248、鉄道網(1)
鉄道の話になります
AGTの敷設はタケハヤ公爵領では徐々に進んでいる。
ムサシノ王国内の敷設も同様だ。
ただ、問題としてこれからより一層路線が拡大すれば線路を覆うカバーの生産が追い付かない。
このカバーは魔物や人の線路内侵入を阻止するのに必要なものだ。
また、線路を守る結界の魔法もこのカバーがないとこれだけの距離になると難しい。
そこでカバーがなくても構築できる結界用の魔道具を開発中だ。
「で、どうだったかな?」
「ええ、うまくいっています」
今までドーム状の結界を覆いに沿って構築していたが柱を立ててその柱を結ぶように結界の壁を造る方法を試している。
この場合、柱に損傷を与えられた時の対策として柱自体の強化と柱を内側と外側の2本を交互に設置して結界がすぐに破壊できないようにする。
そして途中の柱が1本失われてもすぐに残りの柱で結界を再構築しその間に柱の修復とオートマタ対応部隊の派遣を転移で行う。
そのようなシステムを作っている。
何とかうまくできそうだ。
研究所の皆さんに感謝だね。
現在、直線なら柱の間隔を2kmまで開けられる。
柱自体を魔法で構築する方法も研究中だ。
そうなれば土台に柱を作る魔道具を埋め込めばよい。
ただ、この方法での天井部分の結界の構築が不安定で研究中だ。
私は次の研究部門に進んだ。
線路を造っていく鉄道敷設ロボットだ。
それも盛り土部分、高架部分、トンネル部分、橋梁部分のすべてに対応できる建設ロボットだ。
あらかじめ建設予定地に測量機能の持つロボット使って専用の杭を設置すれば後は昼夜関係なく工事を行ってくれる。
専用の杭を設置するとそこには結界が張れて、侵入者を防ぐことができる。
このように効率的に工事をおこなうための道具を開発している。
ムサシノ王国内の路線設置の続き、他国への鉄道敷設も計画が進んでいる。
長距離路線ができればより快適な車両も開発しなければならない。
寝台車も含めて研究を進めている。
イチゲとタカオ間で新型車両の走行実験や試乗も行い、さらに良い車両を造れるようにみんなが努力してくれている。
国際路線に関してはルート等の検討のために近いうちに国際会議を開催することも決まった。
場所は王都チヨダということになった。
どのルートで敷設するか等の合同の検討会となる。
またここでは国境通過をどのような形にするかということも検討することになっている。
会議の日程の調整と迎えの飛行船の手配、資料の作成と忙しい日々が続きそうだ。
お読みいただきありがとうございます。
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「悪魔退治は異世界で」と「漆黒の塔の隠者」もよろしくお願いします。




