230、ココ王国(7)
私たちが挨拶をしてもアスカ神様とココ神様とココル神様は険しい顔をして黙ったままだった。
「私が話しましょう」
何分経っただろうか。
やっとアスカ神様が口を開いた。
「ココ王国の北部に天才的な魔法道具製作者がいた話は知っているかな」
「はい、ナリタ公爵から聞きました」
「彼は亜神の宿した学者だったのだが少し研究に熱心になり過ぎて、おかしくなってしまった。まあマッドサイエンティストとタカシの世界では言うのかな。倫理や道徳を無視し始めた。仕方なく軟禁した。そして3年前に老衰で死んだ。彼が死んだ後、彼の作った少しまずい魔法道具のいくつかが存在することが分かった。ところがいくら捜索してもリストに存在するそれらの魔法道具が見つからない。ないのではないかと思い始めた時になって現れた。君が封印したのがその一つだよ。『魔力吸いの短剣』という彼の作った魔法道具だ」
「でもその程度ならそれほどでは。結界は強かったですが」
「ああ、その魔法道具は意志を持って行動し、人間を操る能力を持っているんだよ。お互いに連携もする。君だから今回は簡単に封じ込めたがね」
「あと何個あるのですか」
「6個だよ。そして彼の担当神が」
「私です」
「ココ神様」
「私のミスでこうなってしまいました。申しわけない」
「そして分かったことだがどうやら魔法道具を持っているのはヒハ国の貴族らしい。何か起こすつもりのようだ」
「ちょっと厄介ですね」
「この対処は大変だがタカシのお願いしたいのだが」
「わかりました。他の魔法道具等についてできるだけ教えてください」
お読みいただきありがとうございます。




