232、ソウマ国(1)
事件が起きたのはソウマ国。
ムサシノ王国王都チヨダから800km真南にある南北150kmで東西40kmほどの島国だ。
ソウマ国のコオリ公爵から通信の魔法道具で連絡が入った。
王都から100km離れた町で落ちていた鏡を見た住民が死んでゾンビになっていると。
浄化の魔法で何とか倒しているが鏡が勝手に生きている人間のいるところに移動してさらにゾンビを増やしておりお手上げだということだ。
救援要請が来た。
コオリ公爵はソウマ国の使節として領都イチゲの開都式に来てくれた。
王都チヨダに転移して国王陛下に報告をした。
ちょうどナリタ公爵も情報を得て国王陛下に報告に行くところだった。
さらにソウマ国の大使館からも救援要請が届いたところだった。
全てのルートからの情報が一致した。
そして私は領都イチゲに転移してアスカ神様の社を訪ねた。
「鏡の魔法道具らしいものを見つかりました」
「私の方でも確認した。おそらく我々が探していた物であろう。タカシとミスルは大丈夫だけどそれ以外は戦うのがきついかもしれないな」
このような呪い的な魔法に耐性がなければこの鏡の封印はできないだろうということだ。
「耐呪の魔法道具もどのくらい効果があるか疑問だ。だけどタカシが付与していくつか作っておいた方がいい。呪いがかけられても時間が稼げるだろう」
「わかりました」
アスカ神様に魔法道具製作者の件を話す許可をもらう。
あまり広めないように気を付けるように言われたが関係部署で情報を共有する許可を得た。
王宮に戻り会議に出席する。
王国の重鎮が集まった会議だ。
その席で魔法道具の件について伝える。
そして救援要請に応えて私がソウマ国に行くことになった。
他には選択肢は考えれない。
同行者はミスルとクレナイさんとミドリさんだ。
クレナイさんとミドリさんは防御魔法の派生で常時発動の耐呪能力を持ってきており、耐呪の魔法道具をつければ大丈夫であろうという判断だ。
飛行船の改造や魔法道具や封印箱の準備などを行い、明日ソウマ国に向かうことになった。
ただこれが陽動だったらと考えるとミスルを残しておきたようにも感じるのだが。
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