付いていないな。

男は首を傾げたが発動の準備を続ける。

その一瞬が運命を決めた。

筒を通して魔法を飛ばす。

男の周りに結界ができる。

男を守るのでなく魔法が外に出ないようにする結界が。

結界は男が発動させた魔法をそのまま無効化した。

そして筒を通して拘束魔法を送り込む。

広場にいた衛士が男に気が付いて取り押さえる。

テラスにいた近衛衛士隊長が指示を出す。

ほとんどの群衆は事件に気が付いていない。

ここで逃げ惑うのは最も危険だったが何事もなく終わった。


「うまく鎮圧できましたね」

「どうなるかハラハラしていましたが」

「どうやってあそこまで魔法を飛ばしたのですか?」

「どのようにして無力化したのですか?」


魔法で無力化したのはわかったけど細かいことは4人にもわからなかったようだ。


控室に戻り王宮の人たちや4人に何をしたか伝える。


結界を筒状に使ったことに驚かれる。


「また活躍だね」


国王陛下に褒めらた。


近衛衛士隊によって調べられるだろう。

我々への襲撃が分かるといいのだが。。。


しかし、もっと効率的に遠くの敵を拘束したり相手を無力化する魔法が必要だ。


群衆がパニックを起こすのが怖い。

研究課題だろう。

あまりのんびりとはいかないな。


その時、連絡の近衛衛士が駆け込んできた。

国王陛下に何か連絡をしている。

国王陛下は渋い顔になった。

何だろう?


国王陛下に呼ばれた。


「男は歯に埋め込んだ毒で死んだよ」

「手掛かりは?」

「ほとんどないようだ」


やられた。

衛士が調査している。

少しは何か判ればよいのだが。。


「そういえば盗賊の方はどうですか」

「こちらも肝心なところの記憶がないようだ。何かのきっかけによって記憶の一部に介入する魔法が仕込まれていたようだ。黒幕が見えてこない」


タマ川でも魔術師による攻撃がトリガーか?

精神魔法の一種か?

嫌なものを感じる。


標的は誰か?

ミオさんか?

ルンさんか?

コンさんか?

私か?

リサさんはタマ川にはいなかった。


そもそもタマ川と王宮では標的が違うのか?


目的は何か?

タマ川は暗殺。

それによって得られる彼らのメリットは。

王宮では混乱と王家へ批判を集めることか。

ムサシノ王国の権威の失墜?

王宮の権威の失墜?

どちらだ?


タマ川と王宮と共通するものは?

その前に起きたトラブルとの関連性は?

情報が足りない。。。

ピースが足りなすぎる。

私が賢者として遣わされたのと関係しているのか。

それもこの時期。

何か隠されているのか?

国王は知っているのか。

神様は?


全くわからない。

進展しない。


狙う本当の理由は?


絡んだ糸は解れることがなかった。


情報を収集して後でじっくり考えるしかない。

ここはぼんやりと考えている場合ではないだろう。

下手な考え休むに似たり。。。。

ここで考え込んでしまうのは危険だ。

前に進めていくしかない。

最大限の警戒をもって。


情報を集める仲間が必要だな。。。。


大袈裟にすると混乱を招くのでこのまま行事を進めていくことになった。


宰相さんフラグを立てるな!

すっきりしない展開です。

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