240、ヒハ国(3)
夏バテです。
ヒハ国の実王らに前回の国王を決める魔術武術大会について教えたもらった内容はこうだった。
前回までは実王が国王をしていた。
国王が大会の内容を決めるのが慣例になっていたらしい。
前回の大会は代理人がトーナメント方式で戦った。
そして、現在の国王の代理人が圧倒的な強さを見せ、頂点に立った。
相手を殺した場合は失格になるので現国王の代理人は相手を殺すことなく大会が終わった。
現国王の代理人は魔法剣士だった。
相手の結界も簡単に破壊し、近づいて剣で倒す。
俊足の持ち主で現在、国王の近衛隊長を務めている。
そしてこの男に負けた者たちはその場では戦闘不能になっても死ぬことはなかったのだが、1月後全員が原因不明の病気で急死してしまった。
呪いも疑われたがわからなかったらしい。
領都イチゲに戻った後、そのことを婚約者らに話している。
「どんな戦い方なのかしら」
「主に剣、魔法は魔力弾と結界。兎に角速かったらしい」
「対戦相手が死んだのは剣が怪しいわね。呪いの剣とか、何かの薬が塗ってあったとか」
「戦う前と後で鑑定をしており、問題が無かったらしい。魔力弾と結界も鑑定士が観戦しており問題がなかったらしい」
「それじゃあ原因不明ね。わからないわね」
「おそらく隠蔽を行っているのだろう。かなり強力な」
「厄介ね。実王と7人の王族は従者を決めているの」
「決まってはいるらしいのだが戦力としてはどうかな」
「そうなの。タカシさんはミスルが従者?」
「この戦いだけを考えればそれが賢明だと思う。実王と7人の王族を守ってやらないといけないからね。ただし、そうするとみんなの方やその他の地域が不安になる。まだ例の魔法道具の件があるからね。ここはクレナイさんかミドリさんに魔法道具を装備して出てもらおうと思う」
「魔法道具を制限するという規定がないものね」
「そうだよ。実王と王族、そして従者にも防御系の魔法道具を装備してもらう予定だ」
「タカシさんの魔法道具なら人間からの攻撃に対しては安心ね」
「いや、何が起こるかはわからない。注意は必要だよ。この後神様たちと少し相談してみるよ」
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