244、ヒハ国(7)
脱水状態になってしまいました。
従者は「異世界の亜神」だった。
そしてその指には「傀儡の指輪操者」が嵌っていた。
指輪を解析した。
操られている「人形」は2体。
国王ともう一人はどこだ。
まだ気配はない。
観客席にいる念話を飛ばせる相手はクレナイさんソウさんトウさん。
観客席にいるかもしれない人形に注意してもらう。
アスカ神様にこの会場での使用を許可をしてもらった魔法は時間魔法と転移魔法だ。
この二種類の魔法を連続使用をすることになるだろう。
私とミドリさんの時間と周囲の時間を非同調状態にする。
この世界の1秒が私たちの1200秒となり私たちの行動が加速状態になる。
試合開始だ。
試合開始と同時に転移魔法を使って実王と王族とその従者を一か所に集め、三重の強力な結界で彼らを保護する。
ミドリさんには彼らの護衛をお願いした。
そして時間魔法で加速状態に入ると国王とその従者の前に転移した。
しかし、従者も加速してきた。
私より少し遅いか。
国王が実王の方へ向かった。
あちらはミドリさんに任せるか。
今私が対峙しているのは亜神、普通の方法では倒せない。
しかし倒せないわけではない。
私も神の力を全身に纏う。
使いたくない力だが仕方がない。
これでより亜神に近づいてしまうらしい。
私の纏った神の力と亜神の力がぶつかる。
神力同士のぶつかり合いという訳だ。
どんどんと自分の力が消耗していくのが判る。
このままではじり貧だ。
観客席を保護している結界も揺らぎだしてきた。
結界を再構築したいがその余裕もない。
そんな時、観客席に「傀儡の指輪人形」の気配を感じた。
クレナイさんの近くだ。
念話を送る。
そしてクレナイさんを加速させた。
クレナイさんが人形となった男と戦い始めたのが気配探知で判った。
人形となった男は強かった。
クレナイさんが苦戦している。
さらに魔法道具が観客席に現れた。
いや正確には『狂乱のネックレス』を着用した騎士と『殺戮の長剣』を抜き身で持った騎士が転移してきた。
この二人にはソウさんとトウさんがセルさんの部下とともに対応する。
観客が逃げ始め、観客席が大混乱の状態になった。
転倒した人を乗り越えて進む人や折り重なって倒れる人が出ているが彼らを助ける余裕がない。
観客席の混乱がさらに酷くなる。
怪我人が出始めたのがわかった。
このままでは死者が出るのも時間の問題だ。
私は亜神相手に膠着状態だ。
ただ時間だけが過ぎていく。
こちらの皆の消耗も酷くなってきている。
そして時間がかかればかかるほどこちらには不利になってくる。
手詰まりだ。
さてどうしたらいい。
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