237、陽動(4)
飛行船ごと領都イチゲに転移した後、アスカ神様の社に赴いた。
社には私と面識のある神様たちと初めて会う神様が集まっていた。
初めて会った神様はこの世界のそれぞれの国の神様でそれぞれの国の王都や首都に社がある。
それぞれの国の社や神殿にその国の神様に連れられて転移を行い、いつでも私が各国へ転移できるようにした。
さらにそれぞれの国の神様から加護も頂いた。
これで各国の神様からの念話も可能になった。
そして、
「タカシ、申し訳ない。こちらには新たな情報が入っていない。この事件の目的もまったく見えない」
「そうですか」
「それぞれの神が自分の領域に目を光らせるしかないだろう」
「わかりました。よろしくお願いいたします」
「それで相談なのだが、危険な魔法道具があと3つあり見つかっていないことと賢者タカシがすべての国の神の加護を得てすべての国の王都や首都にあるその国の神の社や神殿にに転移できることを私からすべての国へ伝えようと思う。そしていざという時はタカシに協力するように要請しよう」
「わかりました。それがよいでしょう。すこし混乱が生じると思いますが」
「ああ、そして転移で訪問してくるように要請もあるだろう。行ってくれるかな」
「わかりました」
「タカシに大きな負担をかけて申し訳ない」
「大丈夫ですよ」
その日の夕方までに各国の社や神殿を通してアスカ神様から緊急の神託が降ろされた。
その後事情を知らなかった各国では多少の混乱が生じた。
一番大きいのは賢者タカシはいつでもそれぞれの国に入ってこれるということだろう。
ムサシノ王国の公爵である賢者タカシの機嫌を損ねることは恐ろしい事だという認識になったようだ。
各国の大使からは自国への訪問の要請があった。
訪問は転移で行い、社や神殿で会談を行えば緊急の場合に対処ができるということで順番に対応した。
2日に1回のペースで訪問したが魔法道具に関する情報はその後、10日経っても全く入ってこなかった。
緊張が続きそろそろ疲れたが、明日はヒハ国を訪れることになっている。
何かが起こるような予感がして仕方がないのだが。。。。。
お読みいただきありがとうございます




