238、ヒハ国(1)
ヒハ国にはミスルとクレナイさんが同行する。
ヒハ神様に訪問前日に会い国内の状況を訊くことができた。
「ヒハ神様、よろしくお願いいたします」
「こちらこそすまんな」
「ヒハ国の王位継承権ですが」
「ああ、やはりその件は重要だろうな。このシステムはヒハ国成立の時の神が決めたのだが、実力主義ということだよ。戦って勝ったものが王位に就く。ただし戦うのは部下でも依頼を受けたものでもよい。優秀な駒を持つことも実力と考えられている。王位の決定には2つある。1つは実王が亡くなるか自分から実王が退位した時に行われるものだ。重い犯罪さえ行っていなければ出られる王位継承の魔術武術大会の優勝者が王になるというものだ。この王を実王という。実王は6人以上10名以下の王族を決める。3年に1度、実王と最大数10名の王族が魔術武術大会で競い優勝者が次の王となるになる。実王が亡くなるまではこの方法で王を決めるというものだ。そして間もなく3年に1度の魔術武術大会が開かれる。現在の王は実王ではない。あまり褒められた性格ではない人物だ。一部の貴族に操られている。実王ならばもっとヒハ国も安定するのだがな」
「私が会談を行うのは王ですよね」
「いや、王と実王それぞれと会談を行うことになるであろう」
「そうですか。いやな予感がするのですが」
「そうだな、実王と王族はヒハ神の加護か祝福を持っている。正確に言えばヒハ神の加護を持っている者全員と王族と認められた者で王位を争う。これが王を選ぶということの真実だ。つまりタカシ、君も王族に該当することになる」
「私にこの大会に出ろと言うのですか」
「そこはヒハ国の実王が相談しに来るであろう」
その後、ヒハ国の経済状況や貴族の派閥などを聞いた。
少し厄介なヒハ国訪問になりそうだ。
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