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不思議なパン  作者: TKSZ
25/258

25 夕食会

いろいろわかってきました。

「まあ、話はゆっくりと。これから時間はたっぷりとある」


国王陛下が着席を促した。


「そうですね。後で私のデートの誘いを断ってこちらでこんなことをしている言い訳も聞きたいと思います」


それはないよね。

陰謀だ。

罠だ。

それに一緒にいるし。

わかっていたよね。

リサさんの計画通りだよね。

台本通りですか!


「リサさんはこちらと地球の両方でタカシさんと関われるのですからいいではないですか。本来反則級ですよ」


内情を知っているとはいえ冗談がきつくなってきたのでコンさんが助け舟を出してくれた。


それぞれが席に着き、まずは食事を楽しむのだが。。。

驚きのせいか食が進まない。

昼食がお菓子しか食べていなかったのに。


「昼食はバランスよく食べていなかったのですからしっかり食べてくださいね」


ミオさんに指摘された。

もう、正妻のごとくの振る舞いか。

国王陛下もにこにこと笑っている。


「あら、いつの間にか仲が良くなっているのね。幼馴染を差し置いて」


「私の地位・・・・大丈夫かな」


ルンさんから負のオーラが・・・・


「タカシさんは優しいから妻全員を等しく扱ってくれますよ」


コンさんからフォローが入る。


その後もお互いに冗談を言い、突っ込みを出し、フォロー入れながら和やかに夕食会が進んだ。

4人は仲が良いようだ。

よかった。

安心したよ。

家庭不和は嫌だからね。

夫人の間のどろどろとした愛憎劇なんて物語の中だけで結構。

結構毛だらけ猫灰だらけ。

妻一人だったら私が悪くなくとも「ごめんなさい」と土下座で謝って丸く収めるのだけど。

大丈夫そうだ。

おそらく私が家族の中で最弱の存在になりそうだよ。


デザートも終わりお茶を飲みながら改めて各公爵の家族が紹介された。


タロウ=ナリタ公爵 地球では鈴木太郎さん。

知っているよ。

幼馴染のお父さんだもね。

いろいろな困難があった私を陰で助けてくれた人だ。

忙しい中、リサさんと私をハイキングにも連れて行ってくれた。


リカ=ナリタ公爵夫人 地球では鈴木リカさん。

幼い時よく面倒を見てくれた。


リサさんは一人っ子だよね。


ナリタなのに鈴木?


何代か前が日本に多い苗字を手に入れたようだよ。

明治初期の頃か。

ナリタ家の三人は地球生まれではない。

こちらの世界『アスカ』のムサシノ王国生まれだ。

だから、ここでは『異邦人』ではない。

祖先は異邦人だが。

地球のある世界-彼らはそこを『オリジン』と呼んでいるけど-では彼らは『異邦人』なのだ。


異邦人の子孫は魔法道具で『アスカ』と『オリジン』を往復できる。

携えることのできる者にはかなり制限がある。

デジカメや携帯電話程度も持ってこれない。

タカシの何でも持ち込んでこれるのは規格外だということだ。

だからタカシは王家の始祖と同じ賢者なのだと。

ソメイヨシノはナリタ家の祖先の一人が奇跡的に苗を持ってこれたということだ。

甘味や調味料なら見本ぐらいは運べた。

それをもとにナリタ家では色々と開発している。


「絵姿って」

「証明写真サイズなら運べました」


リサさんがアルバムを出してきた。

今までいろいろな所で撮った私の写真が貼ってあった。

幼いころからの。

学校や職場に提出した証明写真だよねこれ。。

はあ~


「ミオさんやルンさんやコンさんはオリジンに行けないのですか?」

「行けないことはないのですが、あまり向こうの世界は体質に合いません。それから隠蔽も行わないといけませんし、服以外は運べません」


確かにエルフやドワーフや獣人が現れたら大騒ぎになる。


「一度行ったことがありますが、リサさんの持つ別荘。山奥のお屋敷でした。体調が悪くなって帰ってきました」



ルンさんの父親はマイク=ヒカワ公爵。

母親はルネ=ヒカワ公爵夫人。

二人ともドワーフ族。

少し背が低い。

父親は横にがっしりしており立派な髭だ。

父親も母親も優秀な技術者であるということ。


「タカシさんの賢者としての才能に期待しているよ。新しい技術を伝えてくれ」

「努力します」

「いや、婿殿は謙虚でいい」



コンさんの父親はタケ=カタクラ公爵。

母親はアン=カタクラ公爵夫人。

二人とも狐の獣人。

妹のサヤ=カタクラさん。

父親は博物学者として有名、料理研究家として知られている。


「タカシさんは料理が得意なようですから楽しみだわ」


紹介が終わり、夕食会はお開きということで。


「今日は疲れているだろうからゆっくりしてくれ。明日のことは明日の朝、簡単に打ち合わせをすればいい」


自室に移動しようとしたらナリタ公爵に呼び止められた。


「た~君、久しぶりにおじさんと温泉に行くかい?」

「ここにも温泉があるのですか」


鈴木家の別荘の温泉にはリサのお父さんとよく行ったな。


「王都には公爵邸にしかないよ。少し離れればあるけど。タカシ君の技術なら王都でも温泉を掘れると思うよ」


温泉の位置が深いということか。

おそらくガス抜きもしっかりと行わないとな。

折角だから王都温泉チヨダ湯に呼ばれました。

単純アルカリ泉でした。

ぐっすり休めるな。

いい夢を見れそうだ。


温泉に行きたい!

次は公式行事。

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