239、ヒハ国(2)
暑さで体調不良です。
ヒハ神様と会った後、婚約者や領都イチゲにいる関係者に事情を説明したが、全員から心配された。
ただでさえ魔法道具の件で警戒しなくてはならないのに余計なことに構ってよいのかということだ。
しかし、この件にはかかわらくてはいけないと感じる。
それが神に遣いとしての使命だとも思う。
そして訪問当日、ミスルとクレナイさんを伴なってヒハ国の王都にあるヒハ神様の社に転移した。
そこには予想に反して実王、国王、そして王位継承の権利のある王族全員が集まっていた。
簡単な挨拶と魔法道具に関する協力に対する礼を述べた。
そろそろ厄介な話が出てきそうだ。
国王から質問があった。
「賢者タカシ様はヒハ神様の加護か祝福を持っていらっしゃるのですよね」
「はい、ヒハ神様の加護をいただいております」
「やはり持っていらっしゃるのですか。この加護を持つということがどういう意味があるかはご存知でしょうか」
「ヒハ神様から簡単に説明がありました」
「そうですか、10日後に魔術武術大会がありますのでご用意ください。今回は実王、国王、王族が一人の従者を連て参加することになります。当日朝9時までにこの社の前においでください。お待ちしております。こちらが詳細になります。他になければ会談は終了でよろしいでしょうか」
「ええ、大丈夫です」
「では賢者様、私は失礼します。国王ともなると忙しいので」
そう言って国王が去って行った。
残ったのは実王と7人の王族だ。
私もヒハ神様の加護を持ち、王族に数えられるので8人の王族になるのか。
そして参加者が従者と共に戦うバトルロイヤルだった。
リタイヤの条件は本人も従者も戦闘不能になった時となっている。
「賢者様。お助けください。国王は私たちを亡き者にしようと考えています」
「そのための本人と従者で参加するバトルロイヤルですか」
「はい、その通りです。いままでの魔術武術大会では相手を殺さないと規定がありましたが今回はありません。こちらを殺そうと考えているのでしょう」
「わかりました。協力しましょう。それには国王とその従者について知りたいのですが。そして皆さんの事も」
「わかりました。お話ししましょう」
その後3時間ぐらい議論してから領都イチゲに戻った。
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