23、盗賊
戦闘の表現が難しい。。。
タマ川の渡る橋は水面に近い。
橋脚が低い。
大雨ですぐ水没してしまう。
沈下橋だ。
水没しても壊れないように頑丈に作られている。。
この川にはこのような橋がいくつかあるそうだ。
大雨でも水没しない橋はかなり下流に2か所、上流の渓谷に3か所ある。
橋の近くに盗賊がいるのが分かる。
橋の両端にいる。
馬車の移動で気配察知を使っていたら察知できる範囲が自分を中心に300m、前方だけなら500mまで伸びた。
盗賊はジャスト20人。
橋の上で前後から挟み撃ちにするつもりだな。
そちらの思惑にのってやろう。
盗賊が攻撃をしかけてきてからの反撃でないと自分たちは盗賊ではないと言い逃れされる。
先制攻撃はなしだ。
盗賊の頭はお尋ね者だから捕まえることができるが、別件逮捕になってしまう。
今回の襲撃の真相が暴けない。
盗賊の武器は長剣・短剣・槍・斧・弓か。
魔術師もいる攻撃魔法もあるな。
御者の隣に座り、自分たちの一行に結界を張りながら橋のたもとに進む。
橋を渡り始める前に攻撃はないと思うけど。
大人数で移動しながらの結界構築も問題なくできるようになっている。
橋の長さは約250mぐらいか。
幅は8mというところ。
欄干はなし。
落下に気を付けよう。
橋をゆっくりと渡り始める。
前後を警戒し、見えない障壁を張りながら進む。
従者はがちがちに緊張しているな。
護衛は見た目では平然としている。
流石に王女の護衛。
従者と護衛に内通者がいたら困るので鑑定をかけてあるが大丈夫そうだ。
何故こちらの動きが敵対者に知られているか不安がある。
100mも進んだところで動きがあった。
いきなり弓矢と魔法が前後から飛んできた。
初動の様子はわかったけど。
名乗りとか降伏勧告はなしだね。
障壁が弓矢と魔法を跳ね返したというか川へ逸らした。
障壁がわからないよう逸らしたのだが。
魔法は氷と水か。
簡単に逸らせたということは威嚇でもあったのか。
近接武器を持った盗賊たちが橋の両端からこちらに接近してくる。
こちらの一行は橋の中央で止まる。
ないと思うが側面からの攻撃に注意だ。
「女と荷物を置いていけ」
盗賊の頭が盗賊らしいことを言う。
実際はこちらの殺害が目的なのはわかっているのに。
「我々はミオ王女一行だ。王国に敵対するのか?そちらこそ速やかに投降しろ」
護衛隊長が返す。
「やっちまえ」
盗賊の頭が号令をかけた。
武器を振りかざしてこちらに接近してくるが無理だよね。
障壁に阻まれているよ。
剣や斧を打ち付けてくるがだめだよ。
魔法の攻撃も通さない。
盗賊もやっと障壁に気がついたようだ。
護衛の騎士には見ているだけでいいと伝えてある。
さて、相手の無力化だ。
まず前方、伸縮警棒を構えて近づく。
拘束の魔法を発動。
次から次へと縛り上げた。
実戦では初めてだけどうまくいってよかった。
頭も含めて前方の10人を無力化。
縄には魔法が使えなくなる効果もつけてあるから魔術師に逃げられる心配はない。
次に後方、こちらも拘束を行う。
一人すばしこいのがいて拘束がしにくかったので麻痺の魔法を使う。
まあ、健康異常にはならないだろう。
やっとこいつも拘束できた。
動きの速い相手の拘束も研究しなくてはいけないな。
終わったね。
安心して結界と障壁を解く。
これで護衛も自由に行動できる。
護衛たちに賊を集めてもらう。
トラック型の自動車を後方に出し、その牢の中に賊を閉じ込める。
油断していた。
さて一段落と思った瞬間、後方の岸の茂みの方から魔法が飛んできた。
慌てて障壁を張るが護衛の数人と馬が負傷してしまった。
両岸の気配察知を行うが前方に敵はなし、後方からも攻撃者は離れていく。
盗賊の仕事を見届ける監視者か?
自分が逃げるための時間稼ぎか。
こちらの分散は得策ではないので追わない。
ルンさんとミオさんにも手伝ってもらい負傷者の治療を行う。
馬も治療する。
コンさんが馬を落ち着かせてもるう。
怪我人の様子、馬の様子、馬車の状態を最終確認して結界を構築して橋を渡りきる。
実戦なのに少し甘かったか。
橋を渡るまで結界を再構築して維持すべきだった。
「何事も経験ですよ」
難しい顔をしているとミオさんに慰められた。
護衛の皆さんに痛い思いをさせて申し訳ない。
「これが仕事ですから気にしないでください。訓練の時の怪我に比べたらなんということもありません。盗賊の鎮圧も速やかに終わりましたし感謝しています」
護衛隊長さんに言われた。
このような場所で考えすぎて警戒がおろそかになっても困る。
考えるのは王都に着いてからにしよう。
盗賊の尋問は王都で行われる。
盗賊も護送しながら、王都に向かう。
盗賊は王都の警備隊に預け、近衛衛士隊の専門家が取り調べを行うようだ。
王都にはミオさんが魔法道具で連絡してくれている。
事前に盗賊の動向を知らせてあり、すでに近衛衛士隊20名がこちらに向かっている。
途中で落ち合うであろう。
気配察知を拡げながら進むが大きな問題はなかった。
緊張で疲れた。
『魔法のパウンドケーキ』を口に入れる。
3人にも強請られた。
スイーツ大が好きな婚約者一同だからね。
予備はしっかり残した。
パウンドケーキは早く作れるけど消費が激しいな!
パンと両方用意するか。
橋から30分、王都まで1時間半というところで迎えの近衛衛士隊と合流した。
率いるのは副隊長さんだった。
護送用の牢屋馬車も同行している。
近衛衛士隊の牢屋馬車に盗賊を移した。
トラック型自動車は目立つので収納した。
盗賊の拘束も近衛衛士隊の持つ魔法を封じ込める手錠に変える。
今回の私の縄は私にしか解除できないから。
今回も解除の魔法道具を作ってもいいのだが。
前回のは前回の縄にしか使えないよ。
その後何もなく王都に午後1時に到着した。
ここも桜がきれいだね。。
桜餅はあるかな?
結婚すると女性は太っていくケースがよく見られますよね。
とくに専業主婦は要注意ですね。




